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SALWAY通信

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株式会社名優が運営する中央材料室向けブランド『SALWAY』に関連する記事をまとめています。
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2024年2月の記事一覧

滅菌バッグの日常的なシール性確認について。ヒートシールチェッカーの基本と運用事例を紹介します。

医療機器の包装材として広く使われている滅菌バッグ。 医療機関では、ヒートシーラーを使用して滅菌バッグを密封(シール)するのが一般的ですが、シール関連の不具合は気づかぬうちに発生し、シール性を低下させることがあります。そのため、ヒートシールチェッカーなどを使用して、日常的にシール性を確認することが重要です。 本記事を読むことで、滅菌バッグのシール性確認に関して、以下の基本を押さえることができます。 ・日常的に発生しうるシール関連の不具合 ・ヒートシールチェッカーを用いて日

細いチューブと太いチューブ、どちらが滅菌しづらい?内腔器材の空気除去特性について、文献を基に解説します。

皆さんは、高圧蒸気滅菌で同じ長さのチューブを滅菌する時、径が細いものと太いものとではどちらが滅菌しづらいかを考えたことはありますか? 「細いチューブの方が滅菌しづらそう」「太いほうが滅菌しづらいと聞いたことがある」など、いろいろなご意見があるかと思います。 本記事では、内径や長さの異なるチューブを用いて検証した「高圧蒸気滅菌における内腔器材の空気除去の検証」という文献を読み解きながら、径が細いものと太いものとではどちらが滅菌しづらいかを解説します。 1. 「高圧蒸気滅菌

【眼科診療における滅菌】ハンドピース内部までの滅菌を確認する方法は?プリオン対策まで解説します。

眼科手術に不可欠な「ハンドピース」。 ハンドピースは、鉗子やピンセットなどと違い、複雑な内腔構造があるため、滅菌が難しいことをご存じですか? 器材の不十分な再生処理は、交差感染に繋がる可能性があります。 ハンドピース内部まで滅菌されているかをどのように確認するか? プリオン対策はどのように行えばよいか? この記事を読めば、眼科診療に必要な内腔器材の滅菌保証の基本を押さえることができます。 1. ハンドピース内部の滅菌は難しい1-1. ハンドピースは内腔構造を有する器