壁とらくがき


毎朝通る道の壁にある日突然現れたらくがきが、ある日突然消えていた。
その落書きは毎日幸せ?みたいな問いかけする言葉が書いてあって、わたしは今日もしあわせだよー!ってそのらくがきににこにこしながら毎日話しかけていたので、突然消えてちょっと寂しかったし、毎日見ていたはずなのに、正確にはなんて書いてあったっけ?と馬鹿みたいに忘れてしまった。
らくがきが消えてからも、そのただの壁になった壁に、毎日おはよー!とは言っている。そこにあなたは居なくとも、あなたが居た記憶はわたしがちゃんと覚えているので。

ある日突然別れが来てあーついにきたなと思ったし、そのらくがきがいつか消されてしまうことは前から薄々気付いてもいたのに、その言葉が何だったのかやっぱりさっぱりちゃんと忘れている。それはつまりちゃんと向き合ってなかったってことなのかな。記憶力の悪いわたし。残念だ。

そんなこと過去にもあったな。
絶対に忘れたくない何かがあったはずなのに、どんどんわすれていっちゃうのは良くもあるし、悪くもある。だけどあの時あの場所にはちゃんとそれが存在した。でも、忘れたいことは忘れないのどうなってんだよ脳みそといつも思う。

歩いてる時に、いろいろ考えてあれこれ書こうって思い浮かぶのにいざ言葉と向き合ってみるとなかなか出てこなくて難しい。

言葉は救いにもなるし、希望だけど、時には暴力にもなるし、相手方の捉え方ひとつで全てが変わってしまう。あー、めんどくさいな。めんどくさいこと大っ嫌いだからやーめたっ。ってなる。
今年はそんなめんどくさいことをやりたい。めんどくさいけど。

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