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極点の駅で。

極点の駅で、零時発の氷の列車が
出発の準備をしていた。
麝香猫の親子はあたたかくしながら
真冬の寝返りをうった。
月夜をゆく帆舟で
船長は海図に詩人の血を一滴。
すべての彷徨う魂に
ロシアンティーがふるまわれた。
花園は東風にそよぎ続けていた。
欠落の讃美歌が響き
幻想はきりがなかった。

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眠れない夜に

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