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子宮外妊娠 退院後2週間までの記録

子宮外妊娠して、腹腔鏡手術を受け、左卵管を切除した記録です。
確率が低いゆえ、経験談が少ない子宮外妊娠。
この記録がほんの少しでも誰かのためになればいいなと思います。

手術後3か月後くらいで体調が一定になってきたので、それまでの経過を書いて終わりにしようと思います。



【退院直後~1週間】

ほぼ寝て過ごす、おなかも傷跡も痛い

とにかくおなかが痛い。
起き上がる、歩く、座る、といったちょっとした動作すら難儀。

今までの腹痛といえば生理か胃腸関係のどちらかで、痛みの種類も限られていたけど、手術後は新しい痛みの種類が加わった。

卵管があったと思われる左腹の内臓ピンポイントに鋭い痛みがある。

傷跡ができた体の表面も相変わらずつれるように痛んで、少し動くと引っ張られて痛い。

なぜか右側の内臓も痛むようになってきた。

熱っぽさは治まってもだるさは残って、家事もままならない。

人生で一番情緒不安定

医師からは、妊娠を突然中断したことになるので、ホルモンバランスが崩れて精神的に辛くなる可能性がある、と言われていた。
医師に言われたとおりホルモンの影響なのか、本当にメンタルが不安定になったのか分からないけれど、毎晩泣いていた。
気持ちの中では”悲しい”が一番大きい割合を占めてるけれど、それだけだけではなくて、正常妊娠できなかった事実に、ヒトのメスとして劣っているんじゃないかと劣等感に苛まれたり、なんで私がと悔しくなったり、急に病気になった恐怖だったり、いろいろな感情が入り乱れてとにかく泣ける。

病が人を選ばないことは分かっている。
分かっていても、実際身に降りかかって感じることは全く別だった。

ぼーっとしていると、この状況が他人事のように思える時間もあったけれど、今回のことを真正面から受け止めるとどうにかなりそうな気がして、それなら他人事のように思っている方が楽だった。

出血が続き病院へ

退院直後からどろっとした結構な量の出血が続いているので、退院2日目にして診察に。

タクシーの揺れも体に響いて辛い。

エコーで診察したところ、問題のある出血ではなく、手術の時に子宮が動かないようにクリップのようなもので留めたので、そこからの出血だと思われる、とのことで、粉末状の薬を機械で噴射された。

翌日から出血の量はかなり減ったものの、出血は続いた。

手術跡のルックス

手術跡は、おへそと下腹部の真ん中と左の3か所。
医師からの指示どおり、おへその保護テープは毎日シャワーの前にはがしてきれいに洗っているが、手術跡は×印、どう見ても信楽焼のたぬきのそれ。
おへその形自体も変わってしまったし、何より体に”失敗”の×印が烙印されたようで、見るたびに憂鬱になる。
下腹部の方は傷跡を保護するシリコンテープのようなものが貼ってあって、自然に剥がれたらそのままで良いと言われていた。
下腹部の傷は意外と小さくて、1センチくらいのまっすぐの傷跡。
傷跡には処方されたパラマイシンを塗る。
幸い盛り上がってはいないけれど、赤い線がいかにも手術跡。
温泉やプールで目立ったら嫌だな。

【退院後2週間】

体力ガタ落ち、引き続きおなかも傷跡も痛い

腹痛は相変わらずで、傷の痛みと内臓の痛みと、どちらかが痛いか、どちらも痛いか。
おなかに力を入れると痛みが強くなるので、座るのも1時間が限界で、あとは寝そべって過ごす。
そんな毎日だから体力が回復するはずもなく、右肩下がり。
この2週間、人生で一番何もしていない。

傷跡に優しい、ワコールのねはだ着ショーツ

出血量が減って漏れないメリットより蒸れるデメリットを感じるようになってきたので、吸水パンツを卒業したものの、傷跡にゴムが触れるのが怖くて検索するうちにワコールのねはだ着ショーツに行きついた。
へそ上まで股上があって、ウエストのゴムが無いので、おへそが圧迫されることはないし、ちょっとずれてもおへその傷跡の刺激にならない。
ソフトな生地で肌あたりもよく、厚めの二枚重ねなので、急に出血があったとしても少量なら外に漏れなくてとても良い。
睡眠時間を豊かにするために開発された商品らしいけれど、腹腔鏡手術後にとても良かった。

退院後2週間目の診察。もう産科ではない。

妊婦さんだらけの待合室で孤独に耐える
新生児は生まれてよかったねぇとあたたかい気持ちで見られるけれど、待合室で妊婦さんを見るのは辛い。
コロナ全盛期には妊婦本人しか立ち入れなかったのに、今はエコーを見に来たご主人や妊婦さんのお母さんなんかもいて、疎外感がすごかった。
周りを見たくなくて、ひたすらスマホに視線を落として1時間以上待ち、ようやく診察。

ふと受付票を見ると、印字された「産科」の文字に赤ペンでバツ印がつけられていて「婦人科」に訂正されていた。
そうか、もう私は産科ではないのか。
たったそれだけのことなのに、急にむなしくなった。

メンタルは回復せずとも卵子は育つ

採血の結果、hcgホルモンの値は2.5、順調に減っている。

エコーで診ると次の卵がもう育っているらしく、メンタルより先に体が回復している。

少量の出血はいまだに続いているが、医師によると特に心配ないらしい。

腹水が溜まっているけれど、術後としては正常の範囲内だそうで、今の腹痛は手術後で傷ができたことによる痛みと、この腹水による痛みだと言われた。

心配ない=治療もなし、で痛くても耐えるしかない。

今日はまだ病理の結果が出ていないそうだ。
病理の結果は電話では教えられないし、異常がなければ病院から電話することもないとのこと。
hcgが減ってきているので心配はないと思うが、気持ちの整理のために聞きに来てもよいとのことだったので、来週も診察の予約を入れた。

次回問題なければ、それで通院は終わり。

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