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農薬が効かない!農薬の抵抗性について

気温が上がると、病気や害虫が増えてきます。
その結果、本来収穫できるはずの作物を守ることができなくなることがあります。

この問題を解決するための方法は、農薬を使うことです。

しかし、農薬を使い続けると、効果が年々低下するという話を聞いたことがあるかもしれません。
それは、農薬の抵抗性が生じているためです。
今回は、この農薬の抵抗性について詳しく説明します。

農薬の抵抗性とは

同じ農薬を長期間使用し続けると、その農薬が効かなくなる現象を指します。

農薬を使っている間に、害虫が農薬に対して耐性を持ったと考える人もいるかもしれませんが、それは誤解です。

実際には、農薬が効かなかった害虫には、偶然その農薬に対抗できる遺伝子が備わっていたために生き残り、次の世代にもその耐性が広まっていくことが正しい理解です。

また、一つの農薬に対して抵抗性を持った害虫が、別の薬剤にも抵抗性を持つことがあります。これを複合抵抗性と呼びます。

抵抗性を防ぐ方法

ローテーション防除が効果的とされています。

ローテーション防除とは、毎回異なる農薬を使用することです。

同じ農薬を繰り返し使うのを避け、同じ効果を持つ別の成分の農薬を使用します。

同じ農薬を使い続けると、抵抗性を持つ害虫が残り続けることになり、抵抗性を持つ虫を育ててしまうことになります。

農薬を散布する際には、均一に散布するように心がけましょう。

終わりに

農薬の抵抗性に関連して、アルベルト・アインシュタインの有名な言葉を引用しましょう。「Der Alte würfelt nicht(老人はサイコロを振らない)」という言葉です。

これは、「同じ条件で実験を繰り返せば同じ結果が得られるはずだ」という意味です。つまり、世界は偶然性によって支配されるのではなく、確定された物理法則に基づいて動いているのです。

これを農薬の抵抗性に応用してみると、前回と同じ病気が発生し、同じ農薬を使用したにもかかわらず効果がなかった場合、アインシュタインの解釈とは異なる結果となります。

前回と同じ農薬を使用すれば同じ結果が得られるはずです。しかし、実際には、私たちが知らない何かが影響を与えているために結果が異なるのです。

実際には、農薬に耐性を持つ害虫が存在し、その影響で結果が変わってしまったのです。

人間は成功体験から同じ方法で成功を繰り返そうとします。
何かを試す場合も同様です。

成功した方法を繰り返せば成功すると分かっているからです。逆も同様で、同じ方法を続ければ失敗することがあります。

その場合、別の方法を見つけなければなりません。

農薬が効かなかった場合は、他の農薬を試してみるなど、新しい方法を探してみましょう。アインシュタインはまた、次のようにも言っています。

「自分で体験する以上に、学ぶための良い方法はありません」

したがって、どの農薬が効果的かは試してみなければわかりません。

様々な農薬を試して、前回の農薬と新しく見つけた農薬をローテーションで使用してみることをおすすめします。


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