WFP2024年1月号 感想
バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。
Web Fairy Paradise 2024年1月号(第187号)の感想を書いていきます。
1.玉のない詰将棋
(pp.3-4)
「詰」を目的としないルールでは、玉や王手の必要性は薄くなります。
言われてみれば確かにその通りなのですが、私はこのようなことを全く考えたことがありませんでした。
この記事が出る前に「笑える将棋作品展」で出題されたsprings氏の作品がまさにそれです。
2.透明駒コンクール 結果
(pp.28-37)
(1) 上谷直希作
易しくも透明駒のエッセンスが詰まった作品。
(8) 久保紀貴作
盤面にいる透明駒が可視化されるのが普通。
駒台で可視化されるのがとても斬新。
3.レトロ雑記
(p.37, 42)
着手の履歴が関係するルールとレトロの組み合わせは面白そうです。
フェアリールール以外でも歩詰は着手の履歴が関係します。
「着手の履歴」はレトロにおいて面白いテーマの一つになるかもしれません。
4.協力詰・協力自玉詰 解付き #20
(pp.47-49)
20-2 springs作
角をアンピンして代わりに金をピン。
金を設置する方法が悩みどころで、解いても鑑賞しても面白い作品。
5.「詰将棋メーカー」好作選
(pp.61-77)
No.121 ひっぽ作
チェスプロブレムの用語を拝借するならReciprocal capture。
巧い作り。
No.123 ひっぽ作
驚きの連続最遠打。
No.133 げん作
Patrolを活かした受方龍鋸。
この仕組みを思い付いたのは天才的。
No.139 ひっぽ作
初手28角の紛れが強烈で、作意は美しくサラッと。
深い作品。
No.148 げん作
銀で玉と歩を運ぶ。
楽しい手順。
No.154 springs作
攻方はあえて金を取らず、受方がヤケクソ中合的な感じで攻方に金を取らせるのが面白い感触。
No.155 xzg17作
持駒消去の機構が面白く、玉のルントラウフで表現されているのもお見事。