見出し画像

Off Topic #147 AI時代にどう教育する?

#147のインフォグラフィック

OffTopicの番組を聞いて個人的にまとめ画像を作っているmemofleetのnoteです。
今回は#147 「AI時代にどう教育する?」の回となります。ポッドキャストはこちらです。

#147 AI時代にどう教育する?

貴族の教育

今回のエピソードで気になったのは貴族の家庭教師です。現在の一般家庭で複数の家庭教師を幼少期から雇用することは難しいかもしれませんが、幼少期からいろいろなエキスパートとコミュニケーションをとることが良い刺激になり、人格形成や情操教育に繋がるのはそのとおりだと思います。

たとえば実家がなにかの商売をしていると小さい頃から専門的な業種で働く大人に接する機会があったり、親の転勤などの事情で引っ越しが多いと色々な土地ごとの違いを肌で感じたりします。また、傾斜の大きい山の中腹にある幼稚園に通った子は体幹がよくて坂道を上るセンスが磨かれたりします。そういった体験がその後の何かにつながることもあるから、これを総合的に計画できたら天才が育つかもしれませんね。

ピアノや水泳やダンスやそろばんや空手や絵画教室や科学塾など、いろいろと習い事をさせるのも貴族の教育に近しいスタイルかもしれませんが、流行りがありますね。LEGOとコンピュータなど人気がありますが、哲学やマーケティングなどはあまり聞きません。

家の環境も習い事も人生の役に立つ要素がありますが、大学のカリキュラムのようにいろいろと選定できないので「偶然そうなった」事から知恵を掴み取るしかなくて、人により格差がありそうです。こういう点がAIチューターで革新されるのはアルファ世代からになるでしょうか。

クララとお日さま

草野さんが紹介していたカズオ・イシグロの小説、日本語訳ですが読んでみました。

主人公の14歳の女の子Josieは'Artificial Friend'としてクララを選びます。クララについては「AF」とだけ書かれていてArtificial Friendという説明はないのですが、読み進めるうちに太陽光をエネルギー源とすること、こども用のパートナーとして購入されること、旧型のB2型、新型のB3型があること、同じ型でもさらに個体差があることなどがわかっていきます。

実際には家の中に思考を持つヒトが増えることになるので、導入に際していろいろ課題もありそうだなと思いましたが、この世界ではそういうAFを持っていることが前提なので、主題は別にあります。

ここから先はストーリーの内容に触れてしまうので、ご注意ください。

【ネタバレあり】クララとお日さまについて

すぐに理解できなかったのは、クララには知性の高さがありながら、太陽の動きに関しては天動説のように考えていることです。マクベインさんの納屋は家から見て西にあり、ちょうどそのあたりに太陽が沈むのですがクララはそこが「お日さまの沈む場所そのもの」と考えています。これはまだクララがお店のショーウインドウに並んでいるとき、ジョジーがクララに教えたことです。

わたしの部屋から太陽が沈む場所が見える。つまり、夜、寝に行く場所ね

クララとお日さま

この小説にはいろいろな考えるポイントがあると思いますが、奇跡を体験するとAIは信仰をするのか?というテーマもあるのかなと思いました。

天動説はキリスト教の信仰と関係があったように、クララにもお日さま信仰がある。
AFは太陽光で動くので当然ながらお日さまは特別な存在であり、とくに思慮深いAFであるクララはそのエネルギーの源に信仰のようなものを持っていると思います。その信仰の根拠として、物乞いと犬が太陽の光で「生き返る」という奇跡の目撃があるのかと思いました。

クララがほかにも買ってくれそうなお客さんを回避してまでジョジーを待ち続けたのは、ジョジーの部屋から見えるという「お日さまの沈む場所」に行きたかったからではないかと思います。

ChatGPTの欠点は確率論的であること、統計的に近しい答えを導き出すが、それは100%正解ではないことが挙げられています。クララもまたお日さまの力が起こす奇跡、クーティングズ・マシーンの黒煙が太陽を隠していることなどを見て、その機械を破壊することでお日さまが現れ、ジョジーを回復させる光を与えられるはず、という結論を導き出します。

クララは家を抜け出してリックにも手伝ってもらいながら納屋へたどり着き秘密の祈りを捧げますが、通常、太陽神の神殿は日の出に対してその光が差し込むよう設計がされているものです。マクベインさんの納屋は日没の神殿です。クララがお日さまに祈りをささげるのも朝日ではなく夕日。それはクララには朝日が昇る場所というデータが与えられていないためなんだと思います。

奇跡を体験するとAIは信仰をするのか?という点でこの小説を考えると、クララは特定のイベント(奇跡)はデータに基づいた条件が揃えば再現できると考え、信仰心を持った人のように行動する、と見ることができ、じっさいにある日の朝、ジョジーにお日さまの光をあてることで彼女はその日から回復しました。

もしかするとB3型のAFだとこうならないのかもしれないし、クララの個体がたまたまそういう解釈をしただけかもしれないです。ほかのAFの「内面」はあまり描かれていないのでこれは分かりません。

そういえばクララはときどき映像が断片化する状態になります。情報の接続がうまくいかない状態を表しているように思います。

いきなりすべてが断片化されたのには驚きました。いつものようなボックス群への分割ではなく、不規則な形状をした小部分への断片化です。

クララとお日さま

初期のWindowsには「デフラグ」というツールがあって、無数のブロック化したデータを並べなおすような感じだったのですが、クララの断片化を読むとき、これを思い出してました。
たぶん全然違うかもしれませんが。

ポケコン

学生が使う計算機といえば、「ポケットコンピュータ」があると思いました。これは僕も使ったことがないのですが、宮武さんが言っていたのはこれに近いのかと思います。
が、ちょっと古いかもしれません。日本だと1980年代、工業系の学校で使われていたようです。

デフラグだとかポケコンだとか、なにかと古い話題になりすみません。
最後までお読みいただきありがとうございました。

参考メディア


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?