激動の3年間だと思っていた


センタープレ試験を受けた帰りに、私の将来が決まった。毎月のようにあった模試でA判定しかなかったので、絶対に受かる自信があった。それでも通知書の封を切る瞬間は手が震えたし、合格の二文字を見たときには自分の決めた道が間違いではなかったと、18歳ながらに思った。

高校時代は、半数以上が男子のむさ苦しくて汚くて面倒事が比較的少ない天国みたいな環境で、2年間過ごしてきた。だから、学部全員女子という事実には正直不安しかなかった。女子しかいないと揉め事も多いだろうし、仲のいい友達も出来ないだろう。経験ではそうだった。

上辺だけの友達と体育の授業を受け、出席の誤魔化しを協力し合い、英語の授業でたまたま隣の席になった友達と適当に部活に入り、何気ない毎日を過ごした。学食に行ったり、授業をサボってアイスを食べたり。授業中にアマプラで映画観たり、学業よりもバイトを優先したり。好きな人ができて、別れて、好きになってもらえて、未練残ったまま振られたり。飲み過ぎて吐いて周りに迷惑をかけてしまったり。大学生らしいことは全部したつもりだった。1年が経つ頃には、友達は上辺ではなくなっていた。揉め事も一切なかった。信じられなかった。

高校の2年間を天国というなら、大学生活は天国かつ楽園だった。

ただ、臨床実習が始まってからは地獄に変わった。楽園であることは変わりなかったけれど。実習とは名ばかりで、ただの雑用。理不尽に叱られたこともあった。ペアの子に腹が立つこともあった。コロナ禍で半日実習なのが救いだった。サボった日は多分誰よりも多かったけど、単位不認定にならずに1年間もよくやれたなと思う。

地獄が終わってからもまた地獄。勉強しろと言われ続ける地獄。半年も続いた。そこらのカップルよりも長い。昔はそれなりに勉強が出来たので、勉強を強いられることがなかった。それ故の地獄なのか、はたまた天邪鬼が故の地獄なのか。

勉強しろと言われて「はいやります勉強します」と素直に受け入れる偉い子だったら良かったが、そうではない私は、この期間にまだ出来ていなかった大学生らしいことをとことん詰めた。終電逃してオールしてテスト前に遠出して。楽しかった。本当に楽しかった。1日が50時間だったらいいのにと何度思ったことか。

出席日数はあと1日でアウトだった。よくわかってないまま卒業試験を突破した。我ながら運が良いと思う。なんで受かってるのか、どこで点数取れてるのか未だにわかっていない。週1で外泊。受験生としてあるまじき行為だと思う。夜ふかしして遊びに行って、大して勉強せずに国家試験を迎えた。多分だけど、合格しています。私ほど勉強してない人は日本中どこを探してもいない。運が良かった。

明日、というかあと5時間後には卒業式が待ってる。母に買ってもらったRED Valentinoのワンピースと、妹に施してもらったネイル、バイト代で買ったPRADAのローファー、最高で身を包んで挑む。大好きな人たちも来てくれるらしい。恵まれてるなとつくづく思う。

激動の3年間だと思っていた最後の学生生活。遊びや恋愛やバイトに全力を注いで、運の良さと持ち前の強メンタルだけで全部突破した。さようなら、愛知学院大学!思っていたより激動ではなかったけど、想像していたより重厚で濃密な3年間でした。




追伸

一緒に部活に入ってくれた友達へ、あのときたまたま隣の席にならなかったら、ここまで仲良くなることもなかっただろうと思います。21年間生きてきて、偶然の副産物がここまで大きいのは初めてです。合宿で入った嫌に静かで不気味なお風呂も、ミスドじゃなくてザ丼に行くムーブも、2人でビビり散らかしたホラー映画も、数えきれないほどの思い出は私の宝物です。いつもありがとう。

性的に好きだと言ってくれる友達へ、バイト先が違う店舗だって盛り上がって2人でご飯食べに行ったときから急に距離が縮まったことを覚えています。突然ピアス開けてるし、舌ピ飲み込んだって騒いでるし結局飲み込んでなかったし、そういうとんでもないことをするところが特に好きです。若くして死ぬのを私が止める筋合いはないけど、本当に死んじゃったら嫌だなって心の底から思ってるよ。死ぬときは一緒に死のうよ。

絶対に読んでないしもう寝てるだろうけど一番好きな人へ、いつもわがままに付き合ってくれてありがとう。毎度言ってるけど本当に楽しいです。遠出してかなり長時間一緒に居たのに、全然嫌じゃなかった人は初めてです。少しだけ遠くなっちゃうけど、これからも側に居たいと思っています。物理的距離ではなく心の距離の話。どこが好きか言うなって言うだろうからやめときます。色んなところに一緒に行こうね。嫌になるまで一緒に居たいです。こんななら出逢いたくなかったって言ってたけど、私は何があろうと出逢えて良かったって思ってます。これからもよろしくね。

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