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【エッセイ】作家さんと私

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ショップで紹介しているブランドについて、出会いや紹介しきれなかったことなど、裏話を綴ります
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まちづくり目線のアップサイクルにワクワクするのは、”ほしい未来への時間軸”があるから。

「アップサイクル商品」を買うとき、またはつくるとき、はたまた売るとき、多くの人は「ゴミを出さない」「環境に配慮している」というような視点で行動していると思う。 ところが今回、メルとモノサシで取り扱いを始めたアップサイクルブランド「巡り巡る」はちょっと違う。興味深いのは、「まちづくり」を目的としたアップサイクルを行っているところだ。 テント生地の残反をつかったアップサイクル製品をつくる「巡り巡る」を企画しているのは、兵庫県播磨町でまちの人たちの活躍の場をつくるような、さまざ

”偏愛”があるから、ブランドがブランドであり続けられる

“素材への偏愛” 漂着ゴミのアクセサリーをつくる「UMIUMI」のデザイナー・得本さんとお話しして、パッと閃いた単語はまさにこれだった。 得本さんと初めてお会いしたのは、2019年秋に大阪・芦原橋で開かれたアップサイクルをテーマにしたイベント「CLEANING DAY 2019」。私は衣類交換会「カタルフク」のスタッフとして参加していて、UMIUMIさんとはブースがお向かい同士だった。 この日の私には衣類交換会の成功の他に、裏ミッションを持っていた。それは、まだ影も形も

あの日、平和を願う"高校生の彼女"と"小学生の私"が出会った気がする

私がショップの立ち上げを構想することになった大きな理由は、「素晴らしいものづくりをしている人が周りにたくさんいるから」である。最初の数ブランドは、ショップの構想前から知り合っていた方ばかりだ。 シリアと日本をつなぐアクセサリーブランド「YDY」の代表・有希さんもその1人。彼女との出会いは、私がまだ古着のチャリティーショップのマネージャーとして日々古着の活用について考えまくっていた頃。衣類交換会などを企画してエシカルファッションを啓蒙する「カタルフク」のメンバーとして知り合っ

料理を通じて世界で起きていることを知ってほしい。4度の取材を経て私にも見えた風景。

このたび、新しく取り扱いが始まったブランドが「世界のごちそう博物館」。毛布、アクセサリーの次は、レトルト食品を品揃え。総合通販出身の私は総合的な品揃えをしたくなるようだ。 「世界のごちそう博物館」は、名前からもわかるように、世界各国の料理をレトルトで販売している。その目的は、単に世界の料理を楽しんでほしいからではなくて、「料理を通じてその国の歴史的背景や文化、社会問題に目を向けてほしい」というもの。2016年までは神戸市内でレストランを構えていたのだけど、「もっと多くの人に

"デザインの大量消費"に疑問を感じたデザイナーがつくった、「同じものをつくり続ける」スタンスの毛布ブランド

エシカルブランドのストーリーと共に商品を紹介するショップ「メルとモノサシ」。ショップに掲載しているブランドについて、裏話を交えながらnoteでも紹介していきます。(商品は、noteのクリエイター画面「ストア」からもご覧いただけます。) さて、2020年12月のプレオープンの際、最初に掲載させてもらったブランドがこちら、LOOM&SPOOLという毛布ブランド。 代表商品は写真の綿毛布。染めものみたいな洗練されたデザインで、国内屈指の毛布産地・大阪府泉大津市で生産されている。