見出し画像

詩 『死に向かう二十歳のうた』 2


悲劇でいい



これは悲劇。

悲劇は美しい。

結ばれぬ恋。

儚く散る若い命。

夢は夢のまま。

幸せ数秒手前の美しいこと。

幸せの絶頂だなんて。

あとは下り坂が待つだけ。

喜劇はいつも幸せの絶頂で終わる。

だから信憑性に欠ける。

喜劇の後は美しくない悲劇が待っている。

冷めゆく愛。

老いゆく命。

満たされない日々。

一度最上級の幸せを体験してしまったこと。

それが喜劇の終わり、悲劇の始まり。

どうせ悲劇で終わるのなら

美しい物語を。



2024/06/20

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?