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男性ブランコ三十一文字 | #推し短歌

ミソヒトモジ 片仮名で書くと動きそう 
ニョロリンとして 切れ味もよく

夢を見るシャンソン人形携えて
いつかトップに立つ夢を見る

プラモデルかんのつくもの精緻さと
大らかさ同じように好きだよ

「良い返し持ってるやん」の一言で
人の涙を誘って吸って

右左みぎひだり入れ替わっても分かってる
ぬくもりが彼やさしさが彼

ひと笑い取るためにある苦しみと
痛みを人は芸と呼ぶなり

二人分のメガネが映すその先で
光が屈折しませんように

ゆうらりと揺れるブランコ輝いて
時間は一日ひとひ我には一生ひとよ



👓



男性ブランコが好きだ。

M-1グランプリの敗者復活戦で知り、件の感染症で濃厚接触者として自宅待機していたときにYouTubeチャンネルでコント動画を見漁ってからずっと1番好きだ。彼らのやさしい空気感と、絶妙な言葉選びが本当に好き。
昨年のM-1グランプリで「音符運び」のネタをやって以来、知名度が上がって「知ってるよ」と言ってもらえることが増えた。好きな芸人さんは?と聞かれたときに、そうお笑い好きではない相手からも「あの人たちね」と認知されているとうれしい。

男性ブランコが作る笑いは、やさしい。

誰も人を傷つけない笑いだ。それは浦井さんと平井さんが纏っている空気感そのものだと思う。愛ゆえに相手のことを悪く言い合う関係性だって芸人さん達の中にはある。それはそれでひとつの良さなのかもしれない。けれどあんなふうに、お互いのことをリスペクトし合う彼らにしか生み出せないものもあるのではないかしら。

どなたかのコメントで読んだのだけど、「浦井さんが平井さんの作るネタが本当に大好きで。それを一番に表現できる人でありたいと思っている」という関係性がすごく好きだな。



「音符運び」という発想、八分音符の形を「ニョロリン」と表現するセンスが好き。

出囃子の「夢見るシャンソン人形」が流れると、始まるー!!!!と思ってワクワクする。彼らが舞台に出てきたときからもう既に引き込まれている。

浦井さんはプラモデルが好きで、平井さんは「水族館、動物園、博物館など、園や館が好きです」とのこと( SNSのbioより引用 )。
精緻なプラモデル、園や館で出会える文化や自然の大らかさ、彼らが好きなものはわたしが男性ブランコが好きな理由によく似ていると思う。精緻なネタに、大らかでやさしい空気感。

「良い返し持ってるやん」という言葉がとあるコントに出てくるのだけれど、それがわたしは本当に好きで好きで。初めてYouTubeで観たとき、自分でもびっくりするほど泣き、そしてよく笑った。彼らのネタは泣いて笑えるからズルい。

彼らはよく自分たちを似ている、区別がつかないと笑うけれど、全然違うよ、と思う。でもなんと表すやら。とても似ていて、でも全然ちがう人たち。

人生で初めて行った「芸人さんの単独ライブ」なるものが、男性ブランコがこの前やっていた「やってみたいことがあるのだけれど」だった。ハマってからライブに行きたいと思い始めて、やっとチケットにご縁があったのがそこだったので……。
たった1日だったけれど、もう何度も心のなかで繰り返し思い出している。天候に恵まれず、会場出たら土砂降り/落雷で電車が止まって帰宅に倍以上時間がかかるハードコースだったけど、それを含めたとしても人生の思い出に残る最高の日だった。


今回は #推し短歌 ということで、そんな彼らのエッセンスを自分なりに盛り込んで詠んでみました。短歌なんて久しく詠んでないよー!と思ったけれど、気持ちは溢れるものですね。キングオブコントの決勝進出者発表が次の水曜日に控えていて、何の立場?という感じだけれど、勝手にソワソワしているからかもしれない。少しでも推している気持ちが伝われば幸い。




そもそも「芸人」という職業が好きだ。

誰かを笑わせるために裏で苦しみ、もがき、考え抜いて、それでも表では誰よりも笑っている。
賞レースで暫定ボックスを去る彼らの笑顔を見るたび、この後舞台裏で彼らはどんな顔をしているのだろうかといつも考えてしまう。

自分たちが面白いとするものを差し出すという行為は、どれほど怖いのだろうか。それでいて、それが他人の笑いを巻き起こしたとき、それはどれだけ気持ち良いのだろうか。受け手側にしか回れない自分には、なにも想像ができない。何も考えず、ただ気付けば舞台に立っている人だっているのかもいないのかも。そんなことも分からない。あのネタのこの言葉選びが、あのコンビは、なんて高尚なことは分からないから。ただそんなふうに、勝手に彼らのことを思う。

男性ブランコだけに限った話ではないけれど、来世では芸人さんのATMになりたい。これはもう何年も本気で言い続けている。そのたびに友人知人から引かれる。分かるよ。でも、彼女になりたい/お近づきになりたい/演者側になりたい/運営したい、そのどれとも違うのだ。ただただ彼らにお金を落とし、ありがたやありがたやと知られぬ場所でその魅力を享受していたい。


推させてください、来世でも!



( 詠んだコントは非公開設定になっているようなので、次に好きなコントを最後にペタッと。届け〜!!! )

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