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【読書日記・1】太郎さんとの出会い


「そういうことなんだ。」五味太郎・著

小2の次男、筑前が通う学校で「読書貯金」というものがある。読んだ本を自分で記録するのだ。その表紙に「今年の目標は120冊」と書いていあるのを見て、読んだ本を数えるって素敵だなと思った。今年も半分過ぎてしまったが私も目標を掲げることにした。

「2023年の読書目標は100冊」

筑前より20冊少なくしたのは、彼のプライドのためでもある。私自身の目標であって、小2男子と張り合うためではないからだ。という訳で、仕事帰りに図書館に寄るのが最近の楽しみになった。自分が読みたい本と、筑前が読みそうな本をまとめて借りる。筑前は気分屋なので、私チョイスが必ずしも彼にヒットする訳ではない。が、久々のストライクがあった。五味太郎さんの『そういうことなんだ。』である。
考えるということ、学校にゆくということ、裏切るということ、働くということ…など、51個のいろんなことについて、五味太郎さんがすっきり考えてみたエッセイ絵本。自分用に借りたのだが、ユーモア溢れる絵を見て筑前が手に取ったのだ。

先に読み終えていた私は「大人寄りの本だから、小2にはどうかなー?」という思いが過ぎったが、筑前は「面白い!」とページを進めるので大人の固定概念って適当だな、と思った。とは言え、筑前には少し背伸びした本なので意味の分からない言葉も多く、4項目づつしか進まないがとにかく彼は熱心に読んでいる。
ある時「浮気をするということ」の項目を読み終えた筑前に感想を聞くと「うーん、よく分からない」という素直なものだった。素直でよろしい!と感心した直後「でも、浮気はだめだよねー」と知ったような顔で言った彼を見て、下駄を履いてもさらに背伸びしたがる末っ子次男坊の姿が、とても微笑ましく感じた。
こうして筑前は、絵本時代ではなく児童書時代に五味太郎さんのファンになったのである。彼が「太郎さん」と呼ぶ時は岡本さんでも山本さんでもなく五味さんなのだ。


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