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Strayは猫ポイントが高い。

  噂の猫ゲー『Stray』をプレイしたよ。トレーラーが公開されてから気になっていたゲームで。プレイヤーは一匹の野良猫(stray cat)となってサイバーパンクな世界を舞台に冒険していくアクション。
一応ネタバレは配慮するけど、これからプレイする人は気を付けてね。

 たぶんだけど猫になって自由気ままに過ごしたいと思った人は世の中にそれなりにいるんじゃなかろうか。もちろん僕もその一人。好きなように寝て、好きなところで爪を砥ぎ、テーブルの上の物は特に意味はないけど落とす。怒られても気にしない。気にはするかもだけどたぶんそんなに気にしてない。

 そういうことができるんだよこのゲームは!寝ればゴロゴロの音を好きなだけ聞けるし、そこらじゅうの絨毯で思う存分に爪とぎできる。やってみてわかったんだけどね。爪とぎ楽しいの……爪に繊維が引っかかってブチブチするのめっちゃ楽しいの……。でもゲーム的には意味無い。ただ爪を砥ぐだけ。切れ味が上がって猫パンチの威力が上がるとかそういうのは無い。最高。猫ポイントが高い。
 キーボードの上を好きなだけ歩いて、通行の邪魔をしても、窓を割っても……でも猫だから!僕、猫だからね!仕方ないね!これが出来る。猫ってこういうことする!ほら、猫ポイント高い。

 そしてアクション要素を駆使して突き進んでいく中で、幾つかのちょっとした謎解き要素もあるんですがもうね。そこも猫ポイントが高い。
 え、猫ちゃんこんなことできるの!?偉い!!そうそう、そこのレバーを……え、偉!猫、偉い!操作してるの自分なのに。
 アクションこなすたびに「凄い」「可愛い」「すごい」「天才」「カワイイ」「あたま良ッ」と無限に褒めてる。(しかし語彙力は地の底まで落ちる)これですよ。高い。
 失敗しようものなら「ああ、猫ちゃん。僕が不甲斐ないばかりに……」「猫にこんな酷い仕打ちするとかあいつ許せねぇ」とかなる。もしかしてこのゲーム、下僕育成シミュレーターなのでは?

 こんなふうに思わせてくれるのもゲーム中の猫の仕草の再現度が高いのお陰なんですね。スタッフロール並ぶ猫たちの名前がズラリと並んでいることからも彼らがゲーム制作に多大な力を貸してくれていたからなんでしょうね。(ちなみに犬の名前もあった)ありがとう猫ちゃんズ。ちなみに制作スタジオのスタッフの数より猫の数の方が多いらしい。そうなるともう猫に養われていると言っても過言ではなかろうて。

 そして猫と言えばSFと相性が良いことがあげられる。いろいろ出てるでしょ!なら今作の舞台となっているサイバーパンクな世界との相性が悪いわけがない。治安が悪くて、落書きと薄汚れたネオンの光。屋根から滴る水と水溜り。錆びたドラム缶。そこを猫ちゃんになって歩けるんですよ。猫ポイントが低いわけがない。
 
 猫はNPCとも交流できるのですがそれもまた可愛い。足元すりすりしたりするとNPCもそれにウットリ。鳴き声をあげただけでもウットリ。表情がハートになってもう……ね。「うんうん。可愛いよねぇ」と何故かモブNPCと共感している始末。ゲームでそんなことある?はい、このゲームだとある。
 それにNPCも可愛いし、ユーモラスに溢れている。猫の視点を通して厳しい世界を生きて行こうとするNPCとの触れあいは心温まるものがあり。次第に世界の謎に迫っていく王道なストーリーも良い。

 タイトルの『Stray』とは『はぐれる 迷っている』という意味だという。ぜひプレイできる環境の人はあの世界に猫なって迷い込んで欲しい。そこで猫ポイントの高さを感じて欲しい。

 ちなみにだけどある場面はホラー要素も高い。苦手な人は苦手かもしれない。ちなみに僕は「こんなヤベェとこカワイイ猫ちゃんに歩かせやがって……許せねぇ!」となりました。楽しいです。




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