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短いおはなし7

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2020年4月の記事一覧

花がたくさんの季節はすこし息苦しい。

花がたくさんの季節はすこし息苦しい。

‪きつねは朝のお風呂で‬
‪ひざをかかえて思った。‬
‪きのう、あのとっさのとき‬
‪やさしくできなかった。‬
‪おれのこころはちいさくて‬
‪闇がある。‬
‪花がたくさんの季節は‬
‪すこし息苦しい。‬
‪こうゆう主人公の映画はないかな。‬
‪ありそうだな。‬
‪主題歌はどんなうただろう。‬

けしてあきめず花を飾るわたしたちのために。

けしてあきめず花を飾るわたしたちのために。



‪「アネモネのテーブル」‬

‪コトリ花店さんの‬
‪コロナ禍に生きる‬
‪祈りのような言葉。‬

‪大事な写真をつけた。‬

‪北フランス。‬
‪すずらんの日のいなかの町。‬
‪蜂蜜色の壁に這う薔薇。‬
‪木漏れ日にとろける‬
‪淡いブルーの扉。‬
‪教会に並ぶ椅子たち。‬

‪けしてあきめず花を飾る‬
‪わたしたちのための‬
‪ささやかな聖書。‬

フランス語の箔押し。

フランス語の箔押し。



‪眠る前になでる本。‬
‪光に透ける魔法付き。‬
‪シリーズ2作とも‬
‪いまもオーダーいただきます。‬
‪本日もセットで‬
‪発送させていただきました。‬
‪ありがとうございます。‬

‪丁寧なつくりの箱には‬
‪タイトルを箔押しで。‬
‪本はトレペと普通紙を‬
‪交互に重ね、製本しています。‬

‪本と物語の夢を‬
‪詰め込みました。‬

神様はあらかじめきたないものはつくらない。

神様はあらかじめきたないものはつくらない。

‪花をつくった神様は‬
‪美術にたけていた。‬
‪繊細で複雑な色合いを‬
‪つくりたくて‬
‪いくつもの花をつくった。‬
‪あきたらなくて‬
‪もっと繊細で複雑なものを‬
‪つくりたくなった。‬
‪そして人間をつくった。‬
‪神様はあらかじめ‬
‪きたないものはつくらない。‬

強さってなに?



‪強さってなに?‬
‪子ぐまが訊いた。‬

‪クマが答えた。‬
‪自分の負けを認められること。‬

‪負けってダメでも恥でもない。‬
‪そこからどうしようか‬
‪考えるスタート。‬
‪かわりになにかできることは‬
‪あるか見つかるヒント。‬

‪そんなはずはない‬
‪いつも勝たないと、‬
‪よくできてないと、ダメ、‬
‪だと、病むよ。‬

どの地獄でも。



ふむ。
とクマは思った。

ひとの気持ちを考える。
できるだけ自分を整える。
幻想を護り、正気を保ち、
経験と情報を得て、
現実に取り組む。

やるべきことは
変わらないな。
どの地獄でも。

不幸は
言い訳にできないな。

新刊。

新刊。



コトリ花店さんでの
空想online exhibition
〝永遠のお茶会〟に

コトリ花店さんとこしらえた新刊
「アネモネのテーブル」
で参加させていただきます。

表紙文字なしデザインが
気に入りすぎています。

ことば
コトリ花店

写真、デザイン
melancolia storytelling

こころの支えに。

しっぽ名言集。

しっぽ名言集。

‪大阪のおばちゃんねこ‬
‪しっぽ名言集。‬

‪「大事なのはしっぽ!‬
‪しっぽがあったかいかどうかや!」‬

‪「前向きなんて‬
‪ならんでええよ。‬
‪みんな‬
‪しぶしぶ生きとる。‬
‪しっぽをあっためながら。」‬

‪「人生に意味はない。‬
‪しっぽに意味がないように。」‬

‪「しっぽがなくてもいい。‬
‪こころにしっぽがあれば。」‬

木陰のアザリア

木陰のアザリア

‪戦場の塹壕で‬
‪アライグマが‬
‪怯えている男に言った。‬
‪さて、どうみても‬
‪ここは立派な戦場だ。‬
‪戦場の敵ってのは‬
‪案外自分なんだよ。‬
‪先の見えない戦いほどね。‬
‪だからおれはたまに‬
‪木陰のアザリアのことを考える。‬
‪死ぬ気で考える。‬
‪鎮静剤を飲み込むように。‬

眠る前になでる本。光に透ける魔法付き。



‪トレーシングペーパーを‬
‪多用したあまりない本のシリーズ。‬

‪眠る前になでる本。‬
‪光に透ける魔法付き。‬

‪一作目 ‬
‪melancolia storytelling‬

‪二作目‬
‪魔女の帰郷‬

‪草舟あんとす号さまに‬
‪ずっしり追加発送‬
‪させていただきました。‬

‪草舟さんがつくっていだだいた‬
‪2冊のための祭壇。‬

‪ひかりのてざわ

もっとみる
その秘密がきみを守る。

その秘密がきみを守る。



クマが子ぐまに言った。
秘密があれば生きて行ける。
なにを言われても。
どうなろうとも。
秘密の本。秘密のうた。
秘密の庭。秘密のひと。
だれの同意もいらない。
どんなに恥ずかしいことでもいい。
きみの秘密は、きみの自由。
きみの秘密が
きみをあたためる。
きみを守る。
きみを生かす。

語尾に。

語尾に。



子ぐまが言った。
悲しい、さみしい、
おもいどうりにいかない、
自分がきらいだ、
世の中がきらいだ。。
#お洒落なオカマのキツネ が言った。
語尾にニャ🐈をつけてごらんなさいな。

子ぐまが言った。
自分がきらいだニャ🐈

庭の水路を葉っぱの舟で。

庭の水路を葉っぱの舟で。



‪クマは庭に‬
‪水路をつくった。‬
‪水路はときにまっすぐ‬
‪ときにくねくねと流れた。‬
‪アネモネのちかくに‬
‪船着き場をつくった。‬
‪フリージアの丘陵へ‬
‪橋をかけた。‬
‪クマは小人クマになり‬
‪葉っぱの舟で水路に漕ぎ出した。‬
‪きらきらとひかる水面に‬
‪降りかかる桜の花びらを‬
‪クマはオールで‬
‪静かにかきわけた。‬

おはよう。ぜんぶきみが決めればいい。

おはよう。ぜんぶきみが決めればいい。

‪ある世界で、花は動物だった。ひとは草木で、動物は虹だった。詩は食パンで、絵画は夢で、本は森だった。雨は音楽で、海は衝動で、罪は蜜だった。列車は北風で、花屋は西風で、地獄は貿易風で、天国は凪だった。眠りは階段で、目覚めはグレープフルーツだった。おはよう。ぜんぶきみが決めればいい。‬