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ユーザーとか市民開発者とか ~Excelのコツを知った人が向かう先を考えてみた~

人がやっている仕事をふと見たり何か質問されたときに、「今までそれを知らないで仕事してたとは大変でしたね」と思うことがあります。

丁度diamondの記事を読んで思うところがあったので、何となく感じていたことを書いてみます。

【マンガ】仕事が速い人と遅い人「エクセルのちょっとした作業」に現れる差 | エクセルがめんどくさいのでラクするコツをまとめてみた | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

先輩がExcel住所録の都道府県を別セルにする作業を手作業のコピペでやっていたので関数を調べて教えたら喜ばれたというのを見て「あるあるー」と思う方も多いのではないでしょうか。
3000件データがあって1件を5秒かかるとすると休みなくやって4時間かー、今日一日その仕事に集中するか、残業するか、人海戦術でみんなでやるか。
この記事は、そういう面倒くさい作業が楽になるExcelのコツをまとめておくからみんなも知って使って楽しようよというアプローチです。

Excelのコツを知って便利に使える人って市民開発者のカテゴリに入るんだろうなと思っています。
Ota Hirofumi さんが以前作られた市民開発者を表す図がとてもわかりやすいので引用させていただきます。

ノーコードとかローコードとか市民開発者とか。

先日のMicrosft Igniteで、自然言語でやりたいことを書いたらフローを作ってくれるという機能が紹介されました。「Microsoft Formsの回答を受信したらTeamsにメッセージを送ってメールも送る」というもの。誰でも自動化が使えるようになる! と感じますが、Formsというものがあることを知らず紙で回覧を回して判子を押してもらっている人には届かない便利さだなとも感じました。

Society5.0やDXを考えると、すべての人々がデータ活用を意識して作業することが必須です。
Excelのめんどくさい作業を楽にするのは単体の作業レベルの話になってしまいます。仕事の上で後工程で何をするのかを考えなければいけないというのは何も今に始まった話ではありませんが、後の後のことも前のことも全体的に考えないといけなくなってきているのだと思います。自分だけの作業ではなく部門だけでもなくて、全社だったりもしかしたらもっと先までかも。

こんなことを考えて図にしてみました。

みんなで協力してみんな楽になろう

ユーザーやエキスパートの段階はグラデーションだと思います。
すべてのユーザーがデータのことを考えて作業するようになることは難しいかもしれません。市民開発者群が業務に近い立場として各ユーザーに気を配ることで、効率化や使えるデータが出来上がるという成果になります。また、ちょっと勉強して楽になった経験を活かして、仕組みを変えるためにエキスパートや全社に対して働きかけができることが理想です。

エキスパートの世界のことはわからないのでちょっと薄いですが。基幹系=高い機密性・完全性・可用性が求められるシステムはエキスパートに任せる必要があります。エキスパート側も自分たちで全部やろうとするとボトルネックになってしまうので、ローコードのことも知って市民開発者に任せられる範囲をすり合わせていくことが求められるでしょう。

冒頭に書いた「今までそれを知らないで仕事してたとは大変でしたね」という状況はとてももったいないと思うのです。すごく時間をかけてやっている作業を「誰かが楽にしてくれる」ことはあまり期待できません。いつか基幹システムに組み込まれることが予定されているとしても、それまでの何か月も大変な作業を続けなければいけないこともあるでしょう。
Excelのコツを使ってある作業を楽にするのは小手先の改善でしかないかもしれません。でも、誰かが楽にしてくれることが期待できないなら自分でちょっと勉強してみるしかありません。ちょっと勉強してコツを知ったら、別の作業でも使えるかもしれません。
市民開発者とユーザーの間には線が引かれているのではなくグラデーションで地続きであり、「私使う人、あなた作る人」という考えは双方得をしないと感じます。みんなで見晴らし良く協力して改善していきましょう。

以上です。明日には違う考えになっているかもしれませんが、現在の考えをまとめました。


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