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【台湾留学体験記】経済学部/台湾インターン/女子野球部

簡単な自己紹介

学校:国立台湾大学・経済学部
学年:4年
学費:24,265元(含雜費) /半年 (奨学金あり)
趣味:野球、旅行、LINEスタンプ作り



台湾での大学進学を決めたきっかけ

高校1年生のときにアメリカに語学留学し、台湾の友達ができたことが台湾という国に興味を持つきっかけでした。現地の語学学校で日本人の友達がいなかった私を遊びに誘ってくれ、しかも日本人が私しかいないのに中国語ではなく英語で会話してくれたことで「台湾の人は優しい」という良い印象がありました。

このときはまだ台湾に対して良い印象があるだけで、台湾に留学するとは思ってもいませんでした...

以前から記者になりたかった私は、進路を考えている高校2年生の頃に日本人記者が中国での記者会見で中国語で質問をし、李克強首相に感心されたというニュースを目にしました。このことから、自分も中国語がネイティブ並みに堪能な記者になりたい!と思うようになり、中国語の勉強を始めました。

しかし、日本で中国語を学んでも実際に使う機会が少ないに歯がゆさを感じてました。さらに中国語の勉強をするうちに、語学を身に着けるだけで文化や国民性を理解してなければ、ジャーナリストとして見たこと聞いたことを充分に伝えられないのではないかと思い、中国語圏への留学を考え始めました。

中国への留学も考えましたが、台湾人の友達の人柄、台湾旅行した際に感じた台湾の自由さ、おおらかさに惹かれて台湾留学することを決意しました。


いざ、台湾へ!!!



台湾大学に入学申請

台湾大学の入学申請は、専用のサイトから複数学部に直接申請することが出来ます。学部ごとに要求する書類を専用サイトへ直接アップロードできるので、非常に簡単でした。

毎年入学募集事項や申請方法には変更があると思うので、入学を考えている方はこちらのサイトから直接見てみてください↓

https://admissions.ntu.edu.tw/%E7%94%B3%E8%AB%8B%E8%87%BA%E5%A4%A7/%E5%9C%8B%E9%9A%9B%E5%AD%B8%E4%BD%8D%E7%94%9F%E7%94%B3%E8%AB%8B/

私は新聞やテレビなどのオールドメディアに就職したいと考えていたので、政治学、経済学、法学部などソーシャルサイエンス系の学部を中心に申請しました。

申請書類の中でも特にハードルが高いのが、研究計画書...

研究計画書は大きく3つにわけて書きました。

1️⃣申請動機
2️⃣入学までに準備すること
3️⃣大学四年間でやりたいこと/取りたい授業

3番の取りたい授業に関しては、台湾大学の内部生向けの授業検索サイトを参考にしました↓

https://nol.ntu.edu.tw/nol/guest/index.php

申請書類は今見返すと、良く出来たものではありませんでしたが何とか台湾大学経済学部と法学部から合格を貰いました。自分の言葉で、大学で「学びたいこと」「やりたいこと」を伝えることが大事なのだと思います!



大学生活スタート!必修科目と野球の練習に苦しむ1、2年生

夢にまでみた台湾大学での留学生活がスタート!

台湾大学のある「公館」には外国人留学生が多く住んでいることもあり、銀行口座開設携帯契約などはスムーズに進みました。

しかし、高校生活の合間に勉強した程度の中国語では台湾人の会話のスピードに全くついていけず、友達がなかなかできませんでした。

何とか友達を作って中国語が上達したかった私はスポーツをやれば言語を超えて友達ができるかもと思い、思い切って台湾大学の女子野球部に入部しました(笑)

練習後にみんなでごはんに行き、会話に入ることでリスニング力が劇的に上がった気がします!

経済学部の1、2年生は「経済学」「微積分」「会計」「民法」など必修が多く、単位を落とさないように毎日必死になって勉強しました。ただでさえも宿題と予習復習が追いついていないのに、女子野球部の練習が多く、体力的にぎりぎりの毎日でした... 寝不足のまま練習に行き、そのまま授業に向かう日々を繰り返していました。


記念に1冊だけ捨てていない微積分ノート


女子野球日本代表選手が台湾に来た際、通訳を務めたことも



野球部キャプテンに就任

1、2年生の台湾大学生活でいろんな人に助けられ、必修科目を履修し終え4年間で卒業できる目途がたちました。しかし、台湾の生活に慣れた3年生になるタイミングで「支えるだけではなく、支えたい」と思い、野球部のキャプテンに立候補しました。

野球部のキャプテンの仕事内容は、チーム全体をまとめる、他の幹部に仕事を割り振るなど内部のマネジメントの他に、顧問の先生やコーチと部員の架け橋になる、試合の主催者などの外部と連絡をとるなどです。

台湾に来てから誰かに頼りっぱなしだった私には、率先して自分から何かを発信していくということがはじめは難しかったです。さらに、授業を受ける、友達として会話をするということに関しては問題がなかった中国語も、部活の連絡などではなかなかうまく行かないことも多く、ストレスが溜まりました。

今では2人の副キャプテンと助け合いながらコーチの叱咤激励を受けつつも、キャプテンとして積極的に部員と関わり、近い目標では試合に勝つため、遠い目標ではより大きな部に成長していくためにみんなの先頭に立って積極的に行動できるようになりました

「支えるだけではなく、支えたい」と思い、キャプテンになりましたが、支えられていることを今まで以上に強く感じた一年間でした。支えてもらうためにも、相手の気持ちや立場を理解し、絆を深めることが大切なのだ気付かされました。


プロ野球球団の球場で試合



経済学部での勉強

経済学部では、1、2年生に必修が集中しており、経済学の基礎をみっちり学びます。3年生からは、必修がないため自分の取りたい授業に時間を割けます。

必修科目
1年生:「経済学原理」「微積分」「会計」「民法」
2年生:「ミクロ経済学」「マクロ経済学」「計量経済学」

経済学の選択必修科目の授業は「ミクロ経済」「マクロ経済」「計量経済学」の応用であることがほとんどなので、必修科目を履修し終えた3年生から選択必修をとりはじめました。

1、2年生の頃は基礎的なことを学ぶ大切な時期なのですが、経済学と現実世界との乖離についていけず、授業があまり楽しくありませんでした。特に「ミクロ経済学」と「マクロ経済」では、仮定条件上で成り立つ現実世界では起こりえない経済モデルの理論を理解し、計算問題を解くばかりで苦痛でした...

大学3年生になり、経済学の基礎を応用した授業をとりはじめたことで、経済学が乱雑で全貌が捉えにくい社会を、経済学と統計学の力で説明していることが良く分かり、面白い!と思うようになりました。

特に、「開発経済学」の授業では、国が成長する理由、国家間での貧富の格差が広がる理由を、モデルや論文を読み解くことで学びました。特に、実はまだはっきりとは解明されていないアジア四小龍(台湾・香港・韓国・シンガポール)が経済成長した理由当時のデータの統計ミスを調整しつつ、理由を分析した論文を読み進めるのが面白かったです。1、2年生のとき苦痛で苦痛で仕方がなかった経済学の基礎があることで、世界を「経済学」という切り口で見れるようになれたことが嬉しかったです!

大学四年生では、今までに習った統計方法を活用して、タームペーパーを書きました。テーマは「Childcare Availability and Maternal Employment in Taiwan」。論文の内容としては、育児政策の拡大が母親の労働率増加につながっているのかどうかを分析しました。
育児政策の拡大は、直感的には母親の労働率増加につながりそうですが、アメリカ、ノルウェー、日本では相互関係にないことが経済学の論文で実証されています。台湾でこの相互関係に関した研究がなかったので、このテーマを選びました。
結果としては、台湾でも相互関係は見られませんでした。もし今後、研究する機会があるとすれば、拡大された育児政策が祖父母による非正規育児に代替された可能性を調べたいです。


論文の表紙



台湾企業で長期インターン!

野球部のキャプテンになるのとほぼ同時期から、台湾のIT企業「iKala」でマーケティングインターンとして働き始めました!
インターンをはじめた理由は以下の2つ

1️⃣マーケティングの実戦経験が積める
2️⃣日本人として台湾で働くというのはどういう感じなのか実際に経験してみたい

学校で友達や先生と話したり、レポート発表することに緊張しなくなってきた私も、会社で会議に出席したり、上司と話したりするのにはじめの方はすごく緊張しました(笑)

経験より若さが武器のエンジニアが中心のIT企業ということもあり、学生インターンであっても意見を出すことが許され、仕事を任せてもらえる環境です。1人の社会人として扱って貰える環境でインターンをしたことは、私にとって社会を知る大きな経験になりました。

大学では、経済学というアカデミックな世界に閉じこもっていたので、日本と台湾の民間レベルでの交流は目の当たりに出来ませんでした。インターンを通じて、台湾企業が日本で事業展開をゼロからはじめる工程に関わることができました。日本人であることを活かして、台湾のIT企業の技術力やサービスを広めることに貢献できて、日台の架け橋に少しでもなれたのではないかなと思っています。


オフィスから


最後に

台湾留学をしていると普通の事をしているだけなのに他の人とは違う経験が積めていたり、思わぬ部分で自分自身の成長が見つけられると思います。しかし、台湾留学生はまだまだ珍しく、経験を評価されてないと感じます。

私たち台湾留学生の課題は、自分たちが台湾でしてきた貴重な経験をいかに他の人に伝え、自分自身を評価してもらうことなのではないかなと思っています。

私自身今後、留学当初の記者ではなく、日本の大学院で国際協力について研究をします。台湾との直接的な関わりは無くなってしまいますが、台湾で学んだこと、得たことは絶対に役立つと信じてます。だからこそ、台湾留学生の名に恥じぬよう、頑張り続けたいです。



夏休み作ったライン絵文字です!使っていただけると嬉しいです。


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