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親不知抜歯レポート

※2021/1/12追記しました※

※2021/1/17追記しました※

※2021/3/15追記しました※


最近は手術が多い。

瞼に続いて,今度は下顎の親不知抜歯の手術をしたので,記録として残すことにした。

経緯

親不知のせいかは分からないが,昔から歯並びが悪く,年齢を重ねるごとに奥歯に鈍い痛みも感じ始めた。

最寄りの口腔外科で一年おきくらいにレントゲンを撮った。最初のうちは根っこも生えておらず完全に埋没(歯茎に埋まっている状態)していたのが,時間の経過とともに歯茎内で成長し,真横を向き始めて今に至る。

鈍い痛みはいくらでも我慢できたし困っていなかったが,最近になって特に歯並びが悪化しているのを感じ,今回の抜歯を決意した。

術前にとったレントゲンでは,下顎の親不知は左右どちらも真横或いは斜めを向いていた。生えてくるスペースがなくて,このような状態になっているらしい。

担当医師は「歯並びが悪化しているかどうかはレントゲンでもX線でも判別できなかった。親不知を抜いて歯並びの悪化や歯の痛みが止まるかは分からない」と説明したが,やはりどこかでけじめをつけなければならないと思い早速手術を予約。

手術当日

術前の説明を受け,痛み止めと抗生剤を服用した後,手術台に寝そべって麻酔の処置を受ける。電動で注入するタイプの麻酔を使っているのか,処置中に音楽が流れていた。(電動だと液を一定の速度で入れられるので、痛みが少ないとされています。)

麻酔のチクっとした感じは多少痛かったが,最初に塗るタイプの麻酔をしてもらっていたのもあって,やはりインフルエンザの予防接種に比べたら生易しい痛みだった。

担当医師は「麻酔を何段階かに分けて入れていきます。その方が効きます」と説明してくれた。痛みを気にしている旨を伝えると,「痛いときや手を止めてほしい時は手を挙げて教えてくださいね」と言ってくれた。

それからはあっという間だった。


手術中は顔にシートをかぶせられてあまり景色は見えなかったが,ふつうの虫歯の治療のようにドリルがぶつかる音がして、右の親不知が真っ二つにされた。

「歯を引っ張ってみますねー」と言われてミシミシと異様な音がしたが,麻酔がしっかり効いていて痛みは全く感じなかった。

歯を弄ってるのかなあなどと思っていたら「もう抜けましたよー」と言われたので吃驚だ。

その後は保険適用外の治療促進剤を患部に埋め込み,糸で縫合して終了。

麻酔の注射以降,まったく痛みを感じないまま手術を終えられた。

担当医師のスピード感ある(ちょっと荒い)手技のおかげか,多めに見積もっても30分以内で麻酔~手術が終わったと思う。

術前に「根っこが少し曲がっているので30分くらいは時間がかかるかも」と言われていたが,思ったより扱いやすかったのかもしれない。


ガーゼを噛みながら止血していると,真っ二つにされた歯が自分のもとにやってきた。それをまじまじと見ながら術後の説明を受け,ガーゼを噛んだまま帰宅した。術後は麻酔や痛み止めが効いているのもあって,違和感や重怠い感じはあるものの痛みはほぼ感じなかった。

食事については,流動食(おかゆ,プリン,豆腐等)と飲み物は問題なく食べられた。それ以外は無理だった。

それでも喋ると多少痛いし,術後の疲労というか,本調子じゃない感じはずっとあった。ルーチンワークは頑張ればこなせただろうが,自分を休ませる事を優先させた。

術後1日目

早朝,なぜか目が覚める。するとすぐに右の頬が痛み始めた。痛み止めが切れてしまったのだろう。寝ればやり過ごせると思ったが,痛みのせいで寝られず,結局5:30に一度起きてコーンスープを一杯だけ飲んで痛み止めと抗生剤を服用。

その後は薬が効いたのか,しっかり眠れた。痛みも治まっていた。

腫れをみてみると,前日よりひどくなっていた。元々「痛みと腫れのピークは2,3日後」と言われていたので納得だった。飴玉を含んだ時と同じくらい頬が膨らんでいた。
腫れている部分は硬くなっていた。

口はまだまだ開かないし,喋りづらいし,歯で物を噛めない(舌で押しつぶすくらい)し,重怠い感じは続いていた。でも,ちゃんと日常生活は送れる程度だった。

術後2日目

この日は早朝に苦しむことなく,しっかり眠れた。朝の痛みもあまりなかった。腫れが少し引いてきたかな?と感じたが外面は変わっていなかった。

それでもまだまだ口は開かない。食事も流動食がメインで,固形物,特に歯で噛まないと食べられないものには手を出しづらかった(それでも食べようと思えば食べられました)。

雑炊に入っているお米を食べるのにも時間を要したので,舌で押しつぶせるくらい柔らかいものの方が食べやすそうだと思う。

この日くらいから,もう痛み止めを飲まなくていいくらいになっている。

術後3日目

この日もぐっすり眠れた。朝の痛みもあまりない。

腫れに関しては,内側からどんどん引いていく感じがした。
基本的に調子がよく,もうルーチンワークもこなせそうな状態だ。

固形物はほぼ普通に食べられるが,まだ多少腫れが残っていて口を開けづらい。

術後4日目

朝も問題なく起きられた。固形物も普通に食べられるし,数日前からは歯磨きも(患部を避けつつ)問題なく行えている。腫れはあと少しで完全に治まりそうだが,口は開かない。思い切り口を開けてもまだ指3本が縦に入らないくらいだ。

当たり前だが,患部側で物を噛むことはできない。担当医師からは「術後2,3週間以降が噛めるようになる目安だ」と言われている。

そのため,左右両方の歯を手術する際は,両方の歯が使えないといったことにならないよう手術計画に気を配る必要がある。

術後5日目

患部側の頬を下にして寝てみたら,腫れの引き具合が弱くなった気がする。気のせいだろうか。

腫れはまだ治まらない。

状況は前日と変わらず,日常生活は問題なく過ごせている。患部と反対側の歯を使えば,固形物も問題なく食べられる。

やはり現状一番の困りごとは「口を開けづらいこと」だ。

歯磨きの時,奥歯に歯ブラシを差し込むのが少しきつい。勿論激痛とかではないので困り感は少ないのだが,欠伸やくしゃみが出そうになると「痛むのでは」とついビクビクしてしまう。

ルーチンワークは問題なくこなせる。

術後6日目

状態は昨日とさほど変わらない。痛みはほぼないし,口も段々あけられるようになった(指3本が入った)。
くしゃみをしても,痛くなかった。違和感はまだ残っている。

術後7日目(抜糸の日)

口腔外科に行き,担当医師が来てから2分もしないうちに抜糸と消毒が終わった。消毒のコットンを患部に押しつけるとき少し鈍い痛みがしたが,十分耐えられるくらいだった。
抜糸を終えると更に違和感が減じた。
担当医師からも「順調に治ってきています」と言われ,安心した。
完全に痛みや違和感が治まったわけではないが、もう普段通りの生活を送れている。


続いては、左側の抜歯についてだ。

抜歯当日

右側の時と同じように処置をされた。

今回は右側よりはまっすぐに生えているのでさっさと終わるかな、と思っていたら意外とそうはいかなかった。

前回と同じように麻酔をしているはずなのに、

歯を砕くとき少し痛かったのだ。私は少し痛いだけでも念のため麻酔の追加をお願いした。担当医師は快く麻酔を追加してくれた。しばらく時間をおいて再び作業に入る。

だいぶ奥まで砕いたかな、というところでまた痛み出したので、もう一度手を挙げて麻酔を追加してもらった。担当医師が口を開けさせたまま「麻酔の感じはどうですか?」と訊いてくるので、「あーーーーー(うーん)」と返事をする。「微妙?そうかー」といってそのまま続行したので少し驚いてしまった。

しかも今回は歯がすんなり抜けなかった。顎を支点にしててこの原理みたいに抜こうとするものだから、顎が中央から割れるかと思った。麻酔が効かない痛みもあったが、顎を押さえつけられる痛みとかも普通にあるのだ。

抜く直前には、かけらが歯茎に当たったのか、体が反応するくらい痛むときもあった。必死に手を挙げるが、終盤ということもあり担当医師は対応しなかった。結局無痛で快適に、とはいかなかった。
術直後は、患部だけ重力10倍と表現したらいいのか、何とも重だるい、苦しい感じがする。右側の時もそうだった。

術後には説明を受けた。「根っこの先が曲がっていたので、痛みを感じやすかったのかもしれません」と言われ、「まあ先生もできる限りの処置はしてくれたのだから…」と納得することにした。

右側の時は真っ二つだった歯が、今回は5つくらいのかけらになっていた。

「根っこを抜いたら神経が露出してましたよ。もしかしたら数日痺れが出るかも」と担当医師に言われ、おびえながら口腔外科を後にするのだった。

術当日の夕方からズキズキとした痛みが現れるようになり、薬を服用。

術後1日目

今回は、右側より痛みの強さはひどくないかも、と思った。早朝に痛みで起きることもなく、安堵していた。腫れはもちろんあるが、右側よりはましだと感じた。

術後2-4日目

痛みや違和感はずっと続いている。大体右側の時と変わらない。しかし痛みに関しては、痛み止めを飲み続けるくらいはある。薬を飲んでもうまく治まらない時もあった。

術後5日目

少しの痛みというか、違和感というか、痒みにも似たような不快な感覚が術後から治まっていない。薬を飲んでも治らないことが多いので半分あきらめている。抜糸の時に相談しようと思う。

術後6,7日目

痛みがそれから治ることはなかった。抜糸の時に具体的な相談をしたが、抜歯創消毒用のうがい薬を渡されただけで、基本的には時間が解決してくれるだろう、というスタンスらしい。大きく口を開けて食事する必要があるときは、その後かなり痛む。日常生活に支障を及ぼすと言えば大げさなくらいだが、まさか術後7日経っても好きなものを食べるのに苦労するとは思わなかった。

それ以降

しばらくして痛みは治ったものの、抜歯をして隙間が空いたせいで食べ物がどうしても詰まり、異臭のする液体や歯茎の腫れに度々悩まされた。

口腔外科では隙間に水(おそらく)を流して洗浄を行う処置がなされた。
1回では症状が治らず、結局2回受診した。
自分の場合、抜歯後隙間が完全に埋まるには、治療促進剤(テルプラグ)を使用しても1か月以上を要したというわけだ。

しかし、追記した2021/3/15現在、術前にあったあの鈍い痛みは、術後1回も経験していない。

総括

術前に一番危惧していたのは,術中の痛みについて,そして術後普段通りの生活が送れるのかについてだった。

術中の痛みについては,右側は予想していたより(というかほぼ)痛くなかったのでよかったと思う。しかし左側は普通に痛かった。

術後の生活については,瞼の時と比べて手術当日のしんどさが軽いなと感じた。
しかし腫れや痛みが酷くなる術後1,2日目は流石にしんどかった。
痛みのピークは,自分の場合術後1日目の早朝だったように思う。ただ今回は痛み止めでコントロール可能だったため,安心感はあった。
しかし左側のように、何かしらが原因で痛みが続くとそれはそれでしんどい。


実際に手術を受けてみないと気づかなかったことも幾つかある。

例えば,手術のとき先生の手で結構口の肉が引っ張られることだ。

歯がうまく抜けないと、顎を支点にてこの原理みたいにして抜こうとされる。人によってはこれらをしんどく感じる人もいるかも知れない。「てこの原理」をされたときはさすがに痛かったので手を挙げた。痛かったらすぐに言いましょう。

また,流動食を食べるにあたって,飽きないように沢山の種類のものを用意する必要性も感じた。

定番のゼリーやお粥,プリンだけを毎日食べていると飽きが来るので,茶碗蒸しや豆腐,ヨーグルトなどを追加してもよいと思う。同じお粥でも味を変えるといった工夫も可能だ。また、お粥の上にドリアやカレーなど別のレトルト食材を乗せると味変になって良かった。

注意

この記事にある内容は個人の経験に基づいたものであるため,全ての人がこれと同じ結果になるとは限りません(左右でさえ痛み方が違ったのですから)。参考程度になさって下さい。
読んでいるあなたが手術を受ける際は,担当医師のアドバイスをしっかり受けるようにして下さい。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


それでは。

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