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行動の原理ーレスポンデント条件づけ1ー

人や動物が行動する時には、大きく分けて2つの原理に基づいていると言われています。それがレスポンデント条件づけとオペラント条件づけです。今回はレスポンデント条件づけについて考えていきましょう。

レスポンデント条件づけで有名なのはもちろん、「パブロフの犬」で知られるIvan Pavlov(イワン・パブロフ)でしょう。パブロフは犬がエサを見て唾液を出す反応を、同時に音の刺激を加えて提示することで、音が鳴れば唾液が出るようにしました。

この反応、実はわたしたちの身近なところで起きています。虫が怖かったり、高いところが怖かったり、多くの人は何かに対して「怖い」と感じることがあるのではないでしょうか。これも、ほとんどがこのレスポンデント条件づけで説明できるのです。他にも、手を挙げられるだけでびくっと畏縮する子供がいたり、飼育員が近づいてくると大きな口を開ける動物がいたり、こういったものも同じように説明できます。

それではもう少し詳しくレスポンデント条件づけについてみていきましょう。ここでは一番有名なパブロフの犬を参考に考えたいと思います。
犬はエサを見ると唾液が出ますね。これは自然な反応です。でも、メトロノームの音を聞いただけでは普通、唾液は出ません。この時のエサを、無条件刺激(US)と呼び、メトロノームの音を中性刺激(NS)と呼びます。また唾液が出るという反応を無条件反応(UR)というので覚えておきましょう。

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さて、ここからこの中性刺激であるメトロノームの音を条件刺激(CS)として、レスポンデント条件づけをおこなっていきます。

まず、ほぼ同時に無条件刺激であるエサと条件刺激であるメトロノームの音を繰り返し提示していきます。ちなみに、このように無条件刺激と条件刺激をほぼ同時に提示することを対提示と呼びます。次に、条件刺激であるメトロノームの音だけを提示すると、条件づけを行う前にはなんの反応もなかったのに、唾液が分泌されるようになるのです。この唾液が出ることを条件反応(CR)と呼び、これがレスポンデント条件づけになります。

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参考文献
三田村仰(2017)はじめてまなぶ行動療法 金剛出版

自分にできることが何かを模索しながら、とりあえずできること、発信できることから始めようと思います。少しでもリアクション頂ければ励みになりますので、よろしくお願いいたします。