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2018.3 ブロンプトンで走る伊勢本街道と名松線
#2018 .3 近畿ブロンプトンひとり旅
前日の話↓
突如三重県にワープした件
奈良周辺を走るサイクリングの日々その3。
本来は橿原に連泊して周辺をポタリングしようと考えていたのだが、世間は春休みのせいか、泊まってたカンデオホテルどころか周囲一帯の町の宿にまるっきり空室の無い日が生じた。
その日空きがあるホテルでいちばん近いのが三重県の名張というところだった。なんか知らない町だが、橿原から東に近鉄で30分で着くようだ。
それならば発想を換えて、これも何かの縁だし一日三重県を走る日を挿入すればいいじゃないかと思い立ったのである。
かねてからJR名松線に興味があった。
伊勢湾をのぞむ松阪から山に分け入って伊勢奥津に通じるローカル線である。
終点の奥津の街並みの風情と、その先の伊勢本街道沿いの風物は見るべきものがあるようだ。
そこで、名張からひと山越えて川沿いの道でに奥津に下り、そこからは名松線沿いに走った末に適当なところから近鉄大阪線で輪行して戻る(翌日はまた橿原に宿が確保できていた)という旅程をとっさに思いついたのであった。
ベッドタウンから秘境へ
名張という町を地図で調べたときには山に囲まれた秘境ぽいポジションだと思ったが、実はイオンもドンキホーテもあるぐらいのベッドタウンで驚いた。大阪方面へは近鉄で一直線で特急に乗れば1時間という。
泊まったルートイン(もあるぐらいの規模の街なのだ)を出発して、住宅街の続く丘を越えていくと名張川に出る。この川を遡っていくのが今日の山越えルートだ。
しばらく坂を登るとダム湖に出る。比奈知ダムという。ダム湖沿いの爽快な道を快走して一息つく。
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その先は川沿いに国道422号を辿るだけの簡単なお仕事だ。
番号の大きさから想像できるように交通量は少ない。さらに随所で川の対岸に旧道が並行しており、そちらを辿っていくとさらにのんびりと走ることができる。
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川沿いの集落を縫って走っているとこんな看板が。
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動物追い払い犬が稼働中とある。実際にお目にはかかれなかったが農作物を荒らすサルなどを駆逐するため日々勤務しているもようだ。
どんどん秘境ムードが高まっていく道筋だが、今日走るルートと同じ名張駅ー伊勢奥津駅間には路線バスが走っていた。
いざという時にはこれで輪行すればいいやと考えると心の保険になる。
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奈良県の出っ張り部分に入る
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御杖村敷津集落で西から来た伊勢本街道が合流する。
こんな山中でも立派な道の駅があって驚いた。食事休憩はもちろん温泉まで入れる。
そしてまた三重県。
ここからはずっと下り道である。
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石名坂
旧街道を辿って下っていくと石名原集落。
伊勢本街道のかつての宿場町であり、古い街並みや常夜灯が残っておりいい雰囲気だった。
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伊勢奥津
その先ほどなく伊勢奥津に到着。
伊勢街道の宿場町、かつ周辺の商業の中心地として栄えた町だ。
松阪から来たJR名松線の終着駅である。
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JR駅前からインパクトのある古い建築に迎えられる。
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現在の奥津の町の中心は川を挟んだ対岸に広がっているが、こちら側の旧街道は幅も狭いままで、古い街並みが今も静かなまま残る。
街を出たあともしばらく風情のある家並みと道が続き、すばらしいひとときを味わえた。
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名松線に沿って
奥津の先、川の流れは北に針路を変え、旧街道と名松線の線路もそれに沿って走る。
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途中の伊勢竹原駅。駅前の家並みもよかった。
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名松線と近鉄大阪線
その先、名松線は近鉄大阪線に合流して並行する。
【以下、鉄ヲタ早口豆ちしき】ところで名松線という名前、松は松阪、名は名張の名なのである。名張に通じてないじゃんと思うが、以下のような事情があった。
昔そのふたつの町のあいだに線路を敷こうと思った会社が、今日わたしが走ってきた名張松阪山越えルートで建設してたのだが、競合他社が作っていた、その北側で山を迂回して名張に至る路線が先に開通してしまった。(これが現在の近鉄大阪線)。
そのため山越えルートは伊勢奥津まで作ったところで、もうお客はあっちに取られたしその先は山でトンネルとか大変だしであきらめてしまった。それでも名前だけは当初のままで残っているというわけ(奥津〜名張間には先にふれた路線バスが走っており、当初の構想は曲がりなりにも補完されたといえなくもない)デュフフ、フォコカポオ。
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平地に降りて人里が増えるにつれ、クルマの交通量も増えてきたし日も傾いてきた。
キリのいいところで今日の走行を終えて、近鉄の適当な駅から輪行で戻ろうという気になった。
伊勢石橋駅という小さな無人駅で自転車を畳む。
各停しか停まらない弱小駅なので、停まる電車を待っているあいだに次々に特急が豪快にゴーゴーと通過していく。
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ここからふたたび橿原の宿に戻りもう一泊。
明日は近鉄吉野線に乗って吉野川沿いのサイクリングに出かける。
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