夜間中学からみる異文化理解
夜間中学・関本先生インタビューの振り返りとして、noteを書いてみます。
夜間中学校で35年7ヶ月勤務した関本保孝先生にZOOMインタビューすることができて、(山本先生、水谷先輩のお陰で)、非常に貴重なお話を伺いました。
夜間中学は家庭の貧困、疾病、戦争、いじめ、学校ぎらいなど様々な理由で学校を長期欠席し、「義務教育を終了できなかった人々」が通学しています。これらの人々に教育の機会を提供する場として中学校に設けられました。
近年は、不登校などで十分な教育が受けられないまま中学を卒業した人や、母国で義務教育を受けなかった外国人に学び直しの機会を与える役割が期待されています。(義務教育と一番の違いは日本語科目があること)
関本先生が関わってた生徒は15歳〜70歳、中国残留孤児、在日韓国・朝鮮人、中高年日本人、元不登校ひきこもりの日本人、新渡日外国人等々です。
関本先生は生徒たちの社会的歴史的背景を知り、要求に応えていくことが大事であり、それぞれの人生があり、それを少しでも知ることが大事だと仰っていました。
文字の読み書きができないのならば、文字情報が社会の至る所に氾濫している現代において、「よみ・かき」の基礎学力が欠落しながら、社会生活を送っていくこよの難しさは容易に想像でき、日常生活の困難さとそれに伴う精神的苦痛は計り知れないものがあります。
実際インタビューの中で関本先生のお話による、
文字を読めない方は、電車に乗る時に出発駅の切符を買って、降車時精算しかない、
算数知識がない方は、買い物する時なん割引、何パーセントについてわからなくて、恥ずかしく聞けない、困った状況であります。
自分も留学生として、他国に行き、言語の壁による生活における不自由さ、またその無力感に、とても共感できます。
そのような不便な日々を1日でも早く終えたいと思い、なんとか頑張って乗り越えています。(今でも戦っているかもしれない笑)
その「なんとか頑張って乗り越えるだろう」という発想は実は当たり前のことではありません。
私は整えた教育環境で、先生は餌をやってくれて、魚のように口を開けたら知識が入ってくるし、恵まれた人間関係の中、親、友達、周りに助けてくださるメンターさんがたくさんいます。
私は最高なポジションでいるからこそ、なんとか頑張って乗り越えたと言えるでしょう。
社会の平均ラインにドロップアウトした、された方々は自力でなんとか頑張って乗り越えることはできないではないでしょうか。
「彼たちはお年寄りになっても、学校に通うことは夢で出てくる、記憶力が低下したが深夜2時3時までテスト勉強して、卒業する夢を叶いたい」というような話も伺いました。
多文化共生社会が進んでいるなか、異文化理解は大事だという言葉がよく耳に入ると思いますが、今回のインタビューを通して、改めて、異文化理解について、新たな解釈できるではないでしょうか。
早稲田先生に一回ご指摘されたことがあって、今回は「ありべき姿」という言葉を使わず、皆さんはそれぞれ感じたこと、経験したことが異なるので、自分の回答を見つけて、さらにアクションも起こしたら良いではないでしょうか。
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