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私の好きな話

もはや大御所と言っても過言ではなくなった、漫才師の中川家さん。
でもお兄ちゃんの剛さんが、2度パニック障がいでお仕事を休んでいたことを知らない人も多いのではないでしょいか?

今ではあまり療養中について語らない2人が、そのときどうだったか、トーク番組で話していました。
私はその話が今でも忘れられなくて。

もう、何年も前の話だから、記憶違いのところもあるかもしれないので、お許しを。

電車での通勤

パニック障がいでよく聞くのが、電車での通勤中、息ができないくらい苦しくなって、駅に着くなり降りざるを得ない、という話。

もちろん剛さんも電車に10分も乗っていられなかったのだそう。
私なら引き返すor仕事辞めたい、と思ったはず。

でも中川家さんは、本来は30分くらいで着くのだけど、劇場の出番の3~4時間前に出発し、何度も途中の駅で降りては、剛さんが落ち着くまで待って、また電車に乗って、と少しずつ進んだらしい。

タクシーや自家用車を使ったり、思いきって休む選択肢ももちろん考えたとのこと。

でも礼二さんは「専門家でもなんでもないけど」と前置きして、「お医者さんの話とか聞いたら、なんかそばにおらんといかん病気なんやなぁ、て思った」とのこと。

なので、普段通りの話を電車を待ちながらしていたのだそう。
そのなにも変わらない感じがよかったんではないかな?

「とにかく休め」が最善策ではないことも

うつ病やパニック障がいになると、「なにも心配しないでゆっくりやすんでよ」とか「完全に治ってから復帰したらいいからね」と言ってもらえることも多いです。

もちろんありがたい話なんですが、うつ病やパニック障がいは「治ったかも」って思える瞬間が結構あって。
そこで無理しちゃうんですよね。

中川家さんの場合、無理させず、でも頑張って仕事場までは行く、ほどよく休ませながら日々こなす課題をクリアすることができてたのではないか、と思うのです。

「寄り添う」ってこういうことかな?

私が一番感心したのは、礼二が剛さんが電車を降りるとき一緒に降り、剛さんか落ち着くまで隣でずっと待っていること。

つい「もう、ええやろ」とか「先行っとくで」と言いたくなると思うのです。
でも何も言わずにそばにいる。

時には舞台に出れない剛さんが舞台袖で見てる中、礼二さんがひとりで15分の舞台を努めることもあったようですが、それについて揉めたことはないそうです。

礼二さんによると「しゃーないやん」ということらしいですが、いやいやなかなかできないですよ。

精神疾患の患者の周りの人は、「寄り添ってあげてください」とよく言われるのですが、寄り添うってほんとに難しい!

こちらも人間だから、感情的になったり、イライラしたり、いつも穏やかに接してあげられないことのほうが多いと思う。

でも中川家の何時間も電車になって仕事に向かった話。
すごくほっこりするし、寄り添うってことを思い出させてくれる話です。

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