改行しまくられると目が滑る
文章での表現は、イラストや漫画、動画などと比べると視覚的要素が薄いと思われがちだ。とはいえ、書きつけられた文章は基本的に目で見て読まれるわけだから、視覚的要素が大きく影響するのも確かである。
フォント、文字の大きさ・太さ、文字色や背景色といった点も影響度は大きいが、それら以外でも、もっとシンプルに「見やすさ」に影響を及ぼすポイントがある。それは改行だ。
noteでもそうだが、一文の長さと改行の程度、そして空行を挟むかどうかは、その書き手によって大きく個性の分かれる点だ。たとえば以下のふたつの書き方だと、文章が同じでも印象は相当異なることがわかるだろう。
《改行マシマシタイプ》
《文章ツメツメタイプ》
これらは好みの問題に過ぎないが、逆に言えば好みは分かれるということだ。そして、伝わりやすさ(読む側にとっての読みやすさ)にも影響してくるため、なかなか軽んじてよいものでもない。
個人的には、一文ごとに空行が差し挟まれる書き方も、文字が数十行にわたってみっちり詰まっている書き方も、ともに読みづらく目が滑る印象を受ける。
みっちり詰まっている文が読みづらいのはまあわかるとして、改行と空行が挟まれている文章も目が滑るのは、自分でも不思議だ。
ただ、たとえばWordなどのソフトで「文字と文字の隙間」を広げた設定にしてみると、読みづらいと感じる人は多いのではないかと思う。以下のような感じだ。
「私 は 分 厚 い 辞 典 が 好 き だ」
これは、文字と文字がバラバラに頭に入ってきて、ひとかたまりの言葉として認識しにくいからではないか。そして空行が差し挟まれる文章で目が滑る感じも、これと同じ理由なのではないかという気がする。
わたしは自分の好みや感覚に合わせて形式段落や意味段落ごとでの改行や空行を入れている。
なんとなく好感のもてる文章も、自分に近いレイアウトで、改行を入れる感覚が似ている感じがしていて、面白いものだなと思う。
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