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2019年5月の記事一覧

調子が悪い日はどうすればいいの?

調子が悪い日はどうすればいいの?

調子が悪い日はどうすればいいの?
子ぐまが訊いた。
クマが答えた。
調子悪いモードに切り替えるのさ。
元気モードのままだと
落差に気が滅入るから。
調子悪いモードで
最低限のことをして
こっそり生きる。
あとは丸くなって眠る。
すべての窓を閉めて
好きな絵のことだけ考える。
静かな海の底で。

地面。

地面。

なにもかも嫌になったよ。子ぐまが言った。#お洒落なオカマのキツネ が言った。あんたの地面はね、あんたが思っているよりかなり下にある。問題は地面が下にあることじゃなくて、こころが浮ついていること。あんたはどうしょもないあんたの地面を歩んでゆく。気づかなかった花の咲きはじめに気づく。

どんなことを考えてうたっているの?

どんなことを考えてうたっているの?



‪どんなことを考えてうたっているの?子ぐまが訊いた。クマが答えた。オビドスのことかな。美しいからという理由で、国王が王妃にプレゼントしたちいさな町。ちいさな城を改装したちいさなホテル。食事の準備が整う。大地に実る暮らしの粒。夕暮れと夜明けをまぜたカクテル。そんなこととか。‬

ROUTE BOOKSさまに追加納品。

ROUTE BOOKSさまに追加納品。



‪自分の本が本屋さんに‬
‪置いていただけているだけで、‬
‪心臓が止まるくらいドキドキする。‬
‪だからROUTE BOOKSさんの‬
‪このような場所に置いていただいて‬
‪外国の方にも買っていただいてると‬
‪お聞きした場合。。‬

‪ROUTE BOOKSさま‬
‪ありがとうございます。‬
‪魔女の帰郷‬
‪追加させていただきました。‬

作品は。茫然としたまま迷い込むもの。

作品は。茫然としたまま迷い込むもの。

‪作品はどうやってつくるの?‬
‪子ぐまが訊いた。クマが答えた。‬
‪作品はつくるものじゃないよ。‬
‪茫然とするような‬
‪つらく苦い日々の中で‬
‪息をするためのお守りを‬
‪必死に探すうちに‬
‪茫然としたまま迷い込むものさ。‬
‪なぜそうなのかわからないまま、‬
‪なぜそうなのかわからない‬
‪純真で狂おしい美しさに。‬

持ちこたえるだけで。

持ちこたえるだけで。

なあ、
とキツネは甘い緑の光を
見上げながら自分に言った。
おれたちやっぱり
そんなにたいした奴じゃないからさ、
持ちこたえるだけでいいよ。
やりすごしたりさ。
経験上、まわりは予想以上に変わる。
不落の城も砂になる。
なんとか持ちこたえていたら
なんとか生き残れた。
それが人生かな。

ふたりのねずみ。

ふたりのねずみ。

あぜ道の途中で
ちいさい方のねずみが言った。
だめだ、
過去が悲しくてしかたない。
大きい方のねずみが言った。
すこし休もう。この坂は意外にきつい。
竹筒の水を少し飲むかい?
ちいさい方のねずみは
5月の朝露を少し飲んで
少し泣いた。
あたりのノースポールが
ふたりのねずみをそっと隠した。

2つのまったく異なるライブ。

2つのまったく異なるライブ。



6月、新しい試みの、
まったく異なるライブを2つ行います。
夏至の夜のあまい風になる。
6月15日コトリ花店さんたちの
お庭でのインスタレーションライブ。
薫る雨の物語に迷いこむ。
6月29日フランスガムさんと
silent musicさんの喫茶雨演奏会。
2つの「聖地」のための
特別な体験をご用意いたします。

コトリさんの夏至の夜インスタレーションライブの
お申し込みは後日ご案内させて

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その影が美しいのならば。

その影が美しいのならば。



その影が美しいのならば、
人間も。

どこに出しても情けない男。

どこに出しても情けない男。

‪ある町にどこに出しても情けない男が猫と暮らしていた。男はねこにもなつかれていなかった。ねこは毎晩夜中にナーバスになって鳴いた。男はねこのあたまを優しくなでた。ねこが寝付くと男は今日買ってきたペンを眺めた。水色のペンを選びすこし詩を書いた。「つぐみ、ハシバミ、あの日々」。‬

小舟を待つ。

小舟を待つ。



‪北フランス、オンフルールという町。‬
‪カモメのおばちゃんが言った。‬
‪朝一番の小舟が揺らした水面が‬
‪印象派さ。‬
‪いい絵を描こうとしちゃだめさ。‬
‪朝一番の小舟を待つんだよ。‬
‪うたもね、‬
‪いいうたを歌おうとしちゃだめさ。‬
‪夜明けの薔薇に‬
‪雨が降るのを待つんだよ。‬
‪厳しい毎日になんとか耐えながら。‬

発送させていただきました。

発送させていただきました。



ネットシップからオーダー‬
‪いただきました皆様へ。‬

‪眠る前になでる本。‬
‪光に透ける魔法付き。‬

‪一作目‬
‪「Melancolia Storytelling」‬

‪二作目‬
‪「魔女の帰郷」‬

‪発送させていただきました。‬

‪箱の中の‬
‪光と物語のまどろみ。‬
‪無事に届きますように。‬
#melancoliastorytelling #眠

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フランスガムさんの展示で演奏させていただきます。

フランスガムさんの展示で演奏させていただきます。



‪silent musicさんでの‬
‪フランスガムさんの展示「喫茶雨」で‬
‪演奏させていただきます。‬

‪煙る雨に現れる幻想の喫茶店。‬
‪ギターと一緒に迷いこんで‬
‪この日のためのうたを‬
‪ポロンと奏でます。‬
‪6月29日土曜日18時から。‬
‪2000円。お菓子付き。‬
‪ご予約は‬
‪francegum@gmail.com‬
‪までお願いいたします。‬
#フランスガ

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「魔女の東京」百年様に。

「魔女の東京」百年様に。



「魔女の東京」

展示に引き続き、
百年さんでお取り扱い
いただけることになりました。

本を読むことは
夜更けに細やかな雨の音を聴くこと。
22の短編。22の雨音。
あなたの彷徨う魂に
よりそう22人の彷徨う魂。

どうしようもない気持ちの時に。

2000円税込みです。