【詩】死にたかったあの夜へ
勇気を優しく抱いて飛んだ夜は
呆気なく真白な天井へ着地した
世界は何処も彼処も真っ暗で
墨汁みたいな海に浸された心
あのときの気持ちが時々ちらっと
排水溝から顔を出してわらうんだ
俺もわらって「さよなら」を渡す
少し懐かしくて
ちょっぴり淡く
ほんのり苦くて
かすかに切ない
天日干しした心臓にひとつ虹がかかった
静かに泣いたあの日
真赤に怒ったあの日
次の「こんにちは」はいつだろうか
今度会う時は笑って酒でも酌み交わそうや
俺は今日も生きている
死ぬ日まで生きている
もっと優しくしてあげようと
その左手首に誓うから
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