見出し画像

ヴィンテージと現行のミリアムハスケルの違い

ミリアムハスケル はハスケルが亡くなった現在でも、
ブランドが継続しています。
ココシャネルが亡くなった後も、
CHANELがブランドとして継続しているのと同じようなことだと
思って頂くとイメージして頂きやすいです。

ハスケルがブランドに関わっていた1930〜60年代初頭、
そして彼女が精神を病んでしまい、仕事に関われなくなったものの、
その弟子たちによって、彼女の精神が引き継がれた1970年代までの作品が
個人的には、良質な作品が多かったと感じています。
私がお客様の為に買い付けするジュエリー、
そして個人的に研究材料として集めているものも、
1930~70年代までのハスケル です。
一部、1980年代の作品にも興味深く、美しいものもありますが、
圧倒的に割合は少ないです。

では、1970年代までのハスケルと、現行のハスケル は何が違うのか?
まずは、デザイン。
ハスケルがその才能を見出し、ハスケルの右腕だったフランク・ヘスをはじめ、
才能あるデザイナーがハスケルの黄金期を支えました。
それは、コスチュームジュエリーの歴史を変えたと言っても、
言い過ぎではありません。
女性の持つ、強さ、繊細さ、美しさ、儚さ…を全てを、
ダイヤモンドやルビーなどの貴石ではなく、ガラスで表現しました。
その情熱と反骨精神を、ジュエリーから強く感じるのです。

そして、素材、パーツ。
パーツを探すためにヨーロッパまで旅をしたというハスケルの拘りと、
絶対的審美眼で選び抜かれたビーズたちは、
最高ランクのものばかり。
美しいデザインの魅力を最高まで引き出したビーズたちもまた、
ハスケルジュエリーの大切な要素です。

素晴らしいデザインと、パーツから生まれたハスケルのジュエリーは、
コスチュームジュエリー(貴石ではない)の枠を越えた
奇跡の芸術作品です。

ハスケルのジュエリーと出会って、
私もまた、ジュエリーはダイヤモンドだけではないことを知りました。

残念なことに、
ハスケルがブランドを離れて時間が経つほどに、
ハスケルのジュエリーから、ハスケルの精神を感じなくなります。
私の感覚的なことで言葉にすることは難しいのですが、
ジュエリーから放たれる力や美しさが弱くなっていくのです。

私がお客様にお渡しさせて頂くハスケル は、
力と美しさを持ったハスケル ジュエリーと考えています。
それが1930~70年代のミリアムハスケル に拘る理由です。

http://meltingpot-shop.com




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?