めいのぼやき34 はじめての協力詰(2)
バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。
以前、「協力詰」という変則ルールの詰将棋を紹介しました。
今回は協力詰のルールを少し補足していきます。
1.協力詰のルール
まずは協力詰のルールを確認しておきます。
< 協力詰のルール >
先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める。
透かし詰は詰みとは認められない。
前回から2行目の文章を追加して、正確な説明に変更しました。
協力詰を創作する場合はもう少し知るべき内容があります。
しかし、解くだけならここまでの記述で十分です。
2.透かし詰とは?
「透かし詰」とは、飛・角・香といった離れた地点に利きが及ぶ駒で、離れた地点から王手をかけた状態で詰みとなる状況のことをいいます。
よく分からないという方のために、図面を使って説明していきます。
下図は普通の詰将棋です。
正解は何でしょうか?
詰将棋 1手
正解は 33馬迄 です。
【 1手目33馬迄 】
普通の詰将棋では、33馬に対して22に合駒する手は無駄合となります。
この点は普通の詰将棋を解いている方なら大丈夫でしょう。
【 2手目22歩迄 】
従って、普通の詰将棋では1手目33馬とした局面で詰みとみなします。
このような詰め上がりのことを透かし詰といいます。
【 再掲図 1手目33馬迄 】
3.協力詰には無駄合がない
さて、もう一度協力詰のルールを思い出してみてください。
< 協力詰のルール >
先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める。
透かし詰は詰みとは認められない。
協力詰では透かし詰が詰みとは認められません。
これは協力詰に無駄合の概念がないことと関係しています。
先程の2手目22歩とした仮想局面を思い出してください。
【 再掲図 2手目22歩迄 】
「無駄合がない」条件では、この22歩はどういう扱いになるのでしょうか?
実は有効な合駒、いわゆる「有効合」として扱われます。
つまり、冒頭の詰将棋に
透かし詰は詰みとは認められない。
というルールを仮に追加してみると、詰め手順は
33馬、22歩、同馬 迄3手駒余り。
と変わってしまうのです。
【 再掲図 詰将棋1手 】
協力詰では合駒は全て有効合として扱われます。
4.協力詰を解いてみよう!
以上を踏まえて、下図の協力詰を解いてみてください。
③ 協力詰 3手
まずは初手から。
正解は 23銀 です。
【 1手目23銀迄 】
これに対して受方はどう応じればよいでしょうか?
「受方は自分が詰まされるように協力する」ということを思い出してください。
正解は 21玉 です。
【 2手目21玉迄 】
次が最終手です。
正解は 32角 です。
【 3手目32角迄 】
代えて最終手を43角と離して打つと、32歩などと合駒をされます。
いくら受方が協力するといっても、王手を外すためには合駒をする以外の手段がないからです。
【 仮想図 3手目43角迄 】
【 仮想図 4手目32歩迄 】
協力詰ではこの合駒は無駄合ではなく有効合です。
以下同角成と合駒を取って、詰ますのに5手かかった計算になります。
23銀、21玉、43角、32歩、同角成 迄5手駒余り。
これでは攻方が最短手数で詰ましたことにはなりません。
従って、最終手の正解は 32角 だけなのです。
【 再掲図 協力詰3手 】
< 正解手順 >
23銀、21玉、32角 迄3手。
最後に別の協力詰を出題しておきます。
④ 協力詰 3手
正解手順はコメント欄に書いておきます。