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足利銘仙はじめまして Vol.2

こんにちは。
早速、足利銘仙の奥深いストーリーを私の視点と感覚で見ていきたいと思います。・・・っとその前に、簡単な自己紹介をさせてください!

生まれも育ちも東北、杜の都出身の30代です。多くの緑と温かい人に囲まれたのどかな地域で育ちました。今住んでいる北関東と比べると、人や車の多さは各段に少ないですが、足利のように近くに山があったり自然が身近にあったという点では、安心感がありますね。

そして結婚を期に岩手に引っ越した後、夫の北関東への転勤のお告げ。関東デビューとはしゃぐ余裕も無く、引っ越しの準備や手続きに追われながら越してき、今ちょうど一年が経とうとしています。
仕事を在宅でしている為、近くに知り合いもいません。しかし、なぜか孤独を感じないのです。それは、現在、目にする風景へ生まれ育った地域の思い出を重ねることができたり、また違う地域で暮らしてきたからこその新発見の連続があるからかもしれません。

そしてその一つが、『足利銘仙』です。
足利銘仙とは、栃木県の南西にある足利で生産され、絹を使用した先染めの絣織物です。廃棄処分となることが多い「繭玉」や「屑繭(くずまゆ)」から採れる太い糸をタテ糸に用い作られていました。B級品の繭を使用していた為、その織物で作った着物は安価で一般人が普段着として着用することができました。また、ヨコ糸に太い糸を使用している為、厚地の着物を作ることができ、「丈夫」「軽い」「着心地良し」という普段着に求める嬉しい点がいくつもありました。そして、裏表どちらの面でも着用でき、汚れたら逆に
着て、長く使えるということも利点だったそうです。

今は価格に対して服の寿命を勝手に決めてしまいがちですが、足利銘仙の価値の中には、長く使用できるということもあったのですね。私の祖母が、私が不要になって捨てた服をいつ見つけたのかも分からないくらいに知らずに回収し、祖母が自分で着ている…なんて光景にも出くわしてきましたが、そういうことなのかなぁ~とどこか納得しております笑

これらを踏まえると、足利銘仙の着物は、今で言うコスパがいい!という商品ではないでしょうか。私が普段着に求めることは、やはり価格と着心地や洗濯のしやすさなどを含めた機能性です。そして、それが自分の好きなデザイン、気分転換にも一役買ってくれるデザインだと尚良しです。好きな服を着るだけで、その日が特別な日になるような予感がしたり、嫌なことや憂鬱なことも乗り切ってみるか~と思える日もあります。そうやって足利銘仙も普段着という枠の中に更なる魅力や価値を生み出していったのかもしれませんね