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アルゼンチン、バスの旅

 みなさん、こんにちは。今日は全国的に大規模なストライキです。現政権への抗議を示すため交通機関、学校、公共機関、物流など、国中の機能がストップしています。おかげで業務も在宅で行いました。
 夕方になったので、一息ついてこの国の庶民の足、バス旅について書いてみます。
 アルゼンチンには鉄道があまりありません。ブエノスアイレスと近郊を結ぶ線が数本あるだけ。遠くまで行くことはできません。また、飛行機もブエノスアイレスと各都市を結ぶものがほとんどで、地方都市間を行き来するには不便です。
 そこでみなさんが使うのが、大型の長距離バスです。大抵が2階建てで、1階は飛行機で言うとファーストクラス。8から10席ほどしかなく、広くゆったり座れます。私はまだ利用したことがないのですが、cama(寝台)と呼ばれるいわゆる寝台席もあり、さらに広いスペースが確保できるようです。
 日本の7倍の面積があるアルゼンチンですから、ブエノスアイレスから旅行に出ると、軽く500キロ、700キロを超えていきます。バスに乗る時間は10時間以上はざら、中には丸一日かかる便もあります。
 驚いたのは、5時間程度の場合、サービスエリアの休憩がないことです。運転手が2名で乗務するので、適当な時間に路肩に寄って交代するだけ。あとは黙々と走り続けます。トイレ休憩がないので、当然車内にトイレがありますが、できればあまり使いたくない。というわけで、バスに乗る前は水分を控えて乗車に備えます。
 さらに驚いたことがあります。それは、ブエノスアイレスのバスターミナルの場合、80近くある番線のどこに入線するか、よくわからないということです。電光掲示板があるのですが、早朝便だと係の人もサボっているらしく、ほぼ掲示されません。周りの人に聞いたところ、「アナウンスがあるからよく聞いて」と言われ、唖然としました。
 そしてなんと、耳をダンボにして神経を尖らせて聞き取った番号と異なるプラットフォームに入線することも…。こちらの人はみな心得ているようで、あっちだ、とわかると荷物を持って、広大なバスターミナル内を走り出すのです。出発時間まで10分しかない、なんてことも。
 バス旅初心者、スペイン語学習中の私にとって、ヒヤヒヤしっぱなしですが、無事に乗れて出発した時の達成感はかなり大きなものがあります。
 さて、次はどこに行きましょうか。

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