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地域に根付く伝統芸能、石見神楽を現地で楽しもう!

日本国内には長い歴史に根付いた伝統芸能が数多くあり、現在から未来に向かって受け継がれています。
伝統芸能を訪ねてみるのも旅の楽しみの一つですね。

今回は、地元に根付く伝統芸能の一つ、石見神楽(いわみかぐら)をご紹介します。

■石見神楽とは

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石見神楽とは、島根県西部の石見地方を中心に伝承されている里神楽です。
神社の祭礼に奉納される神楽として、古くは室町時代から舞われていたと言われるほどの歴史があります。
2019年には「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」として、日本遺産の一つに選ばれました。

日本神話に登場する天孫降臨、大国主命の国譲り、八岐大蛇(やまたのおろち)、天照大神が天岩戸にお隠れになる逸話や、恵比寿さまが鯛を釣る様子、菅原道真など様々な神楽の舞があり、きらびやかな衣装や迫力のあるお面など実際に鑑賞してみると強く印象に残りますね。


■地域毎に個性がある石見神楽

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里神楽と呼ばれるだけあり、石見地方では各地区ごとに神楽を舞う団体があり、浜田市内だけで50以上、石見地方全体で200近い団体が活動しています。

神楽の演目は共通ですが、地区ごとに微妙に違う所があるとのこと。
子どもの頃から地域で慣れ親しんでいることもあって、石見に住んでいる人にとって神楽があるのはごく当たり前の光景なのだそうです。

とある地元の企業では、神楽がある時は休暇をとっても良いという制度もあるそうですよ。


■神楽のお面、衣装はすべて石見地方で作られています

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石見神楽で目を惹くのが迫力のあるお面ときらびやかな衣装。
実はこのお面、衣装共に石見地方で作られています。

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お面の素材は伝統ある和紙の一つである石州和紙。
この和紙を何枚も重ねてお面を作ります。
見た目は重たそうに見えますが、素材が紙なのでとても軽いのが特徴。
実際に持たせて頂いて、その軽さにびっくりしました。

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きらびやかな衣装は、すべて手縫いによるもの。
職人の手により、糸1本から丁寧に縫われています。

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神楽取材の際、特別に衣装を着させて頂いたのですが、かなり重い…
これを縦横無尽に振り回しながら神楽を舞うのは、日ごろから鍛えていないと大変ですね。

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そして、石見神楽には欠かせない八岐大蛇。この蛇の胴体(蛇胴(じゃどう))も、石見地方で作られています。
竹の筒に石州和紙を貼り合わせてちょうちんのように伸び縮みする蛇胴の製作もすべて手作業。
まさに地域総ぐるみで守る伝統芸能と言えるでしょう。


■石見神楽はいつ、どこに行けば見られるの?

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地域に根差した伝統芸能、石見神楽。
神楽は基本的に祭礼時、神様へ奉納するものですので、いつ行っても見られるというものではありませんが、観光振興を兼ねて定期的に神楽の公演を行っている所があります。

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そのうちの一つが浜田市内にある三宮神社(さんくうじんじゃ)。
「浜田の夜神楽公演」と題して、毎週土曜日夜8時から神楽の公演が行われます(浜田市観光協会へ事前電話予約が必要)

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三宮神社の本殿の中にある舞台で、1時間にわたって神楽が舞われます。
恵比須さまの鯛釣りの様子を描いた「恵比寿」のような愛らしい神楽、異国から攻めてきた鬼を激しい戦いの上に退治する「塵輪(じんりん)」、そして八岐大蛇を素戔嗚尊(すさのおのみこと)が退治の「大蛇(おろち)」とその日により演目は異なります。

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「塵輪」で火花を散らす鬼、「大蛇」で煙を吐き舞台を埋め尽くす4匹の大蛇と激しく素戔嗚尊が戦うシーンは迫力そのもの。
ぜひ実際に見てそのすごさを体感してほしいです。

その他、石見地方の各所で不定期に神楽の公演が開催されています。
詳細は島根県西部観光公式サイト「なつかしの国石見」の公式Webサイトを確認してみてください。


■石見神楽を見に行ったら、石見の神楽めしを食べよう!

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地域に根付く石見神楽を見たら、ぜひ地元の食材を使ったおいしいものを頂きましょう。
石見地方の江津(ごうつ)市、浜田市、邑南(おうなん)町、益田市では、地元で取れた食材のみを使った「神楽めし」を食べられるお店がたくさんあります。
地元で取れた食材を使うというのが条件のため、同じメニューでもお店ごとに様々な工夫があるのが神楽めしの特徴。
お肉系は「オロチ丼」として、石見和牛や石見ポークなどをステーキにしたりソースカツ丼にするなどのバリエーションがあります。

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お魚系は「えびす丼」として、日本海の海の幸がたっぷり乗っています。
他にも「大黒めし」や「瓦ぬご縁」などがありますので、おなかをたっぷりすかせて食べ歩きたいですね。

バリエーションなど詳細は「神楽めし」のWebサイトで確認できます。


■石見地方へのアクセス方法

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石見地方へのアクセスは、飛行機だと萩・石見空港が最寄りです。
出雲縁むすび空港からもアクセスできますが、浜田・益田までの陸路移動距離が長いので、石見銀山などと一緒に回る時に使うと良いでしょう。
鉄道ではJR山陰線が益田・浜田・江津の主要都市を通っています。ただし運転本数が多くはないので、時刻表で確認して行程を組みましょう。


日本遺産にも登録された石見神楽の魅力をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
実際に旅して経験したことは何よりもの思い出になるはず。
それが旅先でしか経験できないことであればなおさらです。
この記事がきっかけとなって、石見神楽の魅力に実際に触れるべく、石見に旅してもらえれば幸いです。
(取材協力:石見観光振興協議会)
#石見神楽
#ご縁の国しまね

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