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Off Topic#146 ステータスと文化はどう生まれるか ゲスト:デーヴィッド・マークス氏

#146のインフォグラフィック

OffTopicの番組を聞いて個人的にまとめ画像を作っているmemofleetのnoteです。
今回は#146 デーヴィッド・マークス氏の公開収録とコメンタリーの回となります。ポッドキャストはこちらです。

ステータスと文化はどう生まれるか ゲスト:デーヴィッド・マークス氏

Off Topicイベント

2022年12月6日にリアルイベントがあったのですが、残念ながら参加できず。その後Off Topic Clubで音声が公開されたので聴くことができました。これはありがたいです。
デーヴィッド・マークスさんが語るバンド名がダイナソーJrやマイ・ブラッディ・ヴァレンタインで、これは僕と世代が同じですね。普段のOff Topicではあまり出てこないカルチャーだったので急にチャネルが変わったようで楽しかったです。

雑誌のライターとレコメンドエンジン

そんな90年代カルチャーと現在のモノカルチャーを川とプールで比較してみました。昔はよかったということではないのですが、すみません。
まず基本的には情報量が大きく違います。90年代前半、インターネット普及前のころ、洋楽インディーズを聴きたいとなると音楽情報はいくつかの雑誌、レコードショップ、MTVくらいでした。これらはヒトが手で作った情報なので、頑張れば追いかけられるだけの量だったし、その中のいくつかはいずれメインストリームに登場するバンドだったりしました。
なので、まだ一部の人しか知らないバンドを自分は先に知っている、というステータスが成立していたと思います。
一方でTikTokのバイラルやTwitterトレンドはエンジンが24時間/365日連続的に作り出す情報なのでヒトが追いかけることができない量です。いま何が流行っているか時報のように確認ができるけど、全体量が多いためレアな情報も常に上書きされますので、情報価値は均質化され、知っていることがステータスになりにくい、そういう意味合いで理解しました。

ストリートファッションの人工的な摩擦

  • Tシャツとジーンズは誰でもコーディネートできるのでステータスは作りにくい

  • そこで摩擦を加えて差別化する必要がある

  • 数量限定などの人工的な摩擦を作っている

この説明はとても納得できました。コラボレーションアイテムや期間限定などの人工的な摩擦を作ることで、普通のTシャツとは違うステータスを持たせることができる。しかしその手法がみんなに把握されると飽きられてしまう。宮武さんが言う「マーケターが台無しにする」というのもこの文脈かと思います。
今回のグラフィックでは左に欄外コメントを作りました。グラフィック化しきれない部分を補足してます。

現代のカルチャーアイコンは何か?

エピソードの最後に大きな投げかけをしていました。
エア・ジョーダンとかビヨンセに代わるモノやヒトは生まれるのか?

エア・ジョーダンはスニーカーを超えたものだという宮武さんと、スニーカーカテゴリの中のカルチャーアイコンがエアジョーダンなのでは?という草野さんのやりとりに、そのヒントがあるように思いました。

モノカルチャー

10コンテンツから1つ選ぶ、100コンテンツから1つ選ぶ、というレベルの母数なら1番が決められると思いますし、感覚的にも納得感のある結果になりそうです。
10億コンテンツから1つ選ぶとなると、まずヒトの能力では全体像が把握できないです。そこでAIレコメンドがリアルタイムでトレンドを出してくるものの、そのトレンド情報も見る人によって違うので結果的に1番とおもうコンテンツも分散しているというのが今の状況かと思います。

カルチャーアイコンは共通認識のなかで生まれると思うので、スニーカーとしての1番はこれ、みたいにセグメントを設けると出しやすいですが、そのセグメントも細分化して個々で独立した状態ですね。カテゴリを超えたカリスマは生まれにくいと思いました。

多様性を求めて

現在のレコメンドシステムは、みんなが良いと言っているもの、再生回数の上がっているものをバイラルとして集計していると思います。これはこれでよいとして、バイラルの陰で見えなくなっているけど一部の人には面白いものや、再生数は低いけど面白そうなものをキュレーションできる仕組みもあるとよさそうです。AIの進化スピードが速くなっているので、多様性を持ったレコメンデーションももうすぐできるかもしれませんね。

読んでいただきありがとうございました。

参考メディア


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