思い出のチェス・プロブレム

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。

「チェス・プロブレムって面白い!」と私が思うきっかけになった作品を紹介したいと思います。

Hans Peter Rehm
5th Prize, Schach-Aktiv, 2012

#10

Solution:
1.Sd8! Kd6 2.Sf5+ Kc5/Ke5
3.Sd4 Kd6 4.Sf7+ Kc5
5.d3 Rxe1 6.Sd8 Kd6
7.Sb7+ Ke5 8.Sc6+ Kf5
9.Se7+ Ke5 10.d4#

10手とかなり手数が長いですが、興味がある人は並べてみてください。
本作のテーマはen passant avoidance(アンパッサン回避)です。
いきなり1.d4+?とすると、1…exd3 e.p.!と白ポーンがen passant(アンパッサン)で取られてしまいます。

1.d4+?
1…exd3 e.p.!

en passantを避けるための準備がひたすら続きます。
9…Ke5まで進むと、なんと初形からd2のポーンがd3に進んだだけの局面が現れます。

9…Ke5

これで10.d4#とすれば、en passantが回避できてメイトします。

チェス・プロブレムを鑑賞するようになったのは何となくでした。
私が初めて心の底から感動したチェス・プロブレム作品がこれです。
この作品に出会ってなかったら、私は何となく始めたチェス・プロブレムの鑑賞をどこかでやめていたかもしれません。
人の心を動かす作品…私も創りたいですね。