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乳癌手術から妊孕性温存治療、化学療法までの覚書

前提

2022年に30歳で乳がん(ステージ1)がわかり、手術→妊孕性にんようせい温存治療→化学療法(抗がん剤)→ホルモン療法の一連の流れを経験しました。パートナーあり、子なし。写真撮影やコスプレが好きで、毎週遊び回ってます。

妊孕性にんようせい温存治療とは
…妊孕性は「妊娠する力」のこと。 抗がん剤の影響で、この力が失われたり低下する可能性があるため、精子や卵子を凍結保存することで妊孕性を残す。


目的

  • 治療のスケジュール感/費用感が分からない

  • ステージ0,1の経験談があまり見当たらない

  • 利用できる検査や国自治体の制度をあらかじめ知る機会がない

などなど。私が当時困ったことをまとめて、誰かの備えの一助になれば&今後再発した時のための覚書となれば、と思い筆をとりました。

また、「事前知識が足りなかったな」と感じると同時に、「病気になっても趣味や仕事もある程度両立させられるな」という発見もありました。私は写真撮影やコスプレが趣味なのですが、趣味を我慢することなく療養できたかなと思います。病気になったからといって、趣味を諦めたくない誰かの励みになれば幸いです。

今、同じ病気で悩まれている場合は、医療関係者や周りの方の話も聞いてみてください。同世代にはいませんでしたが、親や親戚、上司からは「うちの親もそうだった」「友達がそうだった」という話を沢山聞きました。サンプルは多い方がいいと思います。


前兆と発覚

※所要時間や費用感、スケジュールはあくまで目安です
※できるだけ全ての通院記録をつけています

検査

2021/3/31(所要時間:1時間)@最寄りのクリニック
検査内容:超音波検査
しこりがあるのでは?と夫に指摘され、不安だったので最寄りのクリニックを受診しました。超音波検査を受け「乳腺が大きくなっているだけで問題なし」という結果に。

2022/7/21(所要時間:1時間半)@最寄りのクリニック
検査内容:超音波検査+マンモグラフィ
しこりが大きくなっていると再度夫に指摘され、同じクリニックで受診。結果、石灰化が起きてることが分かりました。「たいてい問題はないですが、不安なら組織を採取して検査します。どうしますか?」と確認されました。体の中で石灰化が起きてるのに大したことないことある?!と思って検査を希望。希望してなかったらどうなってたんだ……と今ではちょっと怖いです。


-TIPS

!超音波<マンモグラフィ?
私の場合は乳管に癌が広がっていたのですが、そういった場合はマンモグラフィの方がわかりやすいとのことでした。心配な時は両方の検査を受けてみるといいのかもしれません。

!触診、大事だな
クリニックなどの一角で、シリコンの中にBB弾を入れたようなもの触ったことないですか?(こういうの
乳がんに関しては分かりやすい自覚症状があるため、定期的に自分で触診するのがよいなあと思いました。


組織採取

2022/7/23(所要時間:1時間)@最寄りのクリニック
内容:超音波ガイド下乳房吸引式組織生検(マンモトーム生検)(25k)
局所麻酔の上、針を刺して該当組織を吸引しそれを検査に回します。手術扱いになるそうなので、もし保険に入っていれば適用されるかも。私は会社の団体保険に加入していましたが、無事適用されました。
(手術コードを書類に記載する必要があるので、先生に確認する必要あり)
血は出るし怖いし泣きましたが、その後三脚とストロボ担いで撮影に行けたので忙しくても大丈夫です。

2022/8/3
余談ですが富士山に登りました。富士山に登ってる場合ではない……

2022/8/6(所要時間:1時間)@最寄りのクリニック
内容:検査結果通知
結果は「非浸潤性乳管癌」。乳管の中ではがん細胞が増殖しているものの、乳管の外では増殖が見られないという結果でした。ステージは0。乳管は、リンパや血管と繋がっていないため、転移の可能性は低いのだそうです。
※手術後には浸潤あり/ステージ1となりました。(病状が進行したのではなく、詳細に調べた結果)


-TIPS

!会社への連絡
クリニックへは土曜日に通っていたのですが、手術の際に紹介されたのが大学病院だったので次回通院から有給取得を覚悟しました。会社にはこのタイミングで手術の旨をうっすら伝えておきました。

!病院選び
私は通いやすさを重視しました。大学病院はカンファレンスで治療方針を決定するよ〜と聞いたことも後押しになりましたが、このあたりは人それぞれですよね。ただ大学病院、待ち時間は長い……のかも。


遺伝子検査

2022/8/10(所要時間:2時間半)@大学病院
内容:遺伝子検査(採血)(65k)、その他検査
「乳がんの発症リスクを上げる遺伝子」を持っているかどうか、検査しますか?と聞かれました。すでにそういった遺伝子の一部は特定されているんだそうです。
乳がんの5-10%は遺伝的な要因で発症しており、同じ遺伝子で卵巣がんや前立腺がんなどの発症リスクもあがるとのこと。自分がその遺伝子を持っていることが分かれば、あらかじめ両方の乳房や卵巣を切除してリスク回避ができます。(もちろん保険が適用されます)
親きょうだい、子どもにも関わるため、やっておいたほうがいいと感じ、私は検査を希望しました。結果は1ヶ月ほどかかりました。

2022/8/13
夏コミにサークル参加する。夏コミに行っている場合ではない。

2022/8/17(所要時間:1時間半程度)@大学病院
内容:MRI、心電図、肺のレントゲン。手術日程、手術範囲、乳房再建タイミングが確定。

手術範囲の決定

乳房の部分切除/全切除、乳頭を残す/残さない、の判断を求められました。私の場合は乳頭の近く、かつ比較的広範囲に癌が散っていたこともあり、ほぼ「全切除/乳頭を残さない」の選択肢しかありませんでしたが、場所/範囲によってはいろんなケースがあるそうです。
パートナーの希望もあるとは思うので、選択肢がある人はセカンドオピニオンなどを利用すると良いかもしれません。

乳房再建の希望

手術をするともちろん、胸が一部/全部なくなってしまうわけですが……
それを元通りにしたいかどうか?どういう方法でやるか?を検討する必要がありました。

  • 人工物を入れて膨らみを出す

  • 自分のお腹や背中の組織を移植する

現在、保険が適用される範囲ではこの2パターンが主にあり、いずれの場合もまずは平らになった胸の皮膚を延ばしていくところから始まります。
筋肉の下にパックを入れ、そこに少しずつ水を注入、半年ほどかけて胸を膨らませていき、皮膚が伸びたところで再建手術を実施。
移植の場合は、このパックを入れないことも可能だそうですが、そうするとお腹や背中の皮膚ごとの移植になり、見た目がどうしてもツギハギになっちゃうみたいです。

このパックのことをティッシュエキスパンダー(TE)と言うのですが、これを乳房切除手術と同じタイミングで入れるか/入れないかを選択しました。
入れる→10月か11月頃に手術
入れない→9月手術
手術を早めにしたかったので、私は9月手術を選択しました。


-TIPS

!再建後回しのメリット
・手術のスケジュールを前倒せる(病院によると思いますが)
・がんの治療に専念できる

!再建後回しのデメリット
・後日再建する場合はプラス2回の手術(TE入れる→再建)が必要になる
・銭湯などに行きづらい(周囲を威圧してしまう……)
・切除後の喪失感がやはりある


趣味を犠牲にしない

ちょくちょく富士山に登ったり夏コミに参加したりで、「〜〜してる場合ではない」と書きましたが冗談です。組織採取〜入院の間で、5回は撮影に行きましたし、遠征もBBQも楽しみました。おかげで病気を忘れて元気でいられたと思うので、遊んでくれた友人には感謝しかありません。
もちろん体調や個人差もありますが、検査結果を聞いて「全部もうだめだ」と悲観する必要はないのかなと思います。趣味を続けると、気分転換にもなりますしおすすめです。


入院と手術

※所要時間や費用感、スケジュールはあくまで目安です
※できるだけ全ての通院記録をつけています

家族/友人に打ち明ける

コロナ禍の最中だったため、入院前は感染リスクを避けて外出を自粛するよう注意されていました。そこで、遊びの予定がキャンセルになる友人には謝罪の上事情を説明。プラス、術後にお泊りの予定がある友人にも病気のことを打ち明けました。私の性格上うまく誤魔化せない、着替えの時などにびっくりさせるかも……と思い打ち明けましたが、もっといいやり方があったのでは、と今でも思います。難しいですね。

手術スケジュールもはっきりしたところで、会社にも説明。こちらもコロナ感染リスクを避けるため、9月からリモートワークに切り替えとなりました。

2022/9/7(所要時間:4時間)@大学病院/乳腺外科&婦人科
内容:麻酔科の説明、術式の説明など
家族にはこのタイミングで事情を説明しました。ここまで待ったのは、8月に受けた遺伝子検査の結果も一緒に伝えて安心させたかったからです。幸い私の場合は遺伝性のものではなかったので、安心材料も提供できたかなと思っています。

妊孕性温存治療の説明

ここで担当医より、抗がん剤や放射線治療をすることになった場合には妊孕性が失われる可能性があると説明を受けました。

この時点ではどちらもおこなう可能性は低かったのですが、
・東京都の助成金制度(後述)があった
・子どもを「持たない」決心がつかなかった
この2点が後押しとなり温存治療(受精卵凍結)を受けることに。
何より、「やっぱり受精卵を凍結しておきたいから、癌治療のスケジュールを後ろ倒しにして」という要望を後から聞き入れることはできないと婦人科の先生に言われたことが大きかったです。ありうるリスクには楽観視せず備えておくほうが良いと考えます。

2022/9/10(所要時間:30分)@大学病院
PCR検査を受けるために病院へ行きました。陽性の場合は翌日連絡がある&手術延期ということだったので11日はハラハラして過ごしました……

2022/9/12(入院初日)@大学病院
感染対策で付き添いは不可。入院費が家計から出る場合は、差額ベッド代をどれくらい出すか……など予め考えておいたほうが良いと思いました。結構お高いですね……


-TIPS

!限度額適用認定証
高額療養費制度は活用していましたが、これだと一時的な出費は避けられません。入院費など高額な医療費の立替を避けたい場合は、限度額適用認定証の申請をおすすめします。これがあれば、限度額を越えた分の請求が直接組合に行くため負担が少し軽くなります。


センチネルリンパ節

翌日の手術では乳房の切除に加え、センチネルリンパ節の切除/生検も予定されていました。センチネルリンパ節とは、がん細胞が最初に到達するリンパ節のことです。乳がんの場合、転移の際はまずこのセンチネルリンパ節へ癌細胞が広がっていきます。

手術中にセンチネルリンパ節に転移がないか確認し、結果に応じて切除範囲が変わるのだそう。転移があった場合は、脇下のリンパを全て切除(リンパ郭清)するのですが、私の場合は郭清はせずに済みました。

手術時の目印とするため、放射線マーカーを対象の胸に注入し、マーカーがセンチネルリンパ節に到達(2時間ほど)したところで手術前日の準備は終了。このマーカー、じくじく/いがいがした感じがして嫌だったんですが、まるごと切除になるからいいのか……と少し複雑な気持ちになりました。

手術後

2022/9/13(手術当日)@大学病院
手術はもちろん全身麻酔なので、気付いたら終わっています。流石に術後すぐは痛みがありましたが、看護師さんに伝えると痛み止めを点滴で入れてくれました。

2-3時間後には少し歩けるようになれますし、ご飯も問題なく食べることができました。他の癌患者さんに比べると、比較的術後の回復スピードは早いのかな?と思います。

術後は、溜まった血や組織液などを吸引するドレーンが胸に入ってる状態になります。その液体はドレーンの先の袋に溜まっていくのですが、その量が一定以下になったら退院できる、と判断するようです。術後すぐはほぼ血の色でしたが、翌日には透明になってました。


-TIPS

!下着の購入
しばらくは身体を締め付けない、ノンワイヤーの下着を使ってねと言われます。乳がん患者さん用の下着案内パンフレットが病院にあると思うので、入院中にチェックするといいかもしれません。ただ、専用の下着を買わなくても、切除した側にハンカチを詰めたりで対応はできるので、急いで購入する必要はありません。

!入浴NG、シャワーOK
入浴は1ヶ月ほどNGですが、シャワーは術後二日目から(ドレーンと傷口に気をつければ)OKでした。ただ、看護師さんたちがすごく忙しそうで💦自分から「〜したい!」をアピールして、自発的に動かないと不自由な入院生活になりそうだな、と思いました。

!仕事との両立
リモートワークが可能であれば、入院中も仕事はできます。手術日と入退院日はバタバタしてたのでお休みをいただきましたが、それ以外はネットワーク環境/電源が取れる場所でリモートワークしていました。腕も全く動かせない訳ではないですし。ただし、リハビリ指導や定期的な看護師さんとのやり取りが発生するので、勤務時間が柔軟である必要はあると思います。


退院とその後の処置

2022/9/16(退院)@大学病院
予定よりずいぶん早めの退院が叶いました。ドレーンを抜くのは意外と全く痛くなく、ずるーっと抜けていくのが気持ち悪いな〜くらいでした。
流石にすべての荷物を自分で抱えて帰るのは傷が痛くて出来なかったので、誰かに迎えに来てもらうのが良さそうです。

退院後はドレーンがないため、傷に液体が溜まっていってしまいます。私は6日前後に1回のペースで3回ほど液体を抜いてもらいました。傷の上から大きな注射器を刺して液体を引いていくのですが、これがなんと意外なことに痛くない!処置も10分ほどで終わります。

ヌード撮影のすすめ

乳房の切除が決まった際、「両胸が揃ってる私は人生で最後かもしれない」と、ヌード写真をプロのカメラマンさんに撮影していただきました。良い記念になったことはもちろん、いい意味で乳房切除の踏ん切りがついたような気がします。
非常に面白い経験だったので、病気と関係なく、節目にヌード写真を撮ることはおすすめします。なんだか自分を客観視するよい機会です。


妊孕性温存治療

希望した理由

妊孕性温存治療を受けることにした理由の一つに、「子どもを"持たない"決心がつかなかった」ことがあります。抗がん剤投薬/放射線治療によって、妊娠機能が失われる可能性があることはすでに記載しましたが、加齢による自然妊娠確率の低下も懸念の一つでした。

私の場合、手術後に5年間のホルモン療法を受けることになっており、この間は奇形のリスクが高まるため妊娠NG。そうすると、自然妊娠のOKが出るのは35歳。卵子の機能は加齢によって衰えていき、35歳を超えると自然妊娠の確率は18%に下がります。子どもが欲しい、と思った時に後悔しなくていいように、現時点で受精卵を凍結しておきたいと考えました。

東京都の助成金

運が良いことに、2021年から東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業という制度が始まっており、私も助成金の対象でした。受精卵の凍結については、1回あたり上限40万円の補助が2回まで出ます。
詳細な確認はできていませんが、現状パートナーがいない場合も卵子の凍結が補助されるようです。また、東京だけではなく他の自治体でも同様の制度がありそうでした。折角の制度なので確認、活用してみてください。

治療開始

以下、自費診療(10割負担)のため結構費用が高めに見えますが、ほぼ助成金でカバーできています。
※所要時間や費用感、スケジュールはあくまで目安です
※できるだけ全ての通院記録をつけています

2022/9/16(所要時間:?)@大学病院
内容:内診、薬の処方、抗ミューラー管ホルモン検査(75k)
乳がんが発覚するまで、およそ10年間ほど低容量ピル(アンジュ21)を服用していた※ため、次回排卵がいつ起きるか分からない状態でした。したがって、卵巣の活動をこまめに確認しつつ治療を受けることに。この時いただいた薬も、卵巣を活性化させるものだったと記憶しています。
※手術前に服用禁止の指示を受け、現在に至るまで服用していません。

また、このタイミングで「抗ミューラー管ホルモン検査」を受けました。これは、卵巣にどのくらいの卵子が残ってるかの目安を調べられる検査です。必要なのは採血のみ。この結果に応じて、どういう薬をどう使っていくか?を先生が判断するのかなと思います。


-TIPS

!パートナー側の検査
不妊治療のイメージで、夫もなんらかの検査が必要になるのかな?と思っていましたが、特に何もありませんでした。体液を扱うため、感染症検査(血液検査)は必要でしたがそれだけです。

!同意書の提出
基本的には私だけが通院すればよかったのですが、一度だけパートナー同席の上説明を受けてくださいと言われた場面がありました。パートナーが多忙な場合でも、1回は都合をつけてもらう必要がありますのでご注意を……

!"受精卵"凍結のリスク
"受精卵"の凍結の場合、婚姻関係を解消すると、これらを使った妊娠/出産ができません。治療を受ける際には、予めその辺りの確認をしておくことをお勧めします。


混合治療について

退院後、胸に溜まった液体を抜いてもらってから婦人科を受診しようとして、受診できなかった日がありました。混合治療にあたるため、保険適用となる処置と、自費診療となる処置は同日にはできない、のだそう。スケジュールがずれると大きな影響を受けてしまう妊孕性温存治療においては、こういったことがないように、事前に確認をしておくことをお勧めします。

他にも、たとえば癌の治療で保険適用となる処置を受けた後、効果がないと判断し転院、自費診療となる処置を受ける……ということを行うと、これは過去に遡って保険適用の治療も自費として請求されるようなのでご注意を。

自己注射の指導

2022/9/20(所要時間:30分)@大学病院
内容:内診(超音波検査)
2022/9/23-25
沖縄旅行に行きました✌
2022/9/27(所要時間:1時間)@大学病院
内容:内診(超音波検査)
2022/9/29(所要時間:1時間半)@大学病院
内容:内診(超音波検査)、注射、自己注射の指導
私の場合は卵巣が休眠状態にあったためか、毎日お腹に注射を打つ必要がありました。(人によっては2日に1回だったりするようです)

選択肢として、
1. 病院で注射してもらう
2. ペン型注射器(一例 p9~)を使用して自己注射する(10k?/回)
3. がっつり自己注射する(一例)(4k/回)
の3つがありましたが、通院時間と費用を抑えたかったので3つ目を選択。当日は看護師さんに自己注射のやり方を教えていただきつつ、初回注射を病院で済ませます。

翌日から4日間(9/30, 10/1, 2, 3)は自己注射をおこないました。
1. シリンジに針をセット(接続部に触れないように)
2. 生理食塩水を指定の量ひいて、粉の薬を溶かす
3. 溶かした薬をひく
4. 注射用針と交換
5. 空気を抜く
6. お腹をつまみ、針の口を上に向け、30度の角度で針の半分程まで刺す
7. 注入
慣れるまでは大変ですが、それほど難しいものではなかったです。

採卵日の決定と準備

2022/10/4(所要時間:2時間半)@大学病院
2022/10/5(所要時間:3時間半)@大学病院
内容:血液検査、内診(超音波検査)、注射、注射の処方
この日に採卵日が確定しました。逆に言えば、直前になるまで※採卵日がはっきりしません。身体のことなので予定通りにいかないのは仕方ないのですが、仕事の調整が結構大変でした。
※大体このあたりで採卵したいね〜と、3日ほど候補は挙がっていました。

また、血液検査・超音波検査の結果を踏まえて卵子の育ち具合を判断するため待ち時間が長くなってしまいます。(大学病院ゆえ、かもしれませんが)

2022/10/6(採卵準備)
採卵当日はもちろん、前日からハードスケジュールでした。
03:00 深夜に自己注射と点鼻薬を2回
18:00 坐薬(おそらく痛み止め)
24:00 坐薬(おそらく痛み止め)

3時の注射と点鼻薬ができないと、今までの頑張りが無になり、振り出しに戻ることになります。排卵のトリガーになるもので、この点鼻薬を使った何時間後に採卵……と明確に決まっている様子でした。必ず対応できるよう、注意が必要です。

2022/10/7(所要時間:3時間)@大学病院
内容:採卵(41k)
受精卵の凍結をおこなう場合は、採卵日にパートナーの精子の提出も必要です。採精して2時間以内に病院へお持ちください、とのこと。コロナ前は病院の採精室を利用するシステムだったようですが、感染リスクを避けるため自宅で採精→提出の流れになっていました。いずれにせよ、このあたりも仕事の都合をつけてもらう必要があります。

採卵

排卵状況を超音波検査で確認した後、処置室へ移動します。麻酔は膣内の局所麻酔のみ。痛みの種類としては、切り傷/すり傷のような痛みではなく、生理痛のような鈍痛が近いです。採取にあたっては、針を膣壁越しに卵巣に刺して吸引するのですが、卵巣には麻酔がかけられないためこういう痛みになるのだと思います。(おそらく、坐薬でいくらかマシになっていたはずです)

最後に止血のための布を詰められ、処置室をあとに。移動は車椅子を用意していただけました。これは私が特別憔悴していたから、ではなく、全患者さんに対してそうなのだと思います。そのあとはしばらく安静に、と指示され、1時間弱ほど病院のベッドで横に。止血布をとって止血を確認したら、ようやく帰宅です。

採卵結果

2022/10/13(所要時間:30分)@大学病院
内容:結果通知
採卵できた卵子のおおよその個数は採卵当日に教えてもらえますが、その後無事受精できたか、最終的に凍結できた受精卵がいくつだったか、受精卵のグレードは……などの結果を聞きに行きました。

個数に応じて変動がありますが、凍結にかかった費用は25万円ほど。今回の採卵では全体でおよそ40万円程度かかりました。助成金でほぼカバーできるくらいです。

2022/10/22-23
USJに遊びに行きました🎉

2回目の採卵

2022/10/25(所要時間:3時間)@大学病院
内容:血液検査、内診(超音波検査)

後述しますが、10/19に抗がん剤を使用することが決まりました。初回投与が12/7と時間に余裕があったため、2回目の採卵を覚悟し病院へ。(本当は2度とやりたくありませんでしたが……)いつから注射を開始するか、どのあたりで採卵をおこなうか、などを確認しました。

2022/10/30-11/3
帰省して両家顔合わせを実施しました。喜んでもらえてよかった。

2022/11/7(所要時間:3時間)@大学病院
2022/11/14(所要時間:4時間)@大学病院
2022/11/18(所要時間:4時間)@大学病院
内容:血液検査、内診(超音波検査)、注射の処方

11/7-21は毎日自己注射をおこないました。変に慣れて打ち方が雑になってしまったためか、今回のほうが痛く感じました笑

2022/11/22(所要時間:3時間半)@大学病院
内容:採卵(50k)
2022/12/1
(所要時間:1時間)@大学病院
内容:結果通知

前回とは金額が異なりますが、やはり採卵できた個数に応じて金額が変動しているようです。1個あたりいくら、ではなく、X個以上でいくら、という設定になっているようでした。(病院ごとに異なる可能性があります)

また、凍結にかかった金額も前回とは異なりました。凍結した受精卵の個数が前回よりも多かったにも関わらず、今回は10万円前後。初回/2回目以降で費用感が異なるのでしょうか。いずれにせよ、2回目の凍結も補助金でカバーできた計算です。


-TIPS

!採卵後は安静に
「久しぶりに運動するか!」と、およそ2ヶ月ぶりに5キロのランニングを敢行したところ、全身に蕁麻疹が出て中断。その後、採卵後は卵巣が腫れているので無理な運動は控えるようにと注意を受けました。卵巣捻転になりかねないそうなので、このタイミングで無茶な運動するのはやめましょう。


ストレスと息抜き

通院日付を見ていただきたいのですが、手術よりも今回の妊孕性温存治療のほうが仕事に大きく影響しました。頻繁な通院と、採卵日の決定が直前であったことなど、結構ストレスが大きかったです。

私の場合は予備知識もなく、「高頻度で通院するため、2週間ほどご迷惑をおかけします」程度しか職場に言えませんでした。もっと具体的に伝えられていたら、ストレスなく仕事できたのではないか……と、今考えるとそう思います。

このストレスを消し飛ばすため、退院してから抗がん剤の初回投薬が始まるまで、コスプレや撮影には都合8回、帰省等含め遠征には都合3回行きました。友人とのご飯なども含めるともっと遊び回ってます。検査結果や治療の進捗がどうあれ、悲観しすぎず趣味を諦めないでほしいです。(家でゆっくりしたい人ももちろんいると思います。自分にあったやり方で治療に付き合ってください。)


化学療法(抗がん剤治療)

※所要時間や費用感、スケジュールはあくまで目安です
※できるだけ全ての通院記録をつけています

癌細胞組織診断

2022/10/19(所要時間:2時間半)@大学病院
内容:切除した乳房の組織診断報告
手術で切除された乳房組織は検査に回されるのですが、この日はその組織診断報告書をもらいました。この結果を踏まえて、今後の治療方針を判断するようです。私の場合は、
・癌細胞の性質的に比較的予後が悪い
・乳管の外にも癌細胞が広がっていた
ということで、ステージが0から1にあがり、抗がん剤治療も不要とは言い切れないという結果に。(癌は切除済みのため放射線治療はなし)

そこで「オンコタイプDX」という追加の検査を勧められました。癌細胞の遺伝子を分析して治療効果を予測するもので、ホルモン療法や抗がん剤治療がどれほど効果的か?を数字で示してくれます。以前は40万円ほどかかっていたそうなのですが、幸いにも2021年12月頃から保険適用となり、1万円かからず受けることができました。

オンコタイプDX

2022/11/16(所要時間:2時間)@大学病院
内容:オンコタイプ結果通知

結果として、再発リスクが高く、抗がん剤治療を受けなければ9年のうちに24%の確率で再発という内容に。4人に1人の確率となると、結構高いです。抗がん剤治療を受けることで、再発リスクが10%程度に下がるという結果も出ていたので、抗がん剤の投薬を希望しました。

2022/11/24(所要時間:3時間半)@大学病院
内容:オリエンテーション
抗がん剤投与についてのオリエンテーションがありました。投薬日のながれ、副作用やその対処法などについて、看護師さん薬剤師さんとお話をします。


-TIPS

!体調に気をつけて
組織診断同様、オンコタイプDXも結果が出るのに約1ヶ月ほど時間がかかりました。その間に妊孕性温存治療ができたので良かったのですが、入院からここまで、考えることが多く高ストレスな日々だったなと思います。
目眩や立ちくらみ、普段できていたことができなくなったりと身体にも影響が出始めたのがこのあたりでした。可能であれば、休職の選択肢も視野に入れた方が良いのかもしれません。


ドセタキセル・シクロホスファミド (TC)療法

抗がん剤には様々な種類がありますが、今回私が受けたのは掲題の「ドセタキセル・シクロホスファミド療法」でした。乳がん患者さんの多くが、この治療を受けるようです。詳細はこちらのPDFを参考にしてください。(同内容の冊子を病院でもらいました)

■投薬の流れ
1. 採血をおこなう
2. 問診をおこなう
3. 採血・問診の結果を受けて投薬可否を判断
4. 投薬(点滴)
  └吐き気止めを10分ほど投薬
  └薬剤(ドセタキセル)を1時間ほど投薬
  └薬剤(エンドキサン)を1時間ほど投薬
  └生理食塩水を10分ほど点滴

■通院記録@大学病院
2022/12/7 投薬
2022/12/28 投薬
2023/1/18 投薬
2023/2/8 血液検査結果を踏まえて投薬延期
2023/2/14 投薬
※所要時間:6時間から6時間半(2/8以外)

投薬後3週間間を空け、それを4サイクル実施。12/7に初回の投薬を受け、途中肝臓の数値が悪化し1週間遅延があったものの、無事最後の投薬を2/14に受けて4回のTC療法を完走。費用としては、大体1回の投薬で1万5千円弱でした。(体重に応じて投薬量が変わるそうです)副作用を抑える薬も複数処方されますが、2,3千円程度です。

休職/傷病手当金の申請

投薬日のスケジュールや副作用について簡単な説明を受けたタイミングで、休職を視野に入れたほうが良さそうだ……と感じ、11月頭に職場に頭出し→11/16には引き継ぎを開始しました。

担当医の先生は「8割の方が働きながら治療を受けてらっしゃいますよ」と仰ってましたが、抗がん剤治療を終えた今となっては、「絶対無理じゃない?」というのが私の所感です。3週間のサイクルの中で最後の1週間はかろうじて仕事ができるかもしれませんが、それでも、8時間集中して業務をおこなうのは難しいと感じました。
(乳がん患者さんの退院スピードも、他県と比べて東京は非常に早いらしいです。東京恐るべし……)

傷病手当金申請については、総務の方に相談、もしくは社内規定を参照すると良いでしょう。これは健康保険組合の手当金で、給与のおよそ2/3が支給されます。担当医に書類を記入してもらう必要があるため、実際の支給までは2ヶ月ほどかかると思っておくと良いと思います。

投与1日目〜3日目

以下、副作用とその対応策について記載します。副作用の出方は人によって異なるようで、担当医の先生曰く私は重たい方でした。

・体のほてり
体がほてって眠れませんでした。衣類や暖房器具等の調整で対応しました。試してませんが、冷えピタなども効果があるかもしれません。
・吐き気
吐き気止めの薬は処方されますが、完全に消える訳ではありませんでした。吐き気と共に眠り、吐き気と共に起床する感じです。ただ、胃薬(パンシロンや胃酸過多の薬など)を服用してマシになることもありました。
・頭痛
カロナールが処方されていたので、毎日飲んでいました。頭痛に関してはカロナールは効きました。
・できもの
肌が荒れ始め、赤いできものがポツポツとでき始めます。ボディクリームを塗ったり、毎日2回のスキンケアをしたりと対策しました。それでも完全には予防できず、色素沈着がおこります。
・舌の痺れ
舌がピリピリし始め、味がぼんやりしてきます。このタイミングからうがい薬でしっかりうがいしておくことが大事です。私は朝晩1回ずつうがいしていました。
・体の痒み
ビラノアが処方されていたので、1日1錠服用していました。服用すれば気になりません。服用を忘れると悲惨なので忘れないように。
・歯の痛み
歯の矯正をしているときのような歯の痛みがあります。カロナールは効きませんでした。10日目頃から痛みが引きました。
・目やに
起床時に目の周りが汚れてしまいます。乾燥もしているので、擦るとできものができたり悪化します。ぬるま湯で洗い流すことで悪化を防ぎました。

4日目〜6日目

前述の症状に以下の症状が加わります。
・関節痛
インフルエンザにかかったときのような関節痛が全身に広がります。カロナールは1日3回ほど服用しましたが、あまり効果はなし。
・心臓が痛む
頻度は低いですが、毎クール5回ずつ程心臓が痛い時がありました。先生に伝えそびれたので、副作用なのかは不明です。
・睡眠時間の減少
体調が悪く、夜に長時間眠れなくなります。が、体力は低下しているので日中3時間ほど仮眠を取ったりしていました。寝れる時に寝るのが良いです。
・疲労感
重力に勝てなくなり、何もできなくなります。ホットカーペット最強でした。座っているのも辛かったです。
・喉の痛み
ひどい風邪をひいた時のような喉の痛みがあります。トローチよりも龍角散のど飴の方が効きました。
・味覚喪失
口の中が火傷したあとのような感じになり、味が全くわからなくなりました。塩気もわかりません。3クール目からは水が変な味がするようになり、吐き気に拍車がかかります。紅茶を飲むことでマシになりますが、この時にカフェインを取りすぎると下痢になる可能性があるので注意。
・手足の腫れ
足の裏が腫れ始め、痛くて歩けなくなります。つま先立ちで歩くことはできるので、踵がないスリッパ(ダイエット用のこういうの)が便利でした。手も腫れてきて、少しの衝撃で爪が剥がれそうな感じがします。


-TIPS

!生理がこなくなる
1,2クール目では不正出血のような、少量の出血が2,3日ずつありましたが、3クール目からは完全に生理がなくなりました。先生に確認したところ、およそ半年程で元に戻るとのこと。

!怪我をできるだけ避けよう
怪我をすると、雑菌が入った時のように腫れ上がり、治りが非常に遅くなります。投薬後の2週間目(8-14日目)は免疫力も落ちてしまうため、怪我はできるだけ避けたほうが良さそうです。普段より丁寧に生活しましょう。


7日目〜10日目

前述の症状に以下の症状が加わります。このあたりの時期が一番つらかったです。
・メンタルの悪化
食べたいものを食べても味がわからない、疲労感があり何もできない、眠れない……などが原因で、メンタルが絶好調に悪いタイミングがきます。死にたくなったり、再発が怖くて仕方なくなったりしました。太陽の光を浴びる、少しでも運動する、歌う、泣く、などで少しはマシになります。
・体の腫れ
皮膚の下で全身が腫れているような感覚があります。肩が凝っているような感じもあり。ただ、それほど苦痛度が高い症状ではありません。
・鼻血
口内といい目の周りといい、おそらく粘膜が弱っているのだと思います。常に鼻の粘膜から出血しているような感じで、血の塊で鼻が詰まってました。無理に鼻をかんだりすると鼻血が出るので何もしないのが一番。
・下痢
1-3クールを通してひどい下痢に悩まされていましたが、どうやらカフェインが良くなかったようでした。4クール目にノンカフェインの紅茶を飲むようにしたら症状がおさまりました。カフェインや辛いものなどは控えるのが吉。
・骨髄抑制
自覚症状はないのですが、投薬後8-14日目の間は白血球の数が少なくなると説明を受けました。免疫力が特に下がる期間なので、この間は病気になるリスク(人混み/会食/子どもと会う……など)を避ける必要がありました。

11日目〜15日目

全体的に症状が少しずつ引いてきて、メンタル面が回復してきます。
・口内炎
口の中全体に口内炎ができたような状態になり、食べることが苦痛でした。うどん、ヨーグルト、林檎だけを食べてしばらく生きていました。うがい薬を毎日2回使うことで予防できるので欠かさないこと。
・発熱
少しでも体力を戻そうと筋トレを再開したところ、38度ほどの熱が出ました。筋トレ→発熱と隔日で筋トレをおこない、2クール目からは熱が出ることはなくなりました。また外出して少し無理をすると37度ほどの微熱が出ることもありました。
・湿疹
手のひらや指の関節に湿疹が広がり、手がパンパンに腫れて何もできませんでした。ステロイドの塗り薬を処方してもらい、毎晩薬を塗って手袋をして寝ていました。3クール目以降は少し腫れや痺れがある程度で、湿疹には至らず。

16日目〜21日目

ほぼ苦しい期間が終わり、元気になります。
・脱毛
髪が抜けるのがこのタイミングです。本当に面白いようにごそっと抜けます。脱毛も爪もですが、3クール目になるとそもそも伸びなくなりました。
・手の皮が剥ける
湿疹ができていたあたりの手の皮が剥けます。保湿をしっかりしておくこと。
・立ちくらみ
副作用なのかは不明ですが、動き回っていると目眩がすることが多々ありました。少し元気になったからといって、あまり油断しないこと。
・むくみ
1,2クール目は指先足先でむくみを感じる程度でしたが、3クール目からは全身のむくみを感じ始めました。脚に乳酸が溜まった時のような疲労感があり、ランニングに行ってもほぼ走れない状態です。階段の上り下りで息が上がるようになります。
着圧ソックスを使用したり、寝る時に足の下にクッションを入れたりと対策しましたが、完全には防ぐことは難しかったです。


-TIPS

!脱毛対策
4クール目を終えてみると、最後まで抜けなかった髪が数%ありました。1クール目で8割方脱毛、2クール目で9.5割方脱毛しましたが、その後はそれほど変わりません。眉・まつ毛・体毛も2割程度の脱毛で済みました。

それを踏まえると、頭髪はやはり全部剃ってしまうのがおすすめです。私は最初の投薬の3日後にスキンヘッドにしてもらいました。美容師さん曰く「薬剤の影響を受けてコシがなくなった頭髪は綺麗に剃るのが難しい」とのこと。少なくとも初回の投薬から2週間以内には床屋さんに行きましょう。

!ウィッグのオーダー
髪はおよそ半年から1年ほどでベリーショートくらいには伸びてくるそうです。その間の仕事用にウィッグも購入しました。それほど高価なものは必要ないかなと思い2万円弱のものを購入。自治体によっては医療用ウィッグ助成金を受け取れるところもあります。調べてみてください。


投薬延期の可能性

コロナや病気に罹ると投薬が延期になるのはもちろん、それ以外の理由でも延期になることがあります。私の場合、3クール目を終えた時点で、肝臓の数値(alt, gpt)が跳ね上がっており、4クール目に入るのが1週間遅れました。

抗がん剤は肝臓で代謝されるそうなので、薬物性肝障害が起きていたのだと思われます。通常の3倍以上の数値になると、投薬を控えた方が良いと判断されるようです。

抗がん剤治療を終えて

二世代ほど前に比べて、現在の抗がん剤はずいぶん副作用が軽くなっているようです。が、それでもかなりしんどい体験でした。しかも、今回のような予防的投薬の場合は、「身体のどこかにある"かもしれない"がん細胞を攻撃する」ために副作用の負担を負うもの。効いてるのか効いてないのかも分からない、ただ不調になるものを点滴されてるという感覚もありました。

1クール目→絶望感がすごい。死が隣りにある
2クール目→ちょっと慣れてきた!
3クール目→じわじわとメンタルが死んでいく
4クール目→恒常的なむくみ、疲労感

そんな中で変わらず支えてくれた夫と、チャットでやり取りをしてくれた友人たち、電話で闘病記書いてみたら?と提案してくれた友人には感謝しかありません。お陰様でなんとか乗り切ることができました。

※追記※
最後の投薬から2ヶ月経ったタイミングで、ようやく浮腫が軽減し、体重が減ってきました。4クール目で加速度的に増えた体重でしたが、最後に増えた2キロがこの2ヶ月で落ちたかな……といった印象。その代わり、手足の痺れが大きくなってきた感じがあります。
髪の毛も生えてきており、ぽわぽわした柔らかい毛質から少ししっかりしてきました。

※追記※
最後の投薬から3ヶ月半。浮腫はほとんどなくなり、手足の痺れも減り、関節がきしむ感じもなくなってきました。かたくなってた身体も柔らかくなってきた感じがします。

※追記※
最後の投薬から9ヶ月。浮腫、手足の痺れや関節の軋みなどは完全になくなったと思います。髪の毛も伸びてきて、ベリーショートくらいの長さになっています。パーマをかけたみたいにくるくるになっていた髪質も、だんだんまっすぐになってきている感じがします。ようやく治療が過去のものとして考えられるようになってきました。


ホルモン剤治療

3/8より復職。体力が心配でしたが、筋トレ/ランニングを細々と続けていた甲斐もあってか、ほぼほぼ問題ない日々を送っています。
3月中は流石に残業はせず、また週に1度はリモートワークさせてもらったりと休み休み仕事をしていましたが、それ以降はほぼ問題なし。

3/15からホルモン剤治療もスタート。
こちらは吐き気があったり、1日の間に2-3回ほど暑くて仕方ないホットフラッシュに悩まされてはいるものの、耐えられないほどではないかなといった感じです。

この薬を少なくとも2年まずは飲み続けて、その後妊娠を希望する場合は産婦人科へ行ってください。ということでした。
この2年をどういうふうに過ごすか、今は大事に考えようと思います

※追記※
ホルモン剤スタートから8ヶ月。だいぶ吐き気とホットフラッシュに悩まされる頻度が少なくなりました。ほぼほぼいつも通りに過ごせています。

ホルモン剤スタートして大体1年、少し吐き気が戻ってきた気がします。おそらくですが気温の問題……?寒い季節は快適ですが、暖かくなってくるとホットフラッシュ、吐き気があるような。そして生理が再開してきたような感じがあります。(まだずいぶん不順ではあるものの)

髪も違和感ないショートカットに戻り、髪質もだんだんもとに戻ってきているような感じです。


心配な人へ

癌は身近な病気だと冒頭で書きましたが、2人に1人というレベルで身近になってくるのは70-80代になってからです。実際に抗がん剤の投薬を受けていて、私と同じく30代の方はほぼ見かけませんでした。

とはいえ、「今は特に自覚症状も病気もしてないけど不安!」という方もいるかと思います。不安を煽るだけの記事にはしたくないので、以下少し追記させてください。

がん保険は必要なし

私はがん保険には入っていませんでしたが、限度額適用認定証や高額療養費制度、会社の団体保険、傷病手当金をフル活用し、金銭面で困ったことはありませんでした。(妊孕性温存治療に関しては都の補助金があり、オンコタイプDXもタイミングよく保険適用となっていた運の良さもありますが。)

もちろん「がん保険に入ってたら掛金少なくて保険金たくさんもらえたのにな〜」とは思いましたが、癌にならないほうがそりゃいいので特に後悔してません。

記事を見て不安になったからといって、慌ててがん保険に入ったりしなくていいと思います。その金額貯金や投資しておけるなら保険にしなくてもいいのでは?と思いますし、恐怖心に足を取られるのは良くないです。よくよく試算してみてください。
こちらの記事が個人的に参考になるのでは、と思います)

人間ドック<自己診察

同様に、人間ドックにいこう!というのも手放しにはおすすめできません。私もこの機会に……と人間ドックや脳ドックを検討しましたが、色々見ていると「不安にかられた人たちをターゲットにする悪質なクリニック」もちらほらあります。

そうではない病院もたくさんあると思いますが、30歳以下だと自費で人間ドックを受けるのは費用対効果が低い印象があります。だから会社では35歳以上なんだなぁ。と感心するばかりです。

なので人間ドックにいきましょう、というよりは、自分の体調や身体を細かく観察しておいて、少しでも変だな?というところがあれば病院を受診する。というのが大事なんだと思います。医療従事者でもなんでもないので、もし違う心構えの方がいいなどありましたらコメントで教えてください。


最終的に卒論と同じくらいの文字数になってて笑っちゃいました。こんな長々と読んでくださってありがとうございました。
みんなの人生がトータルでハッピーになりますように。

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