見出し画像

パタゴニアの南、氷河の町エルカラファテ

 アルゼンチン、ブエノスアイレスは夏の終わりを迎えています。こちらに来て4ヶ月が過ぎ、初めての遠出をしました。パタゴニアの南にあるエルカラファテという町は、氷河を見る人でにぎわう玄関口です。
エルカラファテからツアーのバスに乗って1時間半近く。赤土の木の生えない大地をひた走り、その先にペリトモレノ氷河がありました。
氷河の流速は1日2メートルということで、その動きを感じることはありませんが、時折「ゴー」という音や「パンッ」と氷が割れる鋭い音がします。タイミングが良ければ、豪快な崩壊を目にすることもでき、言葉で表現するのが難しい迫力でした。
 次の日はセロと呼ばれる丘陵にジープで登り、帰りは徒歩で下るというツアーに参加しました。

てっぺんからは美しいアルヘンティーノ湖が見渡せる

 前日の雨もあってぬかるんでいる場所もあり、ストックを持っておそるおそる下ります。ガイドさんは慣れたもので、歴史や地理について丁寧に説明しながら、ストックも持たずにスルスルと下りていくので、後を追うのに必死でした。
 とても楽しいカラファテの休暇でしたが、実は一番印象に残ったのが、移動のバスで隣になった中国の方との語らいです。高級ブランドの防寒着にソニーの一眼レフを持っていたため、日本人だろうと思い話しかけると、驚いた顔で「日本人ではありません。でも少し話すことができます」と返事がありました。なんと、学生時代に国費で九州大学で電気工学を学び、日本で働いたのち帰国して、(おそらく)北京大学の教授となり定年で退官したという方でした。
「日本語は久しぶりだから」と頭をかきながらも、日中両国の引きこもり問題、経済、少子化対策や外国人の雇用まで、幅広い話題で話が尽きません。
「私はいい時代に日本で勉強してとても運がいい。色々なことを学びました」と、とても謙虚です。75日間かけて中南米を制覇する一人旅の最中ということでした。
「こんな遠い場所で日本人に会って、日本語を話すとは思ってもいませんでした。ありがとう、楽しかった」と言ってくださり、こちらも大きく手を振って別れました。
 旅の一番の醍醐味は観光よりむしろ人との出会いにあるのかもしれない、と感じた出来事でした。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?