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【数字なんていらねぇんだよ!】2023-24シーズンの三遠ネオフェニックスのロスターを紹介するよ!PG編【多分これが一番早いと思います】

前書き

どうも、豊橋生まれ豊橋育ち岡崎より東はだいたい友達のヘッドホンです。

唐突ですが「愛知県のプロスポーツチーム」と聞くと、皆さんは何を連想しますか?

多くの方は、プロ野球の中日ドラゴンズを思い浮かべることでしょう。竜が魚やハムスターより弱いのは野球だけ!

あるいはJ1クラブの名古屋グランパスエイトを思い浮かべる方もいるかもしれません。ユンカーよりもユンケ ー!

まあ200万都市なので当然の帰結といえばそうなのですが、ドラゴンズもグランパスも名古屋のチームです。グランパスの本拠地は豊田市にありますが……。

ひるがえって我が郷里豊橋市、ひいては豊橋が属する東三河地域は残念ながらプロスポーツ不毛の地と言えるでしょう。

愛知県を経済ゴリマッチョにするあの世界のトヨタの恩恵をさほど受けられるわけでなく、かと言って他に大手企業もさほどあるわけでなく、挙げ句すぐ近くには浜松市があるわで、正直豊橋にプロスポーツチームを作る理由はありません。

それなら浜松か岡崎か豊田に作ればいいでしょ?ってなってしまうんですよね……。

しかし!

そんな豊橋市を本拠地とする奇特なプロスポーツチームが、日本にたったひとつだけ存在します。

それがBリーグ、B1中地区所属(2023-24シーズン時点)三遠ネオフェニックスです。Bリーグというのは、男子バスケットボールのプロリーグのことですね。

僕としては、この三遠を入り口にして是非日本のバスケットボールに触れてもらいたいと思うし、欲を言うなら三遠ネオフェニックスにお金を落としてもらいたいと日々思っているわけですが……。

ただバスケなんて体育の授業でチョロっとやっただけ、ダブルドリブル、トラベリング、タレの二度漬けは禁止とかしか分かんねぇ!って方も多いと思います。僕もそうです。

ま、ぶっちゃけルールなんて追々でもいいのです。

大切なのは野球ならホームランや豪速球、サッカーならシュートや鮮やかなキラーパスみたいな、その選手の特徴、得意なプレーをざっくり掴んでみることにあるんじゃないでしょうか。

この選手にはこういう見どころがある」と頭に入れておくだけで、何も分からんのにボンヤリと見るよりも解像度が上がってはっきりクッキリと試合を見られますし、楽しさも分かりやすくなります。

そこで今回は三遠ネオフェニックスのロスター(公式戦に出場できる登録メンバー)は?どんなプレースタイル?そもそも三遠ってどこ?というようなことをまとめました。是非最後までご覧ください!

PG編

というわけで三遠ネオフェニックスのロスターをポジション別に解説していきましょう。

まずはPG(ポイントガード)。PGとは、超大雑把に言えばチームの司令塔としてボール回しの中心になるポジションです。

そこに+αとしてその選手の個性、プレースタイルが乗っかってきます。PGの出来がチームの浮沈を左右すると言っても過言ではないので、極めて重要なポジションです(重要でないポジションなんて存在しませんが)。

こんな解説してたらバスケ有識者に怒られてしまうので、さっさと個人の紹介に移りたいと思います。

#24佐々木隆成:成長著しいエース候補生

2023-24シーズンの三遠において、PGとして最も多くの出場時間を得ることになるのは、おそらく佐々木隆成です。一昨年オフに、ひとつ下のカテゴリであるB2リーグに所属する熊本ヴォルターズから三遠に移籍しました。

佐々木の選手としての最大の強みは優れた得点能力にあります。バスケはハイテンポで得点を取り合う競技であるため、ひとりで多くの得点を記録できる選手はそれだけ大きな価値を有しています。

Bリーグ公式によると、2022-23シーズンの佐々木のPPG(平均得点数)は11.2点。読んで字のごとく、佐々木は1試合に平均して11.2点記録しているということです。

この数字がどれだけすごいかを説明するために同じくBリーグ公式を参考に、B1全選手のPPGと比較してみましょう。

2022‐23シーズンのPPG上位は、毎年の例にもれず外国人選手(正確にはアジア帰化枠を含みます)がほぼ独占している状態です。1位のヘソン(富山)を筆頭に、10位のコーバーン(新潟)までの間に、日本人選手は河村(横浜BC)しかいません。

佐々木選手はこのランキングにおいては76位に位置しています。そう考えると大したことないように思えますが、日本国籍に限定した場合は14位。外国籍から日本国籍に帰化した選手や富樫(千葉J)などをはじめとした、各強豪クラブのエースプレイヤーに次ぐ水準です。簡単な比較にはなってしまいますが、佐々木の得点能力の高さがうかがえるかと思います。

さて、この佐々木の高い得点能力の要因となっているのがスピードスターとも言える身体能力と、高いシュート技術の2つです。

こまごま説明するよりも、熊本時代のものではありますが、プレーをまとめたハイライト動画を見たほうが早いでしょう。

ゴール前にスルスルと入り込むようなドリブルや、かと思えば隙あらばスリーポイントシュートを記録する技術は初見でも魅力充分です。

特にシュート技術は熊本時代に「50-40-90」を記録しており、三遠ではまだまだその本領を発揮できていません。50-40-90とはフィールドゴール(フリースローを除くすべてのシュート)成功率50%、スリーポイントシュート成功率40%、フリースロー成功率90%の3つを達成した、際立った得点能力を示す代名詞のようなものです。野球でいうトリプルスリーのようなものですね。

先述したように、佐々木は2022‐23シーズンがほぼB1デビューイヤーとなりました。下位カテゴリから上位カテゴリに移籍した選手はレベル差などにアジャストを余儀なくされ、成績を落としてしまうことも少なくありません。

ですが佐々木は得点数も熊本時代と同水準を示すなど、カテゴリを移動してなお著しい成長を見せています。2023‐24シーズンも成長曲線そのままにエースプレイヤーとしてチームをけん引してくれることでしょう。

#32山内盛久:試合内外でチームを支える“守り神”

Bリーグは1試合で同時にコートに立てるのは5人、ベンチ入りは10人~14人。ロスターは12人から、多ければ15人以上になることもあります。

そうなるとすべての選手が毎試合試合に長時間出られるわけではありません。ベンチで待機する時間が長くなってしまう選手もいます。

ただ何も選手は試合でプレーするだけがすべてではありません。試合外においていい影響を与える選手は、チームが強くなるためには必要不可欠です。2023‐24シーズンの三遠において、そのような重責を担うのが山内盛久です。

2023‐24シーズンの三遠のPG登録はシーズン前時点で4人。中でも中心的な役割を期待されるのが先述した佐々木隆成と、後述する大浦颯太の2人であり、順調に行くのであれば山内の立ち位置は第3PGということになります。

山内は33歳と、ベテランの域に入りつつある選手です。三遠に入団する以前からプロキャリアをスタートさせており、前身の頃から強豪の地位を保ち、2022‐23シーズンにB1優勝を果たした琉球ゴールデンキングス、伊佐HCのもと天皇杯優勝の経験もあるサンロッカーズ渋谷を経て、2021‐22シーズンに三遠へと加入しました。

強豪クラブを渡り歩いた経験と、琉球と渋谷の両クラブで立ち位置を確立するに至った人格面は山内の大きな強みです。三遠でも試合の外でチームをまとめるオフコートキャプテンに移籍初年度から就任し、大きく選手層を入れ替えたチームを支えました。

2022‐23シーズンではバスケットLIVE内の三遠の動画企画でパーソナリティを務めるなど、明るい性格でチームを盛り上げました。

また試合外に限らず、実際の試合でも山内の貢献度は高いです。試合の流れを読んだ冷静なプレー粘り強いディフェンスが魅力と言えるでしょう。現状の立ち位置こそ3番手にはなってしまいますが、2023‐24シーズンの三遠のPGは若い選手が多く、強豪チームを渡り歩いた経験に裏打ちされたプレーは確実にチームにいい影響を与えるでしょう。

その他にも山内は三遠移籍後、試投数こそ多くないものの高いスリーポイント成功率を記録しています。ボール回しの出口として意表を突くスリーポイントで得点を挙げるのも山内の強みです。

2022‐23シーズン、山内は開幕こそ控えとしてベンチから試合に出る要員でしたが、主力PGを務めたコリンズワースや佐々木が相次いで長期離脱をしてしまい、シーズンの中盤からは山内がスタメンとして長時間試合に出場するケースが増えました。

このシーズンの三遠は離脱者が相次ぐ中で勝ち星が伸び悩み、かろうじて自力でB1残留を果たしています。思うように試合を遂行することが難しくなる中で、B1に残ることができたのは山内がしっかりとゲームをコントロールしたことも要因のひとつとして挙げられるでしょう。

試合の中では確かな経験に基づく冷静なプレーと意表を突くシュート、試合の外ではチームをまとめる明るい性格とで三遠を支える山内はまさに“守り神”と言える、なくてはならない存在なのです。

#5大浦颯太(新規):発展途上の若き天才肌

大浦颯太は2023‐24シーズンから三遠ネオフェニックスに加入する新規契約の選手です。前年まではB1の秋田ノーザンハピネッツに在籍していました。

日本体育大学から秋田に加入し、4年間在籍ののち三遠に移籍しており、年齢も25歳(執筆時点)と若く豊富な伸びしろに期待できる選手です。

余談ですが三遠の大野篤史HCも日本体育大学出身で、当然在籍が重なっていることはありませんが、大先輩・大後輩の間柄となります。

大浦のプレースタイルといえば、大学在学中から定評のあるパスセンス高確率で決めるアウトサイドからのシュート、そして秋田で磨かれたディフェンスが特徴的でしょう。

大浦は日本大学在籍時に当時の関東大学バスケットボールリーグでアシスト数トップに輝いた経歴があります。アシストとはパスを受けた選手がドリブルなどを挟まずに得点を挙げた際に、そのパスを出した選手に記録される数字のことです。つまりアシストが多い選手は間接的にチームの得点増に貢献していると言うことができます。

秋田に入団後の大浦のアシストに関する数字は平凡なもので、伸びているとは言いづらいです。ただ出場機会も限られる中でも時折その広い視野をうかがわせるパスを記録するなど、そのセンスは光るものがあります。

またオフェンスでは高い確率で放たれるアウトサイドのシュートにも目を惹かれます。2022‐23シーズンでは共に試投数こそ多くないものの、スリーポイント成功率34.7%、フリースロー成功率81.0%と高い成績を残しました。

ときにゴール下へボールを運び、ときにアウトサイドからシュートを放ち、攻撃の決め手となるようなパスも出せる、大浦はまさに天才肌のポイントガードと言えるでしょう。

一方、三遠としては大浦のディフェンスにも期待をしているかもしれません。大浦が昨年まで在籍をしていた秋田はハードなディフェンスに定評があるチームで、当然大浦もその教えを受けています。

大野HCは激しいディフェンスから素早く攻撃に転ずるアップテンポなスタイルを目指すバスケのひとつとして掲げており、秋田仕込みのディフェンスを有する大浦がその好みに合致する可能性は大いにあるでしょう。

大浦は秋田入団後、出場機会を充分に得られていたとは言えません。2020‐21シーズンの約946分が最高で、2022‐23シーズンは約538分と控えに甘んじる期間も長くなっています。

それゆえにまだまだその天才肌のプレースタイルは発展途上です。大学の大先輩である大野HCのもとで出場時間を伸ばして、一気にその才能を開花させる可能性もあります。佐々木らとのスタメンPG争いは目を離せないものとなるでしょう。

#11森口弥(新規):未知数な部分も多い、韓国からの使者

森口弥の獲得が決まったと発表されたとき、多くの三遠ブースターが最初に思ったのは「えっ、誰!!?」ということでしょう。

かく言う僕もその口でして……。

まず森口の経歴を簡単にお伝えします。

森口は東海大学九州(東海大学熊本キャンパス)バスケットボール部卒業後、KBL(韓国バスケットボールリーグ)の高陽(コヤン)キャロットジャンパーズへアジア枠の選手として入団。

KBLのアジア枠は2020-21シーズンに導入されたもので、外国籍選手とは別に日本人選手を登録できる制度です。森口は現在B1のシーホース三河に所属する中村太地に次ぐ2人目のアジア枠としてKBLで1年間プレーしました。そして2023-24シーズンに三遠へと入団しています。

余談ですが、三遠の鹿毛誠一郎SAN-ENアンバサダーは森口と同じ東海大学九州出身の元選手です。鹿毛アンバサダーは三遠のゼネラルマネージャーを務めたことがあり、当時も自身の大学の後輩である北原秀明をチームに加入させたことがあったりします。

さて2022-23シーズンの森口の出場時間は短く、控えからの途中出場が多かったようで、プレー面の特徴を数字から判断するのは難しいです。

韓国のスポーツ新聞である『スポーツソウル日本版』の2022年8月12日の記事では森口の特徴として

素早いスピードと優れたハンドリング、シュート力を兼ね備えており

https://sportsseoulweb.jp/sports_topic/detail/id=56781

という点をあげており、高陽としては森口をオフェンス面に強みのあるPGであると認識していたようです。

大学時代の成績も素晴らしいものを記録しており、大卒2年目と年齢も若いため今後の伸びしろにも期待できそうです。

また韓国でのプレー経験は、森口の大きな強みになる可能性もあります。

2021年3月26日、バスケットボールライターの小永吉陽子さんによる、当時KBLの原州DBプロミでプレーしていた中村太地への取材をまとめた記事がYahoo!ニュースで公開されました。

この記事ではBリーグとKBLのプレー面での違いについてKBLでは「シンプルな攻撃を軸に、判断を連続させて足を止めずにプレーすること」、「国内選手によるプレーが多く、外国籍でなくとも195cmオーバーの選手とリバウンドを争うこと」が求められるとされています。

三遠の大野HCは攻守の切り替えの早いバスケを志向しており、この点はKBLのスタイルに近いものがあると言えるでしょう。

また同様に、今の三遠ではリバウンド争いに絡むことが強く要求されています。リバウンドとはシュートされてゴールから外れたボールを直接捕るか、味方へと弾くプレーを指す言葉です。

シュートを打った側がリバウンドを確保すれば、再度の攻撃につなげることができ、得点する確率を上げられます。逆にシュートを打たれた側が確保すれば、即座に自分たちの攻撃へ移ることが可能です。

つまりリバウンド争いで勝ることで得点の確率、機会を増やし、それだけ多くの得点へとつながるのです。

このような理由からリバウンド争いへ勝つことを求める三遠に、リバウンドへの意識が高いKBLでの経験を持つ森口がフィットする可能性も決して小さくはないのではないでしょうか。

データが少なく、未知数の部分が多いのが、少なくとも僕から見た土岐の森口の現在地です。韓国で得た学びを活かして激しいPG争いを制してほしいと思っています。

後書き

すまん。正直ナメてた。

登録全員をひとつの記事でまとめる予定でしたが、思ったよりもあまりにも文量が多くなってしまうので、記事をいくつかに分けたいと思います。

この記事はPG編、そしてSG・SF編、PF・C編の、合わせて3部編成でお送りしたいと想います。

よければ全部見てってください。



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