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短いおはなし7

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2018年8月の記事一覧

コミュニケーション。

コミュニケーション。

キツネは思った。ひとつもわかり合えないひとに、わかるように伝えるのが、コミュニケーション。話し合いは、価値観や感性の違いをふまえて、相手の話をよく聞いて冷静に。わかってる。異論はない。ただ疲れ果ててしまった。疲れ果てながら毎日生きてる。でも。今度はもっとわかりやすく。

ぼくはどうして愛されないの?

ぼくはどうして愛されないの?

ぼくはどうして愛されないの?みんなぼくからはなれていく、ぼくはとても好きなのに。子ぐまが言った。クマが答えた。きみが愛してないからだよ。きみの他者への好きは、好きじゃなくて、ただの所有欲さ。きみはきみすら愛していない。保身しているだけ。大丈夫。感情の名付け方が違っただけだから。

その時だけ忘れられるから。

その時だけ忘れられるから。



‪なぜ表現するの?子ぐまが聞いた。クマが答えた。その時だけすべてを忘れられるから。‬

ファンタジーってなに?

ファンタジーってなに?



‪ファンタジーってなに?子ぐまが聞いた。クマが答えた。平気でひどいことをするひとたちに、散々ひどい目に合って、なにもかも手詰まりで、どうしようもどうしようもどうしようもないところまで来たひとが最後に開く扉さ。ファンタジーは幻でも逃げ場でもない。いのちに焚べる炎さ。‬

物語の森へ。

物語の森へ。



‪夜のピクニックを予約する。un jourさんの灯りがともり、''森へ dans la forêt septembre''と題された展示の子たち、篠田さんの子たち、piikaさんの子たち、庭の子たちが目を覚ます。コーディアルとお菓子が振舞われる。花屋さんは秋の花に埋もれ、本は月明かりに透ける。目を閉じる。物語の森にいる。‬

乗り換え駅で。

乗り換え駅で。

‪ここがどこか、いまが夏か冬か、自分が何歳か、あまり興味がない。次の本と次のCDのことを考えている。共感してもらえないひともいる。共感してくれるひととは一緒に面白いことたくらむ。出会い自体が作品で、その本屋さんにその本があること自体が表現。乗り換え駅で新しい作品を持って雲を見ている。‬

青と夜ノ空さま、完売。

青と夜ノ空さま、完売。



吉祥寺の素敵な書店、青と夜ノ空さまから、6度目の納品分、一か月で完売とのご連絡と、7度目のオーダーいただきました。手に入れていただいた方ありがとうございます。ちなみこの噴水、自宅ですか?と聞かれたことがありますが、なわけない^_^

上野 ROUTE BOOKS さまに5度目の納品。

上野 ROUTE BOOKS さまに5度目の納品。

‪たったいま上野 ROUTE BOOKS 様に5度目にして、前回の倍の量の納品させていただきました。外国の方もよく買われていきます、とのこと。外国の方ありがとうございますね。大好きなトニーニョオルタがかかっていました。好きなものはつながりますね。在庫も歯ごたえあります。ぜひお出かけくださいませ。‬

僕は欠落でできている。

僕は欠落でできている。

‪クマは思った。緑深い庭で育ったから、殺風景な場所には植物が少ないと感じる。海の近くで育ったから、都会には海がないと感じる。君と出会ったから、いろいろなものを手に入れても君がいないと感じる。僕は欠落でできている。僕は僕の欠落を埋めようとなにかをつくり続けている。‬

森の子どもらの神話

森の子どもらの神話



コトリ花店さんには、ことばの無い季節の物語がある。タイトル、森へ を見て思いついた。文字のない森の子どもらの児童文学をつくろう。聴いて自由に思い描く児童文学。ゆきとニナのような子どもらの神話。本のタイトルみたいな28曲。ちいさな写真集付きで花屋さんの片隅に。 #森へ

またすぐ来るからね。

またすぐ来るからね。

‪なにが起きても責任は問いません。#お洒落なオカマのキツネ は書類にハンコを押しておばあちゃんを施設に預けた。毎日ひとつづつ読む用のお手紙ノートと花の写真集を持たせた。またすぐ来るからね。また唱歌をうたおうね。施設を出て古いアルファロメオを加速しマチスのことを考えながら高速に乗った。‬

つくる時だけが落ち着く。

つくる時だけが落ち着く。



‪深刻な事態で、いろいろずっとだめで、人間はどうしてもこんなで、やらなきゃなことたくさんで。休んでも落ち着かない。あたまが休まらない。なので、さらに、28曲入りのCD、聴いて思い描く児童文学「森の子どもらの神話」をつくることにした。元気でた。つくるときだけが落ち着く。つくるという教会。‬

すこし遠くで雷が鳴っている。

すこし遠くで雷が鳴っている。



すこし遠くで雷が鳴っている。
すこし遠くで雲がきれている。

すこし遠くで夏が弱っている。
すこし遠くで冬が蠢いている。

すこし遠くで誰かが泣いている。
すこし遠くで誰かが頑張っている。

すこし遠くで雷が鳴っている。
すこし遠くで雲がきれている。

すこし先で待ち合わせ。

すこし先で待ち合わせ。



キツネは思った。いっときの安心やぬくもりやなぐさめが、進むときに足を取られるように感じてしまうのはなぜだろう。すこし先で待ち合わせしたいんだ。それまでの苦労はあたりまえだからなにも言わずに。お互いを先へ進むために利用したいんだ。だから切実にきみが必要なんだ。