WFP2023年9月号 感想

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。
Web Fairy Paradise 2023年9月号(第183号)の感想を書いていきます。


1.詰めろでない必至

(pp.3-4)

必至問題はまずルールがちゃんと整備されていない認識。
その橋渡し的な意味でも、非王手可最善詰は個人的に注目しています。

2.第153回WFP作品展結果

(pp.16-36)

153-3 松下拓矢作

攻方はバッテリーを組み替えながら開王手3回。
受方も合わせると4回。
手順に一貫性があって良い。

153-4 るかなん作

全ての駒が中立駒。
中立玉は自玉であり相手玉であるのが不思議な感覚。

153-8 springs作

覆面駒の性質を活かしたツイン。
透明駒など複数の可能性を内包するルールは、複数解やツインとの相性が良い。

153-12 さつき作

合駒の可能性を探る着手。
指し直せることを活かした衝立らしい手筋。

3.協力詰・協力自玉詰 解付き #16

(pp.58-60)

16-2 springs作

詰みを構成する受方線駒3枚に対して、攻方龍の移動が邪魔をしてしまう構成。
受先を活かした巧い3解。

4.第2回フェアリー杯 作品紹介

(pp.61-63)

2-3 springs作

天竺ルールに由来した龍そっぽが妙手。

2-4 yabecchi2010作

双方の駒が大きく動くのは分かりやすい面白さがあります。

2-7 xzg17作

天竺ルールだと両王手は損になることも結構あります。
少ない駒数で両王手の詰上りを実現したのはお見事。

5.「詰将棋メーカー」好作選(2023年7・8月)

(pp.66-78)

No.39 yabecchi0210作

角のセルフピンが面白い。
駒数が少ないのも狙いを際立たせています。

No.44 springs作

飛車が邪魔なのは意外な展開。
双方の駒が最遠移動するのも良い。

No.45 yabecchi0210作

連続で四重王手は驚き。

No.51 コセ作

擬似透かし詰は好きな手筋なので、個人的に興味深い作品。

No.53 xzg17作

持駒変換。
歩合の前に飛合を経由するのが良い。

No.63 xzg17作

普通詰将棋では実現不可能な方向の合駒動かし。

No.70 xzg17作

強欲ルールの下では邪魔駒というのがポイント。
普通詰将棋の手筋をフェアリー詰将棋で表現。

No.72 moirogue作

玉の派手なスイッチバックが印象的。

No.74 xzg17作

完全打歩だと角が邪魔駒。
着眼点が面白く、それを実にシンプルに実現しています。