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名職人の技は語り継がれゆく - The Messiah Will Come Again(メシアが再び) -

ギタリストのギタリストのギタリストと言われた男

その昔、「Jeff Beck」がギタリストのギタリストと
言わしめた職人ギタリストが「Roy  Buchanan」です。

彼は、プロのギタリストに愛され、尊敬された
数少ないギタープレーヤーで、あらゆるジャンルの
音楽を奏でる事の出来た超一流のミュージシャンです。

しかし、一般的な知名度が低かったのは、
特定のジャンルで秀でていた訳では無かったことが
原因と言われています。


しかし、「Roy Buchanan」が出したリーダーアルバムの内、
セカンドアルバムの「Roy Buchanan]と8枚目のアルバム
「Loading Zone」はゴールドディスクを取っています。

サードアルバムでロックしたRoy Buchanan

私が「Roy Buchanan」を初めて聞いたのは
彼の1974年に発売された3枚目のアルバム
「That's What I'm Here For」でした。

当時からすでに「ギタリストの中のギタリスト」と
呼ばれている事を音楽雑誌で知り、
興味本位で購入したのがきっかけです。

「Eric Clapton」や「Jeff Beck」から
注目されているアーティストという事で、
アルバムを聴いた感じからはギターの職人
というイメージがあり、当時の日本では、
それほど知られた存在ではありませんでした。

初めて聞いた時の驚きと感動は
今でも忘れる事はできませんね。

エレクトリックギターの
あらゆる奏法を自在に操る凄さは
実際にバンドを組んでいた自分には
まるで「Roy Buchanan」は神様のような存在でした。

事実、「Eric Clapton」は「Roy Buchanan」の
演奏の有りとあらゆるものを収集しておりましたし、
「Jeff Beck」はインタビューで絶賛していました。

さて、この「メシアが再び」という曲ですが、
ロングトーンと素早く弾く切り替えが素晴らしく、
緩急自在とはこの曲の演奏を指すと言っても
過言ではありません。

この曲で使用している奏法は
ピッキングハーモニクス奏法、
バイオリン奏法、オーバーフレット奏法
などで当時聞いた時は驚きと感動と尊敬の念が
一度に湧きあがりました。

テレキャスでこんな多彩な弾き方が
できる人が何時とは知りませんでしたから。

「Roy Buchanan」は1970年代は
「世界で一番グレイトな無名ギターリスト」
と呼ばれていましたが、私はそうは思いません。

やはり彼はその当時から、偉大なギタリストなのです。

「Jeff Beck」が1975年に発売した
「Blow by Blow」の6曲目
「Cause We've Ended as Lovers」は
「 メシアが再び」に影響されて作られた事は有名な話です。

JEFF BECK LIVE Cause We've Ended As Lovers

また「Gary Moore」はライブで
「 メシアが再び」をカバーしております。

Gary Moore — メシアが再び(The Messiah Will Come Again)

職人ギタリストの死

「Roy Buchanan」が亡くなったことを
何処で知ったか忘れましたが、
飲酒して警察に捕まり、留置場内で
首吊り自殺したことは、あまりに衝撃的でした。

更に、病気で亡くなったのではなく、
多分、衝動的に自殺したのでしょう。

そのあっけない死に方に、哀しみと共に、言い知れぬ怒りが
湧いてきたことを覚えています。

まだ、50才前、48才での死でした。

【アーティスト情報】
本名 : ルロイ ブキャナン
誕生日: 1939年09月23日
出身地: アーカンソ―州オーザック
死亡日: 1988年08月14日
死亡地: バージニア州フェアファックス
ジャンル: ブルース、ロック、ロックンロール、カントリー
職   業 : ミュージシャン、作曲家
活動期間: 1958年-1988年

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