胸骨正中切開 術後の生活に向けた準備

2021年6月、胸骨正中切開で腫瘍を摘出することを決めました。手術を行う決断というものは予想以上に負荷のかかることだったのですがそれはおいておいて、一番心配だったのが術後の生活でした。私は一人暮らしです。幸い両親は存命なので何かあったときに頼ることはできますが、日常生活は基本的に一人でこなしたいところです。ペットと暮らしているため、実家で療養する選択肢はありませんでした。

そこで我らがインターネットで検索用語を変えつつ調べてみたところ、次のような情報が出てきました。
・5kg以上のものは持つな
・運転禁止
・リュック禁止

この術式は肺や心臓の手術で主に使うものみたいなので縦隔腫瘍の切除に該当しなそうな情報もちょくちょく見かけましたが、上の3つは胸骨のダメージに由来するものと判断して問題ないかなと。術後にこれらが実際どうであったかは別記事にまとめます。

また、医療機関のパンフレットのような、言葉を選ばずに言うと第三者による知見はよくヒットするのですが、手術を受けた人の生の感想はほとんど見つけられませんでした。

骨の負担を軽減するための準備

いまいちピンとこないまま、ひとまず次のことを行いました。

「5kg以上のものは持つな」
・部屋の模様替え:カーペットの交換
・本の整理:いらない本を捨てる
・冬物のクリーニング:いや、6月やで。。

「運転禁止」
・車が必要な作業(ペットの通院)を事前に済ませる

「リュック禁止」
・トートバッグを買う

ふりかえると、どれもやっておいてよかったです。トートバッグはミニサイズのものにして、入院中に検査やコンビニに行くときにも使っていました。退院後のいまも毎日使ってます。

やっておけばよかったこと
・炊飯器を棚から出しておく:地味。我が家は炊飯器を下の棚に置いて使うときにだけ上に持ってくるスタイルなんだけど、退院直後は持ち上げる勇気がありませんでした。同様に、低い位置に重めのものがあってそれを使う予定がある場合は、入院前に上げておくことをおすすめします。

術後の自分のための準備

術後にいくつかの考慮事項があることはわかった。では私の生活は、それ以外の面ではこれまでどおりのままになるのか?それとも痛みなどで生活が制限されるようなことがあるのか?

この疑問への答えは、結局最後まで(退院して身をもって知るまで)得ることができませんでした。入院前の説明時に看護師さんと話す機会があったので聞いてみたところ「病棟の看護師に聞いてみてくださいね〜」とのこと。いや退院後の生活が入院してからわかったところで、もうどうしようもねえんだよ。独居者は事前準備が命なんだよ。

まあ。。事前説明をしたらしたで、入院中に予定外のことが起きたときに大変だろうし、看護師さんや病院を責めたいわけではないのですが、少なくともこの病院は、患者には状況に合わせて臨機応変に対応してくれる同居家族がいる前提なんだなあと思いました。さみしいね。

そんなこんなで、とりあえず次のことを行いました。

食事編
・食事の作り置き:肉や魚に下味をつけて冷凍する

・野菜:野菜ジュースを買い込んでおく

・簡易食材の準備:サ○ウのごはんとか、レトルトのカレーとか、フリーズドライの味噌汁とか

部屋編
・収納を見直し、どこに何があるのかを把握する

結果的にはこれも全部やっておいてよかった。私の場合、退院後は痛みがあるほかに体力が落ちてしまい、立ち上がって少し歩くだけで息切れして疲れてしまいました。弱った体でコロナ禍の外界に食料調達に行くのもちょっとこわいし、行ったら行ったで今度は重さに気を遣わないといけなくなるので、最小限の労力で摂取できる栄養があると安心できました。

一点注意事項として、調子に乗って作り置きすぎると、重さ的な意味で術後に冷凍庫が開けなくなります(やらかした人)。

用意しておけばよかったこと/術後に買い足したもの
・ガーゼ、テープ、パッドなどの簡単な医療品:これは個人の体質によるのですが、私はバルンやドレーンの留置に肌が負けてしまい、退院後にケアや保護が必要になりました。幸いドラッグストアが近所にあったのでなんとかなりましたが、この立地じゃなければきつかった。

・三角クッション:術後はまっすぐ寝転ぶと呼吸が痛かったり苦しかったりしたので、入院中はずっとベッドを30度ぐらいにして寝ていました。退院していきなり0度になれる気がまったくしなかったので、三角クッションを退院日に合わせてポチりました。退院後2週間ぐらいお世話になりました。

・傷隠し用のストール:審美面もありますが、紫外線はケロイド化する要因の1つだそうです。

・ゴムなしの下着:開胸手術になったため、目が覚めたら胸腔ドレーンが刺さっていました。下着で隠れる位置にしてくれていたようなのですが、裏を返せば下着が当たる位置になります。私の場合は下着の一番きつい部分(ワイヤー、ゴム)にミラクルフィットしていたので、ゴムなしのパッドつきのキャミソールを買い足しました。身につけているときの不安感は少しありますが、しかたがないです。

追記:ひと月が経過してドレーン創が落ち着いてきたので、スロギーで過ごしています。ナイトブラも揃えました。

・ゴムなしの前開きの下着:診察用に。

何か思い出したら追記します。また、術後に困ったことについての記事を別途まとめました。


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