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私の人生の半分はポルノグラフィティでできている

今日9月20日は、晴一さんのお誕生日。おめでとうございます!晴一さんが因島に生を受け、昭仁さん、Tamaと出会い、ポルノグラフィティを生み出してくれた。そのすべてに感謝だ。この記念すべき日に、ポルノグラフィティがどういう存在であるのかを書いておきたい。

私は20年間ずっとポルノの音楽を聴いてきた。人生の半分近くを昭仁の声に、晴一の言葉に、ポルノグラフィティの音楽に支えられて生きてきたと言っても過言ではない。次の曲が聴きたい、またライヴに行きたい。その思いがあったから、生きてこられた。

私の人生においてポルノグラフィティはそれだけ大きな割合を占めているわけだが、改めて私とポルノグラフィティの出会いについて振り返ってみると、よく覚えていない、というのが正直なところだ。

本格的に聴くようになったのは「サウダージ」からだが、デビュー当時「アポロ」を歌う昭仁の声に、ずいぶん綺麗な声で歌う人だなぁ、という印象を受けた記憶がある。その声が、「耳に入る」というより、「直接胸に入ってくる」という表現がぴったりくるくらい私になじんだ。

声の次に心に入ってきたのが晴一の生み出す詩だ。テンポの速い曲に乗せて昭仁が歯切れよく歌う詩が、なんだか心がヒリヒリするような、それでいて、言葉にできない私の気持ちを代弁してくれているような、苦しい時にはそっと寄り添ってくれるような、そういうものなのだ。そして不思議なくらい、私の状況に合った歌詞を届けてくれた。

当時の私は社会人になりたてで、環境の変化に戸惑っていた。

学生時代から感じてはいたが、周りに溶け込めない自分、他の人は上手に適応している社会で自分がうまくやっていけないことを、働き始めてもっとはっきり感じるようになっていた。

学生の頃はそれでもよかった。友達が作れなくても、勉強していい成績を取れば認められたから。私が存在する意味や価値のようなものを感じられたから。でも、社会に出るとそれは一変した。それまでの私の価値観は叩き壊され、どうやって生きていけばいいかわからなくなった。

私は38歳で自閉症スペクトラム(ASD)と診断されているので、今となればそれがなぜなのかわかる。でもその頃の私には、何が悪いのか全く分からなかった。ただ、自分がこの世界に存在していることが間違いなような気がして、消え去ってしまいたい思いを抱えながら生きていた。

そんな私の世界にポルノグラフィティの音楽が入ってきた。「アポロ」も「ヒトリノ夜」も「ミュージックアワー」も知っていたけれど、「サウダージ」ですっかりハマった。この曲を聴いているうちに、高校時代から引きずっていたこじらせた想いに決着をつけることができたからかもしれない。

「この人たちはすごい」

今までに聴いてきた音楽には感じたことがない思いだった。ただ昭仁の声と、晴一が紡ぎ出す言葉に引きつけられた。ハマった、と言ったが、それより「心を摑まれてしまった」と言った方がいいかもしれない。それ位の衝撃だった。

ASDの特徴のひとつに、興味の対象がとても狭いことがあげられる。その例に漏れず、それから私の世界はポルノグラフィティ一色に染まった。ファンクラブに入ったし、生まれて初めてライヴに行った。縁がないと思っていたライヴハウスにも足を踏み入れた。

普段の私を知っている人がライヴ参戦時の私を見たらびっくりするだろう。でも私は、ライヴに参戦している私が本当の私だと思う。ポルノグラフィティのライヴに参戦しているときは、本当の私が生きていると感じることができる。

初めてのライヴで目にしたのは、本当に音楽が好きで、その音楽を全力で伝えようと必死になっているポルノグラフィティの姿だった。それは今でも変わることがない。

昭仁は全身で歌い、晴一もありったけの想いをギターにぶつける。そして昭仁は叫ぶ。「胸張って行け!自信持って行け!」と。それがどれだけ勇気をくれるのか、ステージの上の彼らは知っているだろうか。

私は人生の中で覚えている限り、胸を張ったことも自信を持ったこともない。どうやったらこの世界で生きていくことができるのかわからなくて、一人でいるとき以外はいつも不安でたまらなくて、下を向いて歩いている。

そんな私を、昭仁のこの言葉は安心させてくれた。「大丈夫」と言われた気がした。

だから私は、ポルノグラフィティのライヴに行きたいと思う。「自分に帰れる」場所だから。ここでなら、何もとりつくろわなくても受け止めてくれる。ここにいるときは誰にも否定されることはない。そう思えるから。

私は信仰を持って5年になるクリスチャンで、神様を信じている。

神様が、私が神様に出会うまで、自ら命を絶つ道を選ばないように、こんなにたくさんの音楽が溢れる中でポルノグラフィティの音楽と出会わせてくださったと信じている。

これからもずっと、ポルノグラフィティと歩んで行く。


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