僕らはJ-Poper#2

「街を泳ぐという感覚」

もう、サカナクションが大好きだ。
詩を書こうと、書き始めたのも、
映像を取り扱う職のために、進路を決めたのも、
サカナクションの影響だ。

サカナクションから身についたことは
色々あるが、一番は街を泳ぐ感覚だと思う。
下り坂の影響で、高いビルが斜めにどんどん高くなっていく視界の中をずんずん進んでいく夕方の道
を思い浮かぶ曲と歌詞は、
サカナクションの楽曲にはたくさんある。

「アルクアラウンド」は、一番最初に出会った曲だ。当時の、塾帰りの車で流れていた、ラジオのヘビーローテーションナンバーだった。
もう、夜になった町の中を、特に喋ることもない車の中を、くるくる街灯が車内に入って、それに合わせて、体感のBPMが上がっていく雰囲気。

その2年後くらいに、サカナクションと出会い、
「アルクアラウンド」の歌詞を聞けるようになった。
私は、好きな何かができるたび、

正しく僕を揺らす 正しい君のあの話
正しく君と揺れる 何かを確かめて

https://www.uta-net.com/song/88720/

この歌詞を思い出す気がする。
物理シミュレーションで、ぶつけられる方みたいな私を置いて、正しく動き出す私を見てる私、
みたいな。
皆は、好きなものはもっと無条件に好きなのかな。

「アルクアラウンド」はぜひ、MVも見てほしい。
サビで、「嘆いて」と繰り返すが、
実際に「嘆いて」の文字が、オブジェとして現れ、より強調がなされる。
「嘆いて」なんて、すごく気をつかって使う歳になったら、もう言えないね。

また、ボーカルの山口一郎さんが、幕張メッセを歩き回ることで、MVは進行する。
私が、曲で踊りたくなった時、歩きながら踊っちゃうのは、このMVのせいだと思う。

MV監督:関和亮

芽惟


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