適所適財
こんにちは。
“マネジメント人財の目利き&「大人の学び」の案内人”の福岡 明善です。
ことのは 38
「日本企業は採用した人を育てるために適材適所に配置する文化でしたが、私は『適所適財(ポジションのミッションに最適な人を、内外を問わずに登用すること)』が重要だと長年訴えてきました。当時は理解されませんでしたが、最近では日本企業も外部人財の登用が増え、経営者の方々が『人財市場』の存在を意識して、『優秀な社員にいてもらうには会社が魅力的でなければ』と考えるのも新しい傾向ですね」
(橘・フクシマ・咲江、日本経済新聞 電子版、2018年12月29日)
橘さんは、コーン・フェリーの日本法人の社長を務められ、ヘッドハンターとして数多くの経営者を間近で見てこられてきた方です。そのことばには実感がこもっていると思います。
私は、「適材適所」と「適所適財」との間に優劣はないと思いますし、どちらも有り得ると考えています。
育成を中心に考えている組織(メンバーシップ型雇用)では、「適材適所」に一定の妥当性があって、組織内で異なる経験を積み重ねるなかで人が成長していくのだという信念が大切にされているように感じます。中長期的な視点で組織能力を向上させていくResource-based view的なアプローチと言えるかもしれません。
一方、「適所適財」は、ポジションにふさわしい人財を幅広い視点から見出し(ジョブ型雇用)、組織成果の最大化をタイムリーに実現しようという発想なのだと思います。経営学でいうPositioningアプローチにつながる考え方と言えるのかもしれません。
大切なことは、自分の組織が上述のどちらのアプローチを選択しようとしているのかについて自覚的である必要があるという点ではないでしょうか。
では、また。Bonne journée!
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