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【ヒビビビミリ】 #4 雑記「ゴールデンウィークとひとり映画」他 - ツキサノ


はじめましての方ははじめまして。
そうでない方も読みにきてくれてありがとうございます。

皆のイマジナリーサブカル女子 ツキサノ です。

ゴールデンウィーク初日、皆さんはどうお過ごしでしょうか。

私のGWといえば、大した休みもなければ、特にこれといった予定も無いので、買ったきり未だ読めていない書籍や、床に平積みされているVHSの類をこのタイミングで消化出来ればいいなぁと思っています。

例年通り《GWのゴールデン要素とは?》といった具合ですね。

(どちらかと言うと、グレーとかなんかこう薄暗く湿っぽい色味な気がする)


去年同様、こういう状況下で迎える長期休暇は、何かと手持ち無沙汰になる方もいらっしゃるかと思うので、そんな時に私たちのPodcastを聴いていただければ嬉しい限りです。

有意義な休日にならない事間違いなしの『MEME SERVICE』のPodcast。今後もよろしくお願いします。




《今週の知見》 信じないからこその占い

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・「誕生日の前にmをつけて検索してヒットしたものが自分の一生の武器になる」という謎の占いのようなものが一時期流行っていたらしい。


遡ること紀元前に発生してから現代まで、世界中でバズり続けているキラーコンテンツ「占い

これだけ長い時を経ても尚、需要が尽きないというのも勿論凄いけど、それ以上にずっと《根拠も証拠もない》という注意書きが根底にあるような強度の低さで、数千年持ち堪えているのが凄過ぎる。

恐らく、占いが長寿コンテンツである所以には、人間の心理みたいなものが深く関わっているのだと思う。


人間の「興味・好奇心」という感情と「信頼度の追求」と言う行為は恐らく反比例の関係にあって、好奇心を満たせるのであれば、それが信用に足るものかどうかを度外視して楽しむ事を選択し、興味・関心が無いものであればあるほど人間は疑り深くなる。

この世から詐欺が無くならないこともこの人間の心理的作用を上手く利用しているからであって、詐欺の本質は「信頼させる術」ではなく「興味を持たせる術」なのだと思う。

それと同様に、きっと占いが好きな人にとって「何故その結果になるのか」についてはどうでも良くて、重要なのは「自分が楽しめるのかどうか」なのではないだろうか。


現に、古代文明においては政に関わる儀式として非常に重要な役割を果たしていた占いたが、現代におけるソレは、あくまで「エンタメコンテンツ」としての役割に徹している。

それを踏まえると現代人はそもそも占いを信じておらず、そもそも「信じてしまう人」には向かないコンテンツなのかもしれない。

それもそうだ。占いというものは、信じた途端に、エンタメとして消費するにはあまりに重いコンテンツになる。

例えば、一時期テレビで一世を風靡した細木数子のあの有名な台詞。


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これが事実だとしたら、「え〜本当ですか〜?(笑)」などとヘラヘラしていられない。これを信じた時点で、細木数子は占い師ではなく「死の宣告人」になるのだから。

(まあ、細木数子は色々な意味で死の宣告人みたいな雰囲気はあるけどね)

兎にも角にも、今回の裏にに関しても、陰謀論やオカルトに関しても、やはり眉唾ものは眉唾ものとして楽しむことに越したことはない。

何せ、一度考えてみて欲しい。

この項のはじめに書いた「誕生日の前にmをつけて検索してヒットしたものが自分の一生の武器になる」なんて根拠どころか何もかもが意味の分からないものなのだから。

結果的に何が出てきても良いのだ。

赤ちゃんバギーとかネジとかオモチャとか、そういうものが出てきて「うわ、これが私の武器なのかよ〜(笑)戦える訳ないじゃんね(笑)」という一幕の笑いや話題になればそれが正解。

私も検索してみようかな。


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オモロじゃなく、ちゃんと《実用的な武装》って感じのが出てきちゃった。


皆、占いは信じよう!!!!



《今週の知見》 無産オタクと寛容さ


数日前に検索サイトのトップページでとある記事が目に入った。

記事の内容はというと、特に作品を生み出さず、コンテンツを消費するだけのオタク(記事内の記述通り消費者の型としては極々一般的なものだと思うのだけれど…)が行う「批評」に関してと、彼らに用いられた「無産オタク」という呼称に関して、SNSを中心に議論が起こっているというもの。

アニメ『鬼滅の刃』や映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の歴史的ヒットを経て、ますます注目されている日本のサブカルチャー。素晴らしい作品を生み出すクリエイターが称賛される一方で、ネット上では「無産オタク」なるワードが賛否を呼んでいるようだ。
無産オタク」とは文字通り、自分では何も生み出さず、コンテンツを消費することに特化した存在のこと。「ごく普通の消費者のあり方では?」と思われるかもしれないが、このワードが生まれた背景にはSNSの流行が大きく関係している。 (記事の一部を引用)


SNSでこの議論の争点、及びこの記事を書いているライターの方の訴えは、「ある種の消費活動に対する寛容さ」という点に収束すると思うのだけれど、個人的に、テン年代以降のサブカル史の変遷の中で、「蔑称としてのオタクというカテゴリー」は絶滅し、よりカジュアルで概念的なものへと変化しと考えていたので、この一件を別の観点から興味深いものとして見ていた。

この問題は、『旧エヴァ』で描かれた庵野監督自身の葛藤にも通じると思うのだけれど、ことエヴァシリーズの終着点は、実に現代的なオタク(先述の概念的な情報)の在り方に寄り添ったものに落ち着いていた。

そういった点を踏まえても、80〜90年代的オールドスクールなオタクは絶滅、若しくはコンテンツの消費活動において許容されるべき新たなベーシックな方法論としての一般認知がなされていると考えていたので、言わば、ありきたりなオタク論争みたいなものが2021年に再興するとは思いもよらなかった。

もしかすると、テン年代においても、こういった論争は常に存在していたが、その過程でオタクという単語が用いられてこなかっただけなのかもしれない。

アニメーションという枠組みの中で、『鬼滅の刃』という新たなキラーコンテンツの誕生と、90年代から脈々と続いた《エヴァ史の終焉》という巨大なイベントが立て続けに発生した20〜21年。

オタクという概念を構成する要素の中に確かに存在した「アニメ」という分野に重点的なスポットライトが当たり、それらのイベントと時を同じくしてコロナ禍という状況によって、SNSを中心とした作品についての議論・批評が例年よりも頻繁に行われるようになった。

そして何より『エヴァ』という時代を跨ぐコンテンツによって所謂"旧世代的オタク"と"新世代的オタク"が交わる機会も増えたはずだ。

それらを踏まえると、このタイミングである種のベタな「オタク論争」が発生する事はごくごく自然な現象なのかもしれない。


恐らくこの議論において最も難しいのが「発言に見合った何かを産むことの必要性」の有無だ。

発信するメディアや方法が何通りにでも存在する現代において、アウトプットとインプットは、独立したものから相互的な関係へと変化した。

その結果として「産み出す人」は、自分が今まで消費してきた大好きなあのコンテンツにどうやっても到達できないというジレンマを抱え、「産み出さない人」は、ごくありふれた消費活動の中にも"語る資格"が求められるようになった。

現状、どちらも苦しい状況に陥っているので見ていられない。

私は、恐らく「産み出す人」と「産み出さない人」のちょうど中間位置で「ヘラヘラしている人」だ。国家で言えば中立国、アニメで言えば掴みどころの無い糸目のキャラのような。

個人的に、両者の言い分には理解できる点が共に幾つもあり、同時に両者共に理解できない点も沢山ある

何となく最近、何事も「0:100論」がウケる世の中になってきていて、どうもきな臭い。

この記事の筆者が訴えたように、グレーを許容する寛容さを持つだけで、人生というハードモードのゲームが幾分かプレイしやすくなる。


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私は、いつまでも大沢木大鉄のマインドで生きていたい。




《雑記》 ゴールデンウィークとひとり映画


今日はゴールデンウィーク初日。

きっとある家には、普段家にいない旦那の言動にイライラしていながらもあくせくと部屋を行ったり来たりしている人がいて、別の家には、肩を寄せ合いながら、この先のゴールデンウィークの予定についてを検討するカップルがいる。


日中に都市部や郊外を歩いていると、見下ろすようにマンションが立ち並んでいて、遠目では、巨大で無機質なコンクリートの塊に見えた"それ"も、一度日が暮れてしまうと、カーテンの隙間から漏れ出す灯りのひとつひとつから、"生き物"の営みの断片を窺い知ることができる。

それは、一軒家においてもオフィスビルにおいても同様だ。

見知らぬ誰かの過ごす今日が、その人が立てた予定なのか、はたまた労働に伴う予定なのかを知ることは叶わないが、人それぞれが思い思いのゴールデンウィークを過ごしているのは確かだ。



このnote用の原稿を書いているのは、定期更新日前日の2021年4月28日木曜日。
私が過ごした今日がどうだったかと言うと、勤めている会社の意向で本日はお休み。

しかし、残念ながら明日明後日と仕事が控えているので、正直なところ、この休日が持つ「色味」を上手く認識できていない。

とは言え、折角のイベント性のある休暇なのだから、世間の浮かれっぷりに乗じて、力を入れた休日にするのも悪くない。

踊る阿保に見る阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損々


阿波踊り歌のメロディを脳内で口ずさみつつ、早朝のバスに乗り込む。

雨粒がバスの窓を叩いて、がらんとした車内の静けさがより際立った。

生憎の天気に気分を落とすことがないよう、今日初めて聴く音楽に悩んでいると、ふとThe Buzz Mothers(バズマザーズはミニアルバムまではこの表記だった)の『理詰&ブルース』が聴きたくなり、滅多に開かないAmazonミュージックのAppをタップした。

ミニアルバムを何周かした頃、車掌がアナウンスで仙台に到着した事を知らせ、バスを出る。

今日は、昨晩から企てていた事を実行するのだ。

コンビニで適当な朝食を済ませ、喫煙所を経由して映画館へ向かう。

朝イチの上映を観るなんていつぶりだったろうか。

マンディンゴ』のリバイバル上映にどうしても足を運びたかった私は、どうせなら観ないままになってしまいそうな他の映画達も観てしまおうと、その他に『JUNK HEAD』『街の上で』の計3本に的を定め、隙間時間をちょっとした買い物で埋めながら、無事にこの計画を完遂した。

今泉監督に散々な目に遭わされてきた私にとっては、ある種の地雷源にもなり得た『街の上で』が以ての外かなり良かった事が幸いして、素晴らしい時間を過ごす事が出来たのだけれど、浮かれすぎていたのか、折り畳み傘をシートの足元に忘れたまま劇場を出てしまい、取りに戻るのも面倒になったので濡れながら駅へと向かう。

充実感に心を躍らせ、いつもより数cmくらい歩幅が大きくなったけれど、調子に乗ったせいか駅の構内で足がまごつき尻餅をついてしまった。

やはり年齢を重ねれば重ねるほど、連続して長編作品を観る事に付随する疲労感みたいなものは、着実に増していっている気がする。

老いの先端に少しだけ指が触れてしまった。

そんな悪い考えと、給料日直後だと言う事を言い訳に、帰りは新幹線を選び優雅に帰路へ着いた。


ささやかな私のゴールデンウィーク。

明日は仕事だけど頑張れそうだ。

では、また来週。


今週の良コンテンツ集

ツキサノが、その週に消費したコンテンツの中で、特に良かった作品をご紹介。


【漫画】室木おすし 『貴重な棒を持つネコ』


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【概要】コロナ禍の2020年9月7日、Twitterに突如出現した「貴重な棒を持つネコ」アカウント。投稿される4コマを心待ちにするフォロワーとその周辺で大人気となり、今回満を持して、「貴重な棒を持つネコ」が書籍化!
せつなくてシュール、なのに笑えるストーリー、未発表作の4コマ、また「本当にその棒、貴重なんだろうか・・・」と思わずにはいられない、猫のフーちゃんが持っているあの棒の秘密、はたまたマンガに登場する、人間くさいけど破天荒なキャラクターたちのスピンオフマンガと、棒ネコファンならずとも読んだ後に語らいたくなる充実した内容です。
飼い主を探し続けるフーちゃんが今後どうなっていくのか、ヒントになるかもしれない「これまでのストーリーのまとめ」も必見!



【漫画】 タナカミホ 『空飛ぶ馬 (原作・北村薫)』


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【概要】文学部の大学生〈〉と、噺家・春桜亭円紫(しゅんおうていえんし)が解き明かす、日常にひそむ謎と不可思議。見られるはずのない夢・大量の砂糖を入れられた紅茶・幼稚園から一晩だけ姿を消した木馬…。
人が生き、触れ合うことで生じる明暗を描く五つの物語。本格推理小説であり、一人の女性の成長を捉えた爽やかな青春物語でもある "誰も死なない"ミステリの記念碑的作品、初漫画化。


【小説】 呉勝浩 『スワン』


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【概要】首都圏の巨大ショッピングモール「スワン」で起きたテロ事件。
死者二十一名、重軽傷者十七名を出した前代未聞の悲劇の渦中で、犯人と接しながら、高校生のいずみは事件を生き延びた。
しかし、取り戻したはずの平穏な日々は、同じく事件に遭遇し、大けがをして入院中の同級生・小梢の告発によって乱される。
次に誰を殺すか、いずみが犯人に指名させられたこと。そしてそのことでいずみが生きながらえたという事実が、週刊誌に暴露されたのだ。
被害者から一転、非難の的となったいずみ。
そんななか、彼女のもとに一通の招待状が届く。集まったのは、事件に巻き込まれ、生き残った五人の関係者。目的は事件の中の一つの「」の真相を明らかにすること。
彼らが抱える秘密とは?そして隠された真実とは?


【映画】 大林宣彦 『野のなななのか』


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【概要】雪の北海道芦別市で古物商“星降る文化堂”を営む元病院長・鈴木光男が92歳で他界した。葬式に参列するため、鈴木家の面々が芦別に戻ってくる。そんななか、現れた謎の女・清水信子によって、樺太で旧ソ連軍の侵攻を体験した光男の過去が焙り出されていく。


【映画】 リチャード・フライシャー 『マンディンゴ』


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【概要】南北戦争前のアメリカ南部を舞台に、奴隷牧場を営む父子の栄光と没落を描いた歴史大作。カイル・オンストットの同名ベストセラーを原作に、『ミクロの決死圏』リチャード・フライシャー監督がメガホンをとり、『アラビアのロレンス』のモーリス・ジャールが音楽を手がけた。19世紀半ば、ルイジアナ州。マクスウェルは自身が所有する広大な農園で、黒人奴隷を育てて売買する奴隷牧場を経営していた。息子ハモンドは父の言葉に従って名家の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったことに憤り、黒人女性エレンとの情事に溺れていく。一方、ブランチも屈強な奴隷ミードと関係を結んで妊娠。横暴な権力者として振る舞ってきた一家は、破滅の道へと突き進んでいく。出演は『ロリータ』のジェームズ・メイソン、『わらの犬』のスーザン・ジョージ、『処刑教室』のペリー・キング、プロボクサーのケン・ノートン。公開時は世界的ヒットを記録したものの、人種差別的な設定や偏見を助長する内容、過激な描写などが物議を醸した。2021年3月、デジタルリマスター版で初公開から約45年ぶりにリバイバル公開。


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