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詰将棋創作相談室「変化や紛れ、余詰や変同の違いを、簡単に区別するコツはありますか?」

Q.変化や紛れ、余詰や変同の違いが時々分からなくなります。反射的に区別できるようになるコツはありますか?

A.残念ながら即効性のあるコツはない。「①ルールを正確に理解する」「②樹形図で整理する」ところから地道に始めてみて。

詰将棋はルールが複雑です。
特に作る側が守るべきルールは結構あります。


■ 本手順

本手順(攻方と受方の双方が、ルール上の最善を尽くした詰手順)を軸として、様々な分岐があります。

■ 本手順の受方着手から分岐

本手順において、受方から分岐して詰むものを「変化」と言います。

変化は基本的に受けが最善ではない手順です。
ただ、本手順と区別できない場合もあります。
そのような変化を「変同(変化同手数駒余らず)」と言います。
なぜ区別できないかと言うと、「本手順と詰手数が同じ」かつ「本手順と同様に詰上りで攻方の持駒が余らない」手順だからです。

■ 本手順の攻方着手から分岐

本手順において、攻方から分岐して詰む手順のことを余詰と言います。
余詰があっては詰将棋として不完全です。
例外的として、最終手だけは余詰があっても許容されます(最終手余詰)。

本手順において、攻方から分岐して詰まない手順のことを紛れと言います。
「詰みそうで詰まない絶妙な手順」に対して使われることが多いです。


まとめると、本手順を軸として、攻方から分岐する手順を余詰(詰む手順)・紛れ(詰まない手順)受方から分岐する手順を変化(基本的に受けが最善ではない詰む手順)と言います。
変化手順のうち、本手順とルール上区別できないものを変同(本手順と詰手数が同じで、詰上りで駒が余らない)と言います。
余詰最終手を除きアウトで、変同セーフです。
ただ、変同は本当にセーフなものから、作品の評価を大きく下げるアウトに近いものまで様々です。

そして、変化に分岐した後に、その中でさらに手順が分岐する場合のルールが結構ややこしいのですが、ここでは割愛させていただきます。
詰将棋の詳しいルールは、下記のサイトに書かれています。

創作を始めたばかりだと、手順構成のルールを理解するのにとても苦労します。
もっと分かりやすいルールになっていればいいのですが、あまりルールを厳しくすると、表現の自由度を下げてしまいます。
詰将棋のルールが分かりにくいのは、このような事情があるのです。

余詰や変化などの手順構成がうまく整理できない人は、まず
「①ルールを正確に把握する」
ことが大事です。
その上で、
「②樹形図を書いて整理する」
ことをオススメします。
私は作品を創るとき、Excelなどで樹形図を書いて整理しています。

残念ながら即効性のあるコツがないので、理解して慣れていくしかありません。


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