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おばあちゃんが教えてくれた、幸せの作り方

お花のハナちゃん。
私には「お花のハナちゃん」と呼ばれる、おばあちゃんがいた。
そのおばあちゃんの口癖が、私の今の幸せを作ってくれた。

おばあちゃんは、何層にも重ねた紙で作るお花、そう、運動会や学芸会の飾りでよく見る、あの紙のお花。
それを作るのが上手で、年に一度のお祭りの万灯を飾るときに、先頭をきってお花を作っていたので、周りの人から「お花のハナちゃん」と呼ばれるようになったらしい。

ハナちゃんは、ハンバーガーのバンズのような丸い顔で、屈託なく笑う、可愛いおばあちゃんだった。
つぶれた団子のような、お鼻が特徴的だったので、私たち孫は「お花」をもじって「お鼻のハナちゃん」と陰で言っていた。

おばあちゃんの口癖

おばあちゃんが、私たち孫に、いつからか、ことあるごとに言っていた言葉がある。
それは「健康が一番」だった。

社会人になっても、会うたびに言われるので「健康が一番」「はいはい」と合言葉のようになっていて、おばあちゃんが言うより先に「健康が一番でしょ」と私から言う事もあった。

合言葉のようにしたり、ふざけてはいたけど、実は「健康が一番」を聞きたくて、おばあちゃんのところに行ったこともある。

親に反抗して、ちょっと不良少女になったとき。
学校に行くのが嫌で、家に引きこもったとき。
社会人になって仕事を辞めたくて悩んでいたとき。

辛い時に、いつも、おばあちゃんは、その言葉をかけてくれた。

おばあちゃんが教えてくれたこと

おばあちゃんに、何で「健康が一番」と言うのか、その理由を聞いたことがある。
聞いていてわかったことは、「健康が一番」は、「どんなにつらくても、命があれば何度でもやり直せるから、命は大切にしなさい」という意味だった。

人間は、辛く悲しくなると、この世から消えたくなってしまう。
だけど、消えてしまっては、その先の未来を見ることが出来ない、どんな未来かはわからないけど、
自分の努力次第で、切り開き明るい未来にすることだってできる。

おばあちゃんは、そう教えてくれた。

みんなが幸せになるように

おばあちゃんは、今、私の側にはいない。
けれど、私はおばあちゃんの「元気が一番」に支えられて、今を生きている。

主人と出会い、結婚をし、子供を授かり、その子供たちも成人し、それなりに幸せに生きている。
そんな未来は、学生の頃や仕事を辞めたくて悩んでいる時には見えなかった。

あの瞬間に、この世から消えなくてよかったと思う。

私も「元気が一番」をつないでいこう。
みんなが幸せになるように。
おばあちゃん、ありがとう。


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