ジュエリーバイヤーであり、コレクターである理由
私はアンティーク&ヴィンテージジュエリーのバイヤーであり、
コレクターでもあります。
お客様へ、ジュエリーをお渡しするバイヤーであるのに、
自分のためにキープし、コレクションしてしまうのは、
矛盾しているじゃないか?と言われれば、
その通りかもしれません。
しかし、ヨーロッパ、アメリカ、日本共に、
素晴らしいジュエリーディーラーは、その多くがコレクターでもあります。
ジュエリーを愛するが故に、
人生を捧げるが故に、
運命を感じるジュエリーに出会った時に、手放すことができないのです。
また、自分で購入し、手元に置き、よく観察し、身に着けることで、
はじめて分かること、気がつくことがあります。
ジュエリー研究における大切なことは、手元に実物があることです。
興味深いことに、
ジュエリーディーラーがどんなジュエリーを身につけているかで、
ディーラーとしてのランクも、分かります。
素晴らしい知識とセンスを持つディーラーが
偽物のアンティークを、
センスの良くないアンティークを身につけていることなど、
絶対にあり得ないからです。
買い付けの際に、
本物のアンティークジュエリーを身につけていることで、
この子は若いアジア人のバイヤーだけど、
ちゃんと見る目を持ち、真剣にジュエリーと向き合っているという、
無言の意思表示として、
プロフェショナルのディーラーに認めてもらう近道にもなります。
そして、
運命を感じたから、私の私物として大切にします。という言葉を、
ディーラーは、とても喜んでくれます。
バイヤーの、私物への投資は、
その後のバイヤーとしての力量に繋がるのです。
私は、アンティークジュエリーだけではなく、
安価だけど、とても気に入ったヴィンテージジュエリー、
時代を象徴するような素材で作られたものも、
シンプルに見た瞬間に心奪われたものを手元に置くと決めています。
私のアンティークジュエリーの師匠のような方々にも、
「ちゃんと自分で、自分のために素晴らしいアンティーク&ヴィンテージジュエリーを買いなさい。
学ぶことは多いし、
運命を感じたアンティークにもう一度出会えることなんて、ないからね!」
と言われています。
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