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奥久慈を探検するTern Vektron と BESV PSA1の話  pt2

(2021.7 走行)
pt1はこちら↓

  ・はじめに
福島茨城両県に跨る秘境奥久慈エリアの山奥サイクリング、今日は「奥久慈サイクリングロード」に記載された、
「三角形の道」と
「ツール・ド・はなわ」
のふたつを合わせた周回ルートを走ってみる。

前者はなんでも東大の建築学科の先生がこのルートを実走した上でそう名付けたという。そんなかっこいい肩書きの先生なんだからもっとかっこいい名前にできなかったのかと思うがそこは凡夫にはわからない深いものがあるのだろう。
後者は例年当地で開催されている同名のサイクルイベントに使用されているルートだ。
いずれもアップダウンは多そうだがわたしのTern Vektron と家人が借りたBESV PSA1の2台のe-bikeで鷹揚な気分で臨むのである。

・国道349号
宿の位置するプラトーから国道349号を辿っていく。
国道と言ってもここは山の中、交通量は非常に少ない。そして道も狭い。県道以上の辺境感がある。

ほどなく、ロードだったらしんどいだろうなと思うような登りがあるが、アシストつきだとヘラヘラ笑いながら登れる。
しばらくわたしがPSA1を借りて試用してみるが、自重が軽いせいかアシスト切ってる時もペダリングが軽い感じだし、アシスト効かせて登っている時もそうだ。電動システムがハブドライブのせいだろうか。BBドライブのVektronよりなにかとラクな気がする。

登って降りると五升蒔といういい名前の集落を通る。家並みの佇まいも抒情的で絵になる農村風景だ。

・ツールドはなわコースへ
その先で渓流沿いに山の中に入っていく道が岐れる。ツールドはなわコースの入り口だ。
木立の中をR349よりさらに細い静かな道で登っていく。

やがて道は渓流から離れてぐいぐい高度を上げていく。これは脚で漕ぐやつだとかなりきつい感じ。
登り切ると石堀子という集落に降りていく。「いしぼっこ」と読む。医師がタコ殴りにされそうで物騒な響きとうらはらにのどかな村だ。

・エクストリーム路線バス
ここからまた別の渓流沿いに下ってR349に向かう。
この区間もクルマは対向困難な細い道だが、走っていくとやにわに路線バスが現れてびっくりする。こんな辺境の狭い道を通るバス路線があるのだ。
あとで調べたところ、これは石堀子よりさらに奥地の矢塚集落とJR磐城塙駅を1日2往復結ぶ路線で、バス愛好者の間では秘境かつ狭隘路線(狭い道を走るバス路線というのはマニアに刺さる要素らしい)としてひそかに人気であるということを知った。

・ふたたびR349へ
渓流と木立ちの織りなす(マイナスイオンとやらが多そうな)涼しげな道はやがて五升蒔に戻り、ふたたびアップダウンを繰り返しながら静かな国道を進む。R349は『酷道』として名高いR349だが、大半が1.5車線のこの区間もその名を冠するにやぶさかでない。
この一帯を東西に流れる那倉川に行き当たると西に向かう県道が岐れる。湯遊ランドを頂点Aとする「三角形の道」はここが点Bだ。これから辿る那倉川沿いの県道が線分BCである。

前日にまとまった量の降雨があったので水が濁っている


線分BCは県道だが2車線で国道より整った道だ。快調に下っていく。アシストも不要だ。
この道沿いに集落は少ないが、渓流沿いにぽつんと建った一戸建てに売家の看板が出ていた。まだ新しい家であとで調べたら400万だった。こんなところでぽつんと暮らすのも悪くないと思った。

400万の物件。どうですかお客さん
奥久慈ジビエ

どんどん高度を下げていくと南北に流れてくる川上川に行き当たる。ここが「三角形の道」の点Cだ。
塙市街も近い拓けた集落だが、ここから三角形の頂点Aに戻る線分ACが始まる。

川沿いの県道110号でふたたびぐいぐい高度を上げていく。道幅も狭い。
最初に湯遊ランドにクルマで向かうときに通った道だがけっこうな険しさは「ここ自転車で登るのはちょっとなあ、やっぱe-bikeにしとこう」と決意させるに充分であった。

出発するのが遅かったのですでに17時を過ぎており、平地から山中の集落に帰るクルマが通る時間になってしまった。
曲がりくねった隘路を地元民のクルマはけっこうな速度で飛ばす。
この区間は「三角形の道」のなかでもとりわけヴィジュアル的に秘境感が強く、このコースを紹介するメディアでもこの区間のものが好んで使われている。しかしクルマの通行を気にしながらではよい写真も撮れず残念だった。もっとヒマな時間に通るのがよいだろう。

一周25km足らずのルートだが、変化に富んだシーナリーとアップダウン、そして秘境感と楽しみは多い。ハードコアなローディは脚にモノを言わせる爽快感を味わえるであろうし、ハードでないわれわれもe-bikeを以ってして楽しめた。

詳細は地図をクリック

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