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WFP2023年12月号 感想

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。
Web Fairy Paradise 2023年12月号(第186号)の感想を書いていきます。


1.第156回WFP作品展結果

(pp.9-25)

156-3 駒井めい作

自作。逆打歩詰+擬似透かし詰。
擬似透かし詰を逆打歩詰で実現するアイデア自体は、結構前から考えていました。
ただ、受方の持駒を制限するなど極端な状況が必要になります。
単に実現するだけでは微妙で、どう表現するかを考えるのに時間を使いました。

156-6 さつき作

逆王手をすることが、純粋に相手を助けているのが面白い。
衝立では情報が大事。

156-8 上田吉一作

香の居成。
PWCによる明快な仕組み。

2.第19回フェアリー入門解答

(pp.44-52)

① るかなん作

-m+n手と-n+m手のツインは面白い着眼点。
手番が重要になるので、手番をテーマに何か考えてみたいですね。

③ 駒井めい作

逆算時の二歩を回避。
作家としては当然他の禁手も考えてみたくなります。

④ 神無七郎作

解説でも言及されている通り、曲詰で現れる字形や象形が手順と関係しているのが斬新。

3.早詰の修正(第19回フェアリー入門⑥)

(pp.52-54)

1.springs作

攻方23香・25香と香が縦に連結した形がポイント。
逆王手が掛かるように逆算するのはダメ。
逆算可能性は概念として分かりにくいし、詰将棋だと馴染みも薄いですが、面白い分野だと思います。

2.springs作

逆算できる余地を作る28龍(+27全)が不思議な感じ。
29龍(+27全)が何故ダメなのか一見すると分かりにくいですが、逆算可能性に由来する深い意味付け。

4.協力詰・協力自玉詰 解付き #19

(pp.64-70)

19-1 駒井めい作

創作課題を出していますが、その例題。
Half-pinは配置が重くなりがちですが、構造は面白いです。

19-2 上谷直希作

角の最遠打はインパクトが大きく深い一手。
攻方飛による開王手がダメなのも、良い意味で裏切られます。

5.第4回フェアリー杯 作品紹介

(pp.72-74)

4-1 keima82作

攻方龍が25の地点に利いていますが、この役割を受方金にさせます。
等価なやり取りに見えるところが表現として良い。

4-3 ひっぽ作

攻方角を寄り道して28の地点に動かす。
初手28角の紛れが強烈なので、初手39角の寄り道がより効果的になっている。

6.左右非対称の利きを持つ駒についてのご提案

(pp.75-77)

左右非対称の利きを持つ駒自体は既にありますが、

「玉より性能が弱いが弱すぎない駒、なおかつ突飛な性能ではない駒が欲しい」

という考えで左右非対称の利きを持つ玉を作ったという内容。
いまいちピンと来ていませんが、有効な活用方法が今後見出されるかもしれません。

7.緩募!ナンマイダ~コンテスト

(p.78)

「協力詰で煙詰をやるのって難しいよね?」という話。
協力詰は捨駒が入りにくいので、相当難易度は高そうです。

上記リンクにも書かれていますが、

「普通作なら難しい構想も、フェアリーなら簡単に!、というのがよくあるが、普通作ならできそうだがフェアリーなら難しそう、というのもあるんだろうなあ。」

という着眼点は考えたことがありませんでした。
煙詰以外にも何かありますかね?