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格ゲーマーが今の内にLoLをやっておいた方が良いたった一つの理由

世は大マウント時代

近年平和な世の中とは言うが、いつの世も暴力は突然襲い掛かかってくる。

コロナ禍の間にSNSの民度の終わり方は加速しており、インターネットは今や油断をすれば即マウントを取られるまさに大マウント時代である。

とはいえ、実社会はどうかというと、何千年も前から全てマウントで社会が回っている。

マウントが行き過ぎてあまりに危険な箇所(ex.奴隷制度)には順次法律が制定されていき、その度にマウント形式が変化し続けており、近年は年齢(年月により蓄えた知識)によるマウントも急速な情報伝達技術の発達により通じにくくなっている。

また、若年層の人口比率が減ってきたことでマウントによる被害を出している場合ではないという意識が高まり、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントといったマウント行動規制が拡大した結果、マウント戦士達は行き場を無くし、インターネット辿り着く

そこでも煙たがられて居場所が無くなると、非実在の存在に対してマウント素振りを繰り返すモンスターが誕生するというのが現代の社会構造だ

ありとあらゆるマウントによって維持されている社会においての最強マウントといえば、そう、核武装である。

アメリカとソビエト連邦の間で長く続いた冷戦は、当事者達が最強のマウント手段を抱えてしまった結果、世界の崩壊を恐れて別の方法でマウント合戦が勃発した構図だ。

最強のマウントカードを仮に「核武装」と名付けるとすると、対戦ゲームにおける「核武装」は「全1ですけど」だ。

対戦ゲーム内においての全ての攻撃は「全1ですけど」で防ぐ事が可能である。

一方で「全1ですけど」を発動させるにはそれなりのコストがかかるので、急に別方向(ex.モラル)からの攻撃を喰らうと焼野原になるのがお決まりだ。


「2XKO」がやってくる

…ここまでよく分からない話をしといてやっと今から本題に入る。

突如今週アルファテストが告知された格闘ゲーム「2XKO」を皆さんご存知だろうか。

「2XKO」は世界的にプレイがされている「League of Legend」(通称:LoL)の世界観を格闘ゲームとして落とし込んだタイトルである。

既に「LoL」でMOBA、「Valorant」でFPSのシーンを手中に収めたRiot Gamesが格闘ゲーム界をも手中に収め、世界征服を達成するために投入してきた最終兵器である。

当然格ゲーオタク達の知名度は驚きの100%であるが、一般人は本当に誰一人知らない。

何ならLoLプレイヤーですら割とご存知でない。


そもそも「2XKO」というタイトル、実は元々この名前ではなく正式発表前は「Project L(仮)」と呼ばれていた。

我々ストリートファイターという硬派な格闘ゲームの水が合わない不届き者達は、ふざけたシステムにふざけた技が乗っかった複雑怪奇なゲームを非常に好むため、かなり早期から目を付けていた。


となるとプレイヤーはどういった行動を取るのか?

来たるべきβテストの抽選枠に漏れないようにRiotのアカウントを入念に育てつつ、原作をきちんとプレイする事により「キャラ愛」等というふざけた言い訳を成り立たせるためにきちんと原作をプレイするのである。

こうして約2年前からLoLをプレイし始めた私は何とかゲームが理解出来るような所まで進めた。

こうして心身共に準備万端の状態で挑んだ「EVO Japan 2024」での試遊会は非常に楽しむ事が出来た。

ゲームとしての出来も非常に良く期待しかない。


備えあれば憂いなし

しかし、このEVO Japanの会場で一つの大きな事件が起きた。

それは試遊のために筐体に並んでいた時の事である。

「2XKO」はとにかくLoLの世界観のまま各チャンピオンが個性的に動かせる事を最大の特徴としており、必殺技は各チャンピオンのスキルが再現されている。

例えばダリウスは出血スタックが溜まっている時にスリップダメージや、攻撃スキルが非常に強力な一撃となったりするし、エコーは時間を巻き戻す。

画面の中の個性豊かなチャンピオン達がダイナミックな連続技を繰り出す度にギャラリー達が湧いており、それを皮切りに交流も深まった。

また、ゲームシステムが複雑なこともあり、誰かに聞かなければ「一体どうやってプレイしているのか?」といった疑問が解消出来ないため、初対面の人達同士でもさかんに会話が繰り広げられていた。


楽しく雑談していると、突然隣の男が早口で詠唱し始めた。

「いやぁ~、ヤスオの挙動とか原作再現で凄くいいですよね!スタックを溜めたQの打ち上げからのRを1ゲージ技から2ゲージ技に繋がるようにしてるって凄い」

この発言を聞いた時に一瞬固まった。

恐らくこの文章を読んでいるLoL未経験者は全く何を言っているか分からないだろう。

この男は突然LoLをプレイしている前提の知識を早口で吹っ掛けてきたのだ。

突然マウント斥候部隊がやってきた。

この発言への返答を間違えると特に興味の無い「原作やってまして」マウントが始まってしまう。

ましてこいつが仮に高ランクプレイヤーだった場合、ランクアピールまでセットで気持ちよくなられてしまう。

頭をフル回転させた結果、私は次のように返した。

「いやぁ~、ヤスオの打ち上げから2ゲージ繋がるんだったら、ダリウス必殺技がせっかくEのモーションなんだから、そこから超必キャンセルでヤスオの2ゲージに繋げれたらもっと良かったっすよね。」

この発言をした直後、相手がすぐさま黙った。

相手もマウント返しされる事を恐れたのだ。
防衛に成功し、平和を維持出来た瞬間である。


恐らく、今回のαテストを皮切りに色んなプレイヤーが参入してくるだろう。
そして世界各地のDiscordで同じような事が起こるだろう。

「お前がLoLをやってたなんて知ったこっちゃない。2XKOをやれ。」で全て終わる話であるが、それは火種を生む言動ではある。

マウントを卑下に扱ったり、更に上からマウントで返すとそこから憎しみの連鎖が続いていってしまう。

私はLoLをプレイしていた事で一つの戦の火種を速やかに消化する事ができた。

平和を望む格闘ゲーマーがもしもいるのならば、今の内にLoLをプレイしておくべきである。

きっと世界から争いを一つ無くすことができるから。


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