めいのぼやき15 複数解

自称バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。

1.変わらなきゃ

自称短編作家の私ですが、最近「複数解」という出題形式に注目しています。
正確に言うとかなり前から興味はあったものの、必要に迫られなかったのでほとんど作ったことがありませんでした。
最近自分の中で「変わらなきゃ」という意識が強くなってきたので、新しい分野に本格参入してみようと思った次第です。
詳細は割愛しますが、昨今の短編事情にはお気楽な私でも危機感を覚えているのです。
この辺りの話は以前の記事で少しだけ触れています。

2.複数解という出題形式

「複数解の詰将棋とは何ぞや?」という話ですが、良い例をTwitterで見つけたので紹介します。

初手は"36龍"と"78角"という2種類の攻め手が成立しているのがポイントです。
通常の詰将棋のルールではこれは余詰です。
しかし、この場合は意図的に2つの手順が成立するように作られていて、解が2つ存在するのです。
2つが全く関係ない手順だったら、いよいよ単なる余詰にしか見えずちっとも面白くありません。
複数の手順の間に関連性を持たせ、何か一つの狙いを表現しようというのがこの出題形式の特徴です。
詳細は上記ツイートのリプライ欄に記載されている解答解説をご覧ください。

3.作ってみた

とりあえず複数解の詰将棋を見様見真似で作り始めました。
感想としては
① 作り方のコツが掴めない。
② どういう表現なら面白いのかよく分からない。
ということです。

① 作り方のコツが掴めない。
最初は「案外簡単に作れるんじゃね?」と完全に舐め切っていました。
しかし、そんなことは全くなかったです。
冷静に考えれば当然の話で、関連性のある複数の手順を成立させるというのはとんでもなく難易度が高いのです。
いつもそうですが、自分はあまりにも思考が楽観的すぎます。

② どういう表現なら面白いのかよく分からない。
複数解の詰将棋は作例がかなり少ないというのもあり、どういうことをすると他の人が面白いと思ってくれるのか、完全に手探りの状態です。
複数解という出題形式はチェスプロブレムでは既に浸透しているので、そちらを大いに参考にしたいところです。
私はチェスプロブレムも微粒子of微粒子レベルでかじっているので、そこはある程度調べやすいです。
ただ、そのまま移植して面白くなるとも限りません。
類似点はあっても基本的には別物なので、当然と言えば当然の話です。
結局は「詰将棋としては何なら面白いのか?」という視点で考えていく必要があります。

平たく言うと、何もかも分からんということです(絶望)

4.当面の目標

当面の目標は、占魚亭さん(@sengyotei)主催の「(ライトな)フェアリー短編コンクール」(2021年7月上旬開催予定)に複数解の詰将棋を投稿することです。

締切(2021年6月30日)までに作れるのか相当不安なのですが、ここで宣言しちゃったからにはなんとか作り上げたいと思います。

5.複数解の未来

複数解の詰将棋が今後浸透するのかについてはさっぱり分かりません。
それを予見できるほど天才的な思考は持ち合わせていません。
ただ、何でもやってみないことには始まりませんね。
今のところ「何か面白いことができるはず」という気はしているので、自分の第六感を信じてしばらく続けてみようと思います。

とりあえず現在の進捗を報告しておくと、1ミリも作れていません(絶望)