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こころに置く暖炉。

男の子は、女の子に小箱を贈った。小箱の中身は、こころに置く暖炉だった。女の子は眠る前の心細い時、こころの暖炉に火を入れた。薪は、良い記憶、残像、残響、感触。ひどく寒い日は、こころの暖炉に鍋をかけ、気持ちをコトコト煮込んで熱々にした。暖炉の火はいつも強く女の子を芯から暖めた。

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眠れない夜に

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